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未定12
「なんだ? このガキ? おい! お前間違えてるんじゃないか?」
「いや、親分当たりですぜ! そいつはアレと一緒に乗ってた小僧です!」
「へぇ……お前ら聞いたな!! 狙ってた獲物はこの中だ!」
「「「うぉぉぉ──!」」」
「あぁぁ──」
御者の人は完全に震えて動けずに居る。
客車にはレイが1人乗っている。
(こいつらが……2年前の襲った盗賊か──)
ニタニタと卑しい笑みを浮かべている輩が勢揃いだった。
「おい! ガキも奴隷商に売れるからな!」
「へいっ!」
邪悪な目が沢山だ。
(ペルソナ──発動)
滅多に人前ではまだ使わないと決めていたペルソナを迷わず使う。
そして、僕の顔には仮面が現れる。
「なんだ? このガキ? 仮面──?」
それだけ言い残してその盗賊は倒れていた。
風魔法で口から微細に風を送り込み体内で弾けさせたのだ。
「なっ──! ガキ! お前か!!」
客車から視線が感じる。
(これは嫌われちゃうかな……)
そして、その場は僕の独壇場になるのだった。