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未定10
それからあっという間に7歳にレイと一緒に迎えた。
「こんなに大きくなって──レイはすっかり可愛いレディね!」
「トオルもこんなに立派になって──」
カーラとトーリの愛情も健在だ。
夫婦仲もなかなかだ。
「ほら、あなた──」
「あ、あぁ……そうだな」
そんな中でカーラに背中を押されてトーリは少しだけ難しいような寂しそうな顔をしてから言葉を続けた。
「2人にはこれから学校に通って貰おうと思ってる」
「「学校?(ですか?」」
「うむ」
父が感慨深けに頷く。
「レイとトオルには隣の街の学校に通って貰おうと思うの」
「お金の心配は要らないぞ!」
「ただ、ね──」
カーラは少し寂しそうな顔になる。
(あぁ──)
ある程度裕福な家庭なら国や大きな街で学校に行くのは知っている。
そして、その際は学寮があるのだ。
『僕は大丈夫ですよ? ただ──』
「わ、私も大丈夫……」
ギュッと僕の服の袖を握ってレイが応える。
「良い子だ」
それを見てトーリはレイの頭を撫でる。
レイはそれに合わせて頬を緩ませて、それを見たカーラが僕たち含めて皆を抱き締めるのだった。