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0. 終末のマイルストーン

 眼前には(おびた)だしい数の石が並んでいる。

 石の大きさは一定でなく、その多くは砕かれているが、いくつかは厳然とその形を保ったままだ。


 墓地ではないが、それに似た哀愁が漂う此処は、「地球の人類が滅びる要因」が刻まれた石が並べられた場所だ。


『これらの要因をクリアできなければ、人類は滅ぶ』


 誰が説明してくれたのだったかは忘れたが、その要因を潰していき人間が暮らしていける世界を維持するのが我々の目標で、その進捗を目視できるようにこの場所を作ったらしい。


 これらは不確かな予言というよりは、あらゆる叡知を結集して試算しはじき出した"予測"だ。

 悲しいかな、石に刻まれているほとんどの要因は、人間たちによる自滅と言っていいものだそうだ。


 そして、その要因が今現在影響力を増している場合、その要因が刻まれた石は光る。

 辺りを見渡せば、光っている石が二つある。

 どちらも大きなものだ。一つは薄ぼんやりと、もう一つは眩しいほど光っている。


 薄ぼんやりと光っている石に刻まれているのは、『戦争』を意味する言葉だ。

 かつてはどうしても越えられない要因として我々の頭をひどく悩ませたものだが、今となっては人々が自分たちでもなんとか対処できる程度の問題となっているらしい。


 対して、眩しいほど光っている石(文字だけは黒くっきりと読めるようになっている)の方はすこぶる悩ましい。

 刻まれているのは、『管理者の怒り』を意味する言葉。

 ここ数年彼は一部の職務を放棄(ストライキ)しており、既に深刻な被害が出ているのは、我々の間では周知の事実である。そして未だに怒りの原因となっている事は改善されていない。


 かれこれ2000年と少し前に怒らせた時は、彼の子である私の師が地球住まいをして人類まるごと面倒を見ると宣言して、面倒を見る限りは管理を続けてくれるよう約束を取り付けて事なきを得たそうだ。

 だが、今回は師も責任を問われる側にあるので解決できる立場にない。


 管理者は滅多なことでは怒らない。それ故に、その怒りを収めてもらうのも簡単ではない。

 いや、今回の件はもう概ね解決はしており、あとのことは別に難しいことはないはずなのだが。

 現状、私には何とかするための「提案」しかできない。

 提案はこの物語の最後に告知する。いきなり告知してもまず受け入れられることはないので、まずはこの提案を行うに至った経緯を語るとする。できれば目を通して、どうしたらよいか、これを読んでいる貴方にも考えてほしい。


 少し、長い話になる。

 順を追って物事を考えたい人は、第一章から読むといい。

 個人的な昔話はあまり興味がなく、地球や世界の裏話だけ知りたい人は、第二章から読むといい。

 現在起きている問題とその解決策だけ知りたい人は、第三章、もしくは最後の告知だけ読むといい。


 それでは早速始めよう。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

第一章は本日中に続けて更新していきます。

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