表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

魔王より

これは大昔の話


冷酷な魔王は世界を滅ぼそうとしました


しかしそこに現れたのは


天命を受けた勇者とその仲間達


勇者は魔界に入り


四王を打ち倒し


魔王をも打ち倒し


世界に平和を齎したのでした


その偉業を讃えるため


我らはこれを唄として語り継ぐのです



ここは王国ザンドイ。世界の一大国として良き王の元、人々が幸せに暮らしていた。


しかしその平和はある日破られることになった。


突如として王国の上空に出現した巨大な映像とと、それより放たれた言葉によって。


「人類共、つかの間の平和は満喫したか?新魔王たる我、ファトイは貴様ら人類を滅ぼす事に決めた。もしも滅ぼされたくなければ我を殺しに来い。ま、貴様らの脆弱な肉体で魔界の瘴気に耐えられるとは思えんがな。これ以降の意思疎通は行わぬ。交渉は無駄だ。」



それは新しい魔王を名乗る者からの宣戦布告だった。ある者は何かのパフォーマンスかと笑い、ある者は冗談にしてもやり過ぎだと憤り、前魔王の所業に覚えのあるものは恐怖に震えた。


そしてその後入ってきた情報は、先程の宣戦布告は全ての国、街、村において行われており、更に魔界と人類界を繋ぐ穴からは今までとは桁違いの量の魔物が溢れ出ているとのことだった。


人類は再び魔王によって絶滅の危機に瀕することとなった



宣戦布告から数日、辺境の村ファードでは2人の男女が楽しそうに話をしていた。


「でだ、俺はこう…オオトカゲの尻尾を掴んで投げ飛ばした訳だ。そうしたら丁度木にぶつかって倒すことが出来たんだ!」


「凄いじゃない…でもオオトカゲの尻尾って毒があるんじゃなかった?手は大丈夫なの?」


「……おぉ、勿論!俺の手は毒なんか効かないからな!」


「リイオは殆どの状態異常に耐性持ってるんだったっけ?」


「その通り!俺は何れ勇者になる男だからな!」


「あ、また言ってる…お父さんが『後継者が居なくなるーっ!』ってまた泣くわよ?」


「それは……まぁ、ほら…魔王が復活して、それを倒したら継ぐさ……」


男の名はリイオ、女の名はサラ。2人は同じ年に生まれた幼なじみとして仲良く育っていた。


「さて、そろそろ帰らないとな…明日はワイバーンを倒した時の話をしてやるよ!」


リイオは村の外に出る勇気は無いが外の世界が知りたいサラの為に様々な話をした。


実際のところリイオは魔物の1匹も倒したことは無かったが、サラを楽しませる為に様々な物語を作り上げた。


「楽しみにしてるね!」


サラは小さな矛盾点や明らかに魔物を倒すペースが早過ぎる事に気付きつつもリイオが自分の為に話を考え、話してくれることに喜びを覚えていた。



家に帰って両親の作ってくれたご飯を食べてお風呂に入り、寝る。そして朝早く起きて仕事を手伝った後また2人で集まって話し合い、笑う。


そんな幸せな日々が続くと漠然と信じていた。


魔王からの宣戦布告が届くまでは



魔王からの宣戦布告の後、アンドル王国は人類団結と魔王討伐を全世界に呼び掛けた。初めは懐疑的だった国や人々も、魔物が生活圏を脅かすようになると同調するようになっていった。


各地にあり魔物の討伐依頼や狩人達の補助を行う『ギルド』は前魔王討伐後その役目をほぼ無くしていたが、その報酬の良さから魔物を狩ろうと意気込む賞金稼ぎや、以前魔物が溢れた頃の技術をまた活かそうとする冒険者、世界の平和を守りたい勇者予備軍等で活気を取り戻していた。



当然ファードにもこの情報は伝わってきたが、ファードには若者や長寿族は少なく、ギルドに向かおうという考えをする者は居なかった。


「……ギルド……魔物討伐………魔王討伐…………これだ…!」


今貼り紙を手に歓喜に打ち震えているリイオを除いては

定期的な投稿を心掛けます!誤字脱字などは優しく教えて下さるととても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ