フェイク68 レイド
Fランクの俺がいるパーティにEランクモンスターを任せて、高ランクの自分たちが危険度の高いDランクを担当するとは理にかなっているし、俺の事も見下した感じはしない。
全員で準備を済ませて、パーティ単位で進んで行くと見た事の無いモンスターが2体と見慣れたモンスターが3体現れた。
俺たちの敵はトロール2体にジャガーマンが1体だ。
決して楽な組み合わせでは無いが十分やれる。
三パーティ共に他のパーティが仕掛けるタイミングを見計ろうとしているが、慣れていないパーティ同士なので呼吸が合わない。
「葵、行くよ」
「はい」
時間が経てば不利になるので、他のパーティに遠慮する気持ちもあったが俺が先陣をきる事にした。
「くらえ!『ウインドカッター』」
いつもやっている様にトロールの足に風の刃を放つ。
同様に葵も『ウインドカッター』をトロールに放つがやはり俺のものとは威力が違う。
俺達の攻撃を皮切りに残りの二パーティもそれぞれDランクのモンスターへと攻撃を開始した様だ。
俺は続け様に『ウインドカッター』を放ち完全にトロールの動きを封じ込める。
動きを止めたトロールの頭部に向けて『アイスジャベリン』を連発してとどめをさし、葵も同様に『エクスプロージョン』を放ちトロールを沈めた
後はジャガーマンだけだ。
「葵、あいつは俺が追い詰めるからとどめを頼んだ」
「はい」
俺は、ジャガーマンに向かって走り距離を詰めようとするが、当然ジャガーマンの方がスピードがあるので逆に距離を開けられるが、『エクスプロージョン』を放ち行く手を燃やす。
「葵!」
「そこです! 『エクスプロージョン』」
葵の爆炎がジャガーマンを包んだので俺ももう一発『エクスプロージョン』を重ねた。
「ふ〜。うまくいったな。他の人達は?」
他の二組に目をやると、それぞれ交戦中だが、見る限りロックタートルを相手にしている野崎さんのパーティは動きの鈍い敵を相手に攻撃を繰り返しており、十分戦えている様に見えるが、ギガントオーガを相手にしている相谷ペアは敵に押され耐えるのに精一杯という感じに見える。
「葵! 相谷ペアをフォローする! ギガントオーガに向かうぞ」
恐らく相谷ペアはフォローに入らないとやられる。
そもそも格上のギガントオーガ相手に単体のパーティで戦う事に無理がある。
俺と葵は左前方で戦っている相谷ペアを目指して走る。
『『エクスプロージョン』』
俺と葵が、ほぼ同時にギガントオーガめがけてスキルを放つ。
完全に不意をついた爆炎はギガントオーガの胸部と顔の辺りに命中した。
「ガアアアアアアアア〜!」
ギガントオーガが痛みに顔を歪めてこちらを向くが、すぐ様追撃をかける。
「まだだ!『ライトニング』」
閃光が走り雷がギガントオーガを撃ち、さらにダメージを与える。
「すまない。助かった。俺も負けてられない『アーススピア』」
相谷さんが放った槍がギガントオーガの右足を貫く。
「俺もやります!『アイスジャベリン』」
俺も合谷さんに倣って氷の槍で左足を狙うが、あっさりと躱されてしまった。
流石Dランク、そう簡単にはやらしてくれない。
「私が!『ウォーターショット』」
東山さんが放ったスキルは無数の水弾をギガントオーガに降り注いだが、致命傷には浅い。
彼女のスキルは広範囲を殲滅するのには向いてそうだが、ギガントオーガを倒すのには相性が悪いと思う。
「止まって!『エクスプロージョン』」
葵が間髪入れずにスキルを放ちダメージを与える。
四人にスキルを連発されてギガントオーガの動きは目に見えて緩慢になってきた。
「このまま押し切れる! 『アイスジャベリン』」
完全に効いている。
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