フェイク62 救援
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「助けに行きたい気持ちはあるんだけど、今の俺に残っているスキルじゃ難しいかも」
「私はまだ少しスキル回数に余裕があるのでいけます。凛くんさえ良ければ私は行きたいと思うのですが」
「そうだな……でも俺はほとんど役に立たないかもしれないから、危なくなったら逃げるよ。他のサバイバーを置いてでも葵を連れて逃げるからね。それだけは約束してほしい」
「やっぱり、凛くんは優しいですね。わかりました。約束です」
「そ、そんなんじゃ無い。おれは自分が、かわいいだけだって」
「はい、分かってます」
葵と約束を交わして急いで現場へ向かうが、本当に近くだった様で、向かってすぐに声が聞こえて来た。
「助けてくれ〜! 逃げ切れね〜」
「救助はまだかよ。このままじゃやられる!」
男2人の声がする。声の感じから言ってモンスターから必死に逃げている様だ。
「葵! あっちだ」
急いで声のする方に二人で向かって行く。
あいつらは……
眼前で騒ぎながら逃げているサバイバーに見覚えがあった。
あいつは同じクラスの本田……
前にクラスで話していたのを聞いたがあいつはGランクのはず。それなのに追って来ているのはFランクのオークとホブゴブリンだ。
しかも四体も追って来ている。
どういうことだ?
目の前に繰り広げられる状況に頭には疑問が浮かんだが、今はそれどころでは無い。
「本田〜! こっちだ、こっちに来い!」
「お、お前は……無能者のボッチじゃね〜か!」
「いいから、こっちに来い。死にたく無いだろ!」
本田は一瞬不服そうな表情を見せたが、俺の隣に葵がいるのを確認すると同時に、全速力でこちらに向かって走って来たが、もう一人も本田に追随する形でこちらに向かって来た。
「若葉さん! 助けに来てくれたんだね、助かった〜」
「若葉さん、ありがとう。恩にきるよ」
もう一人も学園の生徒か。
それにしても目の前にいる俺の事は完全にスルーだな。
まあ別にいいけど。
「葵、俺は一体しか無理かも。フォローはするから残りを頼めるか?」
「はい、大丈夫です。任せてください」
追いかけて来ていた四体のモンスターは、俺と葵を認識してスピードを緩めて警戒している。
「それじゃあ俺は一番端のホブゴブリンをやる」
そう葵に伝えてホブゴブリンに向かって行く。
残されたスキルの使用回数は限られているので確実に命中させる為に普段の戦闘よりもモンスターとの距離を詰める。
『ウインドカッター』
風の刃でホブゴブリンの足を斬り刻むが単発では浅い。
続け様に最後の『ウインドカッター』を放ち、ホブゴブリンの動きを完全に封じ込める。動けなくなったホブゴブリンの頭部を狙って『アイスジャベリン』を使用して射抜く。
ほぼイメージ通りに倒す事が出来たが、敵は後二体。
一体は葵の『エクスプロージョン』によって既に倒されていたが、残った二体に対して俺のスキルはあと一回だけだ。
「葵、右側のオークは俺が足止めするからその間に左側の奴を頼んだ」
一対一の状況に持ち込めば葵がFランクに負ける事はまずあり得ないので、俺が残る二体のうち一体の注意を引き足止めをする。
俺は手にサバイバルナイフを持ってオークを挑発する。
「ほらっ、こっちだ。お前の相手は俺だ! 来いよ!」
オークも俺の事を自分の相手だと認識した様で、こちらを向いて威嚇して来ている。
俺は少しずつ後ろに下がりながら距離を取る。
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