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フェイク54 予習

これを見る限りやはり『ライトニング』よりも上位のスキルらしい。


「葵、無事に使える様になったみたいだけど今のレベルで使えるのは一度だけみたいだ」

「あれだけのスキルですから使える回数が少ないのは仕方がありませんね」

「実際に使ってみないとEランクのモンスターにどの程度通用するのか分からないな」

「明日以降の討伐の時、最初に使ってみるのが良いと思います。最悪上手くいかなくても他のスキルでカバーできますからね」

「ああ、そうだな。そうしてみるよ」


今日の目的はもう達成したので二人で部屋に戻るが、今日も一日自転車に乗るつもりだったので予定が無くなってしまった。


「ごめん、予定無くなったから、葵の好きにしてくれていいよ」

「そうですか。それじゃあ凛くんも一緒に勉強しましょうか」

「え……勉強? テストも終わったし何の?」

「新学期の予習です。凛くんも前回折角成績が上がったのですから、次はもっと上位に行けるように今から頑張りましょう」

「…………あの、俺は別に……」

「次は学年三十位以内が目標ですね。一緒に頑張りましょう」

「ああ……はい」


なんと冬休みにもかかわらず、勉強する事になってしまった。

冬休みは特に宿題も無いので、勉強するという発想が無かった。

だが、散々付き合ってもらった葵が勉強しようと言うのに、これを断る事など出来るはずが無い。

しかも俺のために勉強しようとしてくれているのだろうから、次の学年末テストでは目標の学年三十番以内をなんとか達成したい。

だけど、三十番以内って結構難易度高いし、俺は一体どこに向かっているのだろう。

葵が優等生なのは分かるが、俺は別に優等生では無い。

俺は普通で良かったのに何故か葵によって優等生化を推し進められている気がする。

お昼ご飯を挟んで晩ご飯の時間までずっと勉強をする事になってしまったが、テスト前以外でこんなに長時間勉強したのは初めてだ。葵がやめてくれないので、俺からやめる事は出来なかったが、葵の集中力はすごい。

俺の集中力はかなり早い段階で切れてしまっていたが、真剣に教えてくれる葵を前に投げ出す事は出来なかったので歯を食いしばってなんとか最後までやり切った。


「お、終わった。疲れた………」

「お疲れ様でした。それじゃあ今日はここまでにしましょうか」

「今日は?」

「はい、また明日も続きをやりましょうね」

「明日も……」

「はい、がんばりましょうね」

「……はい」


明日もやるのか……。ああ……頑張ろう。

晩ご飯は葵がいつもと同じ様に本当に美味しいご飯を作ってくれたが最近このご飯を食べるのが当たり前になって来ている自分が怖い。

葵が作ってくれなくなったら俺はどうなるんだろう?

またカップ麺生活に戻れるだろうか?

少しは自炊出来る様になった方がいいのかもしれないがどう考えても自分では葵と同じ味のご飯を作れる気が全くしない。 


「そういえば、葵はこのお正月はどうするんだ?」

「凛くんこそどうするおつもりですか?」

「いや、俺は行くところも無いしずっとここにいるつもりだけど、葵はご両親に会いに行ったりしないのか?」

「ちょっと前まではそれも考えていたのですけど、凛くんがいるので今回は私もここにいる事にしました」

「そう。別に俺に気を使わなくていいよ」

「別に気を使ってるんじゃないです。私がそうしたいだけですので」

「ああ、うん、ありがとう」


俺は初めからこの冬休みをずっと一人で過ごすつもりにしていた。

違うとは言っているが多分葵は、俺の事を気にしてくれたんだろうと思う。

葵がご両親に会えなくて申し訳ない気持ちが湧き上がって来たが、それ以上に俺と一緒にいてくれて嬉しい気持ちが勝ってしまい、自分がこんなに人と一緒にいたいと思うなんて不思議な感じだった。

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