フェイク53 雷帝のスキル
「すごい…………」
もう、すごいとしか声が出なかった。『ライトニング』だけでも凄いのにそれに加えて『ボルテックファイア』って……
ドラゴネットをほぼ瞬殺……
この人はどれだけすごいんだ。
俺が唖然としていると神木さんはドラゴネットの魔核を回収してから、こちらに向いて声をかけてきた。
「お〜また会ったな」
「はい。ご無沙汰してます神木さん」
「よく俺の名前覚えてたな。そっちの名前なんだっけ」
「あ、はい山沖凛です」
「ああ、そうだった、凛な凛。もう覚えたぞ。今日は一人じゃね〜んだな」
「はい、彼女は俺とパーティを組んでる若葉さんです」
「あ、若葉葵です。よろしくお願いします」
「よろしく。凛とは二度目だからまた会うかもしれね〜な。それじゃあな」
「はい、また機会があれば」
そう言うと神木さんはバイクに跨り颯爽と消えて行った。
「凛くん驚きました。凛くん雷帝とお知り合いだったんですね」
「雷帝?」
「はい、ご存知なかったですか? 神木さんの二つ名です」
二つ名ってそんなものあるのか?
しかも雷帝って、ものすごい二つ名だな。
「という事は、葵も神木さんの事知ってたのか?」
「あの方はこの辺りでは結構有名なサバイバーですよ。今はBランクのはずですが、その中でも上位に位置すると言われています。雷系のスキルを操るトリプルスキルホルダーです」
「すごい人だとは思ってたけどBランクだったのか……しかもトリプルスキルホルダーって事はさっきの以外にももう一つスキルを使えるって事か。完全にチートじゃないか」
「あの方はこの辺りでは最強の一角だと思います」
「そうなんだ。ドラゴネットを瞬殺だもんな」
「それより、もしかして凛くんの『ライトニング』って……」
「うん、そうだよ。神木さんのスキルの模倣。オリジナルを見ると比べるのも恥ずかしいけど。以前スキルホルダーを探していた時にも神木さんの戦闘に出会したんだ。その時はオークを一撃だったけどね」
「そうだったんですね。その時に知り合ってたんですね」
「そう。だけど今回『ボルテックスファイア』を見ることが出来てラッキーだったよ。多分『ライトニング』より上位のスキルだと思う」
「そうですね『ライトニング』で仕留められなかったのを『ボルテックスファイア』で消し去りましたもんね」
「試しに使ってみるから離れておいてくれるかな」
「わかりました」
神木さんは右腕を前に突き出してスキルを発動していたので、真似をして天に向かって手を突き出す。
『ボルテックファイア』
俺がスキルを発動するとさっき神木さんが発動した炎雷と同じものが天に向かって放たれた。
もちろん神木さん放っていたものよりはかなり小規模だ。
「使えた………」
「やっぱりすごいです」
「いやすごいのは神木さんのスキルだけどね」
俺は自分のステータスを確認してみた。
サバイバーLV7
スキル 『フェイカー』《エクスプロージョン4》《ボルテックファイア0》《ライトニング2》《アイスジャベリン5》《ウインドカッター5》
『ファイアボール』に変わって『ボルテックファイア』がスキル欄に表示されており使用上限回数は0となっていた。
先程試し撃ちしたので使用出来る回数は一回だけという事だ
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