表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/179

フェイク167話 ポーション

HJ文庫モブから始まる探索英雄譚3が文庫POSランキングにランクイン中です。

よろしくお願いします。

「ぐっ……あ……」


葵に手伝ってもらってなんとか身体を起こすことに成功したが、泣くほど痛い。


「救急車本当に呼ばなくて大丈夫ですか?」

「ああ、なんとか身体を起こすこともできたし、もう大丈夫だと思う」


上半身は無理やり起こしたおかげで少し左右にも捻ることができるようになっているが、問題は脚だ。

自分の感覚では特にダメージが大きいような気がする。

昨日の戦闘でどこを一番使ったかといえばもちろん脚だ。

その分ダメージが大きいのだろう。


「ふっ……くっ」


再び葵の力を借りて脚の屈伸を始めるが、脚の筋肉と腱が切れそうだ。


「あぁ……葵、ちょっと弱めでお願い」

「凛くん、今でもかなり弱めです。このままだと厳しい気がするのでパパに対処法を聞いてみますね」

「ああ、それがいいかもしれない。申し訳ないけどお願いします」


弦之助さんなら経験者なので良い対策法を教えてくれるかもしれない。

葵が弦之助さんに連絡をとると、わざわざ俺のところまでやってきてくれた。


「あ〜凛くんもやっぱりそうなったか。懐かしいなぁ。俺の時なんか最初に使った時は三日寝込んだからまだまだ軽い方だよ」


これで軽い方なのか。この状態で三日ってほとんど殺人スキルじゃないか。


「それでどうすれば……」

「気合いで治すんだ」

「気合……」


どう考えても気合いで治せるようなものじゃない。


「まあ気合も大事だけど、これを使うのがいいかなぁ」


そう言って弦之助さんがバッグから栄養ドリンクのような茶色の瓶を取り出した。


「栄養ドリンクですか?」

「いや、これはポーションだよ」

「ポーションですか?」

「そう、ポーション。知らない? ポーション」


ポーションといえばファンタジーものに欠かせないアイテムだが、現実に存在するのか? お金を稼げるようになってから買って読んだ小説にものっていた。それとも、お決まりの弦之助さんの冗談か?


「ポーションってあのポーションですか?」

「そう、あのポーションだよ」

「そんなのあるんですか? 聞いたことないです」

「ああ、そんなに数が出回ってないから。完全にスキル持ちの家内制手工業だから、結構上位のサバイバーにしか知られてないんじゃないかな」

「そうなんですか?」


弦之助さんによるとポーションは俺の僅かばかりのファンタジー知識にある錬金とか精製によってつくられるのではなく、回復スキル持ちが精製水にスキルを発動し製造するらしい。スキルが水に効果があるのも驚きだが、なんと瓶詰めしておけばその効果は六ヶ月も続くそうだ。ちなみに人にスキルを使用した場合は効果はその瞬間だけらしい。


「これを飲めばかなり良くなると思うよ。私も時々お世話になってるんだ。ぐ〜っといっちゃって」

「はい、それじゃあ、いただきます」


生まれて初めてのポーションを開けて一気に飲む。

ポーションといえば小説の中の憧れのファンタジーアイテムなので味もファンタジー感があるのかと期待して飲んだが、普通に水だった。

スキルを付与しても水は水だった。

スキルは無味無臭らしい。

モブからコミック1巻も2月に出るようです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 画像をクリックすると紹介ページにアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、紹介ページにアクセスできます ▲▲▲  
― 新着の感想 ―
[一言] ヨーグリーナとかにスキル付与してもらいたい。 賞味期限が切れた水にスキル付与したら、飲むのに勇気が必要かも。
[一言] スキルに香りと味を求めるなw
[一言] でも……お高いんでしょう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ