フェイク129 動物園
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『ウィンドブレイク』を模倣した後、身支度を整えて葵との約束通り動物園へと来ている。
「葵は動物園へは結構来たりするの?」
「小さい時は両親によく連れてきてもらっていましたが、高校生になってからは初めてです。凛くんはどうですか?」
「俺は小学校の時の遠足で来たことがあるくらいで、ほとんど来た記憶はないな〜」
「じゃあ、今日はいっぱい楽しみましょうね♪」
俺は特別動物が好きというわけではないので、動物園への興味はそこまであるわけではないが、葵と一緒なら状況は一変する。
動物を見ている葵を見ていることが楽しい。
「凛くん、キリンさんです。大きいですね〜」
「うん、大きいね」
「凛くん、ライオンさんです。カッコいいですね〜」
「うん、かっこいいね」
「凛くん、カバさんです。かわいいですね〜」
「うん、かわいいね」
葵につられてかわいいと言ってしまったが、カバってかわいいのか?
しばらく園内を廻っていると、動物ふれあい広場という動物に直接触ることができるエリアにやってきた。
「ふぁあ、うさぎさん。ふぁふぁです。かわいい……」
黒いうさぎを抱いている葵が幸せそうな表情を浮かべて撫でている。
「葵、うさぎが好きなんだね」
「はい、かわいいです」
葵がうさぎを抱っこしているのをしばらく眺めていたが、ふと視線を外すと奇妙な小動物が目に入ってきた。
「葵、あれってなんだろう」
「えっ? あれは……ハリネズミですね」
確かに背中にたわしのようなものを背負っている。
小走りでちょこちょこ移動する姿がかわいい。
「かわいいです……」
葵がハリネズミの方へふらふらと近づいていく。
「抱っこしてもいいのでしょうか? 大丈夫ですよね」
葵は先程まで抱っこしていたうさぎを地面へとゆっくり下ろして、ハリネズミへと手を伸ばし手のひらに乗せる。
「ちっちゃいです。ぬいぐるみみたいでかわいい」
抱っこするサイズではないが手乗りネズミ状態で確かにかわいい。
ハリネズミの実物を見たのは初めてだが、背中の針で攻撃してくるわけでもないし、かなり人にも慣れているように見える。
再び葵が幸せそうな顔でハリネズミをかわいがっているのを眺めるが、ただ眺めているだけのこの時間が本当に幸せに感じる。
動物園に来てよかったな。
結局ふれあい広場だけで一時間近く過ごしたが、葵はもっと動物と触れ合っていたい感じだった。
そこからまた動物園を巡った。
「凛くん! レッサーパンダですよ。 あぁ……ふぁふぁでかわいいです」
これがレッサーパンダか。初めて実物を見たが全くパンダには見えない。むしろたぬきかアライグマにしか見えないけど、かわいいには違いない。
たしかに見た感じふぁふぁだし葵の好きそうな要素は備えている。
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