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1000字短編集

テディベアと少女

 大型ショッピングモールのエスカレーターに陽子は乗っていた。となりにはブレザーを着た浩介がスクールバッグをかついで立っている。

目的地は三階にあるゲームセンター。帰りのホームルームのあとに浩介が陽子を誘ってきたのだ。


 陽子はエスカレーターのステップから足を踏み出す。

 フロア内にはゲーム機の電子音、人の話し声、BGMなど、音が氾濫し混ざり合っていた。


「なにからやろっか? 太鼓の達人?」


 周囲の音に負けないように大きめの声で陽子は聞いた。


「とりあえずグルっと見て回ろうぜ。面白そうな新台が入ってるかもしれないし」

「うん、わかった」


 放課後ということもあって、ゲームセンターには学生が多かった。みんな食い入るように画面を見つめレバーを動かしボタンを叩いている。

 浩介はそれらを見ることもなく一直線に歩いていく。陽子も後につづく。


「あ、これ」


 陽子はクレーンゲーム機の並ぶエリアの一角に気になる一台を見つけた。景品は赤いシャツを着た大きなテディベア。テディベアは陽子の好きなものだ。


「ねえ、クレーンゲームやろうよ」


 先へすすむ浩介を呼びとめる。


「いいけど、おまえにできるのか? けっこう難しいんだぞ」

「やってみなくちゃわからないでしょ」


 投入口に硬貨を二枚いれる。操作ボタンが点灯した。陽子は二つあるボタンのうち左のほうを押す。ガラスの箱の中でクレーンがゆっくりと横方向へと移動していく。

 食い入るように見つめる陽子。


「えいっ」


 ボタンから手を放し、もう一つのボタンを押す。

 今度はクレーンが縦方向へと移動した。アームが開き、テディベアの頭にむかって下りていく。

 しかしアームはテディベアの毛を撫でるだけだった。


「ほら無理だろ」

「じゃあ、浩介ならできるっていうの?」

「ちょっと代わってみろよ」


 浩介はズボンのポケットにしまっていた財布から硬貨二枚をとりだした。

 箱の中のクレーンが動く。

 テディベアの服にアームが引っかかった。そのまま穴のほうへテディベアが移動していく。


「すごーい」

「そういやおまえテディベアが好きだったよな。俺は興味ないからやるよ」

「ありがとう。あ、でもバッグに入らない」

「店員に言えば包装してもらえるぞ」

「わかった。ちょっと待ってて」


 陽子は店員を探してフロア内を歩く。その途中、写真が貼られている掲示板を目にした。

 殿堂入りと書かれている写真のひとつにはよく知る顔の少年がテディベアを持って写っていた。


「ふふ、ありがとう」

やばい、文字数足りない。

これじゃ隠れテディベア好きな少年と誤読されてしまいそう

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