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魔王との決戦 ④

「DCO、ちょっといいか?」

「ん? なんだ?」

「実はちょっと頼まれてほしいことがあってな」

「とりあえず聞くよ。聞きはするけど、内容次第じゃ断るぜぇ?」

「ああ、それでいいよ」


 GLOはやっぱりDCOと話してる。さっき聞いてたときは何を訳分かんねえこと言ってんだって思ったけれど、もう訳が分かったし。


「GLO? ちょっといい?」

「ん、なんだよ? 魔法少女J子(以下MJK)」

「あんた、もしかしてもうHPないんじゃない?」

「ステータスオープン・・・・・・なるほど、≪リセット≫ を使ったな?」

「うん、使った。だってあんた、急に倒れるんだもん」

「倒れた?」

「そう、ちょっと首根っこ引っ掴んだだけなのに倒れたから、もしかしてHPが関係してるのかと思ったんだ。ね? DCO、私基本的に何もしてないもんね?」

「ええ!? 知らないけど、何かしたの?」

「は? DCOもGLOが倒れるとこ見てたし、私に非がないことも認めてくれてたじゃない」

「いやそんなこと言われても知らないもんは知らないよ」

「ああ? あんた頭ん中まで脂肪が詰まってんじゃないの?」

「いやぁ、さすがに頭ん中はスカスカだと思うよ、へへ」

「そうかスカスカだから忘れちゃったわけだ」

「ちょっと待った。MJK、キミはまだ知らないのかもしれないが、≪リセット≫ を使うと ≪リセット≫ を使った人以外は ≪セーブ≫ をした時点に戻るんだ。つまり、DCOはまだ何も知らないんだよ。ちなみに、おそらくだがMJKが ≪リセット≫ を使う前の僕は、いま話した ≪リセット≫ と ≪セーブ≫ についてDCOに説明してたと思うんだが、どうだ?」

「た、確かにそうゆうことを話してたと思う」

「ふん、ちょうどいい、MJKもいま ≪セーブ≫ してみてくれ」

「わ、分かった・・・・・・したよ」

「これで誰が ≪リセット≫ をしても僕とMJKだけは粗方事情を理解していることになる。ちょっと時間を使い過ぎてしまった感はあるが、仕方ない」

「どうせならみんなにも伝えなよ」

「ふっ、そんなのもう試みたさ。だけど誰も僕に耳を貸さなかった」

「あ、ごめん」

「そうだよお前はあと100回謝れ」

「あ、それでDCOに説明してたのかぁ」

「そういうことだ」


 なにがどうなっているのか私にはいまだにピンとこないが、GLOは色々と把握しているようだった。すでに彼のレベルは20に到達しているというから、さぞかし色々とやってきたのだろう。その代償としてHPが1になってしまい、GLO自身、もう自分はなにもできないのだと言っている。


「あとは頼んだぞDCO。まずはみんなが ≪リセット≫ と ≪セーブ≫ について知る必要がある。みんなが考えなしに ≪セーブ≫ するのも上手くないし、≪リセット≫ を繰り返されても話が進まない。歩みは遅くともみんなで少しずつ理解しながら進んでいって、魔王を攻略してくれ」

「とりあえずいまの話はみんなに伝えるよ。あと、今後もまた何かあったら口出ししてくれよな?」

「そうだよ。HPは1でもまだ生きてんだから、しっかりしなさいよね」

「こんなふうにMJKと話したのは初めてだな。忘れてしまうのが残念だよ」

「ちょっとキモいんだけど・・・・・・DCO、さっさと ≪リセット≫ して」




* * * * * *




「これで誰が≪リセット≫をしても僕とMJKだけは粗方事情を・・・・・・」

「その話はさっき聞いたよ」

「DCO・・・・・・?」

「GLOが伝えられなかったことを、いまからオレがみんなに伝えてやるよ」

「すっげえ、鳥肌立った」

「あ? なに言ってんの」

「いや、これからDCOにお願いしようとしてたことがあったんだが、まだ僕がお願いしていないにもかかわらず、そのお願いを叶えてやるよって、DCOはいま僕にそう言ったんだ」

「なにそれすごいじゃん・・・・・・って、≪リセット≫ か!」

「そう、GLOには時間を無駄にできないとも言われたから ≪リセット≫ したんだ。あと、GLOがMJKのことを可愛いって言ってたぜ」

「まあ!?」




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 DCOは実はアホなのか。


 なぜあの場でそんなネタをぶっ込んできたのか? 確かに僕はMJKのことを可愛いと思っている。いや、彼女だけでなく僕がこのクラスの中で可愛いと思っている女子は6人くらいいるからな。だが、絶対に僕はそれを当人に伝えるような真似はしないし男子にもそんなこと言わないはずだ。これは断言できる。だからこそDCOがなぜあのようなことを言ったのかが本当に不可解だ。僕が本当にMJKのことを可愛いなどと言ったのか、それともDCOが9割脚色しているのか。おそらく後者であろうし、DCOには悪気もないのだ。それどころかMJKの僕への好感度をアップさせようと狙ったのではないかとも考えられるからなお性質たちが悪い。


「ねえ、したよ」


 ん、したって何を? 一体何のことを言ってるんだMJKは? 意味深な言い方はしないでほしいんだが。


「どうしたんだよ? ボーっとして。≪セーブ≫ したよっつってんの。大丈夫?」

「ああ、そうだったな。そこからだった」


 いかんいかん。自分以外の人が使った ≪セーブ≫ だと ≪リセット≫ したときの再スタート地点がすぐには分からないな。


「すまんDCO、それじゃ頼むよ」

「え? なにを?」


 ああ、いま分かった。DCOは超絶良いヤツだが、やはりアホだった。≪リセット≫ したなら ≪セーブ≫ もしておけってんだよ、まったく。さっきの感動を返してくれと文句を言いたいくらいだ。さっきは本当に痺れたんだがなぁ。

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