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魔王との決戦 ①

ここから本編です


この作品自体ネタのようなものですので、なにも考えずに読んでいただければ幸いです


※視点は流動的なので、分かりづらい点などあるかもれしれません


※あらすじにも明記していますが、主人公達の名前はかなり適当です

 さっきまで学校の教室にいたはずなんだけど・・・・・・、見た感じここは教会のようだな。周りにはクラスのみんなもいるが、見知らぬ少女が2人。1人は正統派メイド服の女、1人は白のワンピース姿の少女。みんなからやや離れた位置で騒いでいるのはオジサン2人と・・・・・・変な人が1人。いや、人かどうかすら怪しいが。そしてその3人を囲んで荒ぶる怪物ども。状況がいまいち分からないな。


 おっと自己紹介が遅れたな。オレはポジティブA夫(以下PAO)。この物語の主人公だ。どうやらオレ達はクラスみんなで召喚されてしまったらしい。召喚主は正統派メイド服か白のワンピースのいずれかだろう。


「どこここ?」

「そら、異世界でしょ?」

「異世界ってどこ? ここ?」

「ひょえ~、死んでないのに異世界来たってことは召喚されたのかもだね」

「よくご存知ですね」

「それにしてはなんだか様子がおかしくない? すぐそばで魔物と戦ってる人達がいるんだけど」


 クラスのみんなもそれぞれに状況を整理しようと話し合っているようだ。無理もない。普通ではありえないことが起こってるんだからな。


「勇者のみなさ~ん! 本日は遠路はるばるようこそオーギュスト家においでくださいました! 早速ですがみなさん、あちらをご覧ください!」


 メイド服の女が手を差し向けたのはおじさん達と怪物どもが乱痴気騒ぎをしている方だった。


「あの中の牧師のような黒い服を着たオジサマが魔王なんです。魔王を倒してください。お願いします!」


 メイド服の女の言葉にみんながザワザワし始める。その様子を見て女は若干目を丸くしているように見えた。


「あのぉ、みなさんって勇者さんなんですよね? 戦わないんですか?」


 メイド服の女がさも不思議そうにクラスのみんなに尋ねている。そりゃあな、確かにみんなは勇者として召喚されたのかもしれないが、本当に職業が勇者でチートを兼ね備えているならともかく、それが分からないのに好んで戦いに巻き込まれに逝く奴なんていないだろうさ。


「だってまだ私達が勇者かどうか分かんないじゃん」

「そうそう、勇者ってこととかレベルが超高いとかステータスがアホみたいに高いとか分からんことには戦えまへんよ」

「せやで」


「キ、キキ、どうなってるの? もしかして奥義は失敗だったってこと!?」


 白いワンピースの少女がメイド服の女の袖を引く。


「おぉ、パルムぅ・・・・・・いえ、まだ失敗と決まったわけじゃないよ。彼等にはまだ正義の味方としての自覚がないだけだから。自分が何者なのか・・・・・・それさえ分かれば彼等も変わるはず」

「ウニュトラマンやラーメンライダーとはちょっと違うわけね」

「あの2人は生れ付いての宿命を背負いし正義の味方だからね」

「むぅ~」

「大丈夫、そんな顔しないで。こういうときってばステータスを開示させちゃえば万事解決しちゃうんだから!!」

「わ~ん、さすがキキ! なんでも知ってるね!」

「というわけだから、ステータスをオープンしなさい!」


 口調も厳しめにメイド服の女がみんなに告げる。


「・・・・・・ステータスオープン」

「すていたすおーぷん」


 半信半疑ながらもみんながステータスのオープンを試みている。


「ステータスオープン」


 みんなが試してるのを見ながら、やれやれと思いつつオレも魔法の言葉を口にしてみる。するとどうだろう。何もないはずの空中にステータスウインドウが現われ、そこにはオレの名前や年齢、職業が記されていた。おそらくこれは本人にしか見えていないのだろう。周りを見ればみんな呆然としながら空を見ているからだ。どれどれ。


【氏名】PAO

【性別】男

【年齢】16歳

【職業】勇者

【レベル】1


【HP】15/15

【MP】2/2

【力】8

【体力】5

【素早さ】4

【賢さ】4


【特技】≪リセット≫ ≪セーブ≫


◆リセット 0

◆セーブ 0


 うん、ゲームによってはレベル1でこのステータスはふつうだな。一瞬、10段階評価の通信簿かと思ったけど、10段階にしても泣けるステータスが多いな。んで、さっきメイド服の女はなんて言ってたっけか。確か、あっちにいる黒服のおじさんが魔王だって言ってたよな?


 もしかして負けイベ?

 こんな初っ端から?


 あ、っていうか初っ端にやられておいてからの成長物語ってある意味王道だよな。


 さて、あと気になるのは【特技】の ≪リセット≫ と ≪セーブ≫ だな。




 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦




 ここは!

 さっきまでいた教会っぽいとこ!?

 なにも変わってないじゃん!


 ホントに ≪リセット≫ してんの? ああ、でもよく見ればパルムちゃんもキキちゃんも最初の頃と同じ表情してるから、≪リセット≫ はされたっぽいな。


「どこここ?」

「そら、異世界でしょ?」

「異世界ってどこ? ここ?」

「ひょえ~、死んでないのに異世界来たってことは召喚されたのかもだね」

「よくご存知ですね」

「それにしてはなんだか様子がおかしくない? すぐそばで魔物と戦ってる人達がいるんだけど」


 おおおおお!! いまの会話はさっき聞いたばかりだぞ。ってことはやっぱり ≪リセット≫ は成功してる。そして、≪リセット≫ で戻される地点っていうか時点が、召喚された直後ってことだろう。なにしろ私は人生の再起を図るべく小学3年生の頃に戻りたいと祈りながら ≪リセット≫ したんだ。その願いが反映されていないってことは、この【特技】欄にある ≪リセット≫ の効果は【召喚された直後の時点に遡る】ってことで間違いない。まったく、下手に期待して損したな。


「勇者のみなさ~ん! 本日は遠路はるばるようこそオーギュスト家においでくださいました! 早速ですがみなさん、あちらをご覧ください!」


 キキちゃんさっきと同じこと言ってる。


「あの中の牧師のような黒い服を着たオジサマが魔王なんです。魔王を倒してください。お願いします!」


 ざわめくみんなの反応もさっきと同じ。みんなにはさっきまでの記憶がない、というか、≪リセット≫ した私だけが以前と同じ時間を繰り返してるって感覚? とりあえずみんなにも伝えよっか。みんなといっても私は大声出すの苦手だから、隣にいる痩せっぽちなホネホネD子(以下HDK)に声を掛ける。


「ちょっと、HDK。ステータスオープンて言ってみて」

「は?」

「ステータスオープンって言ってって言ったの。そうするとね、ステータスの画面みたいなのが出てくるんだ」

「あ?」

「あのね、ここ異世界だから、ステータスオープンって言うとステータスが出てくるんだマ・ジ・で。これ常識だから。早く言って!」

「で、それを真に受けてステータスオープンって言ってさ、何も出てこなくてさ、え? 何も出ないよ、とか言うと、出るわけねーじゃんって笑うつもりなんでしょ? っておおっと!?」

「ふふん、出たろ?」

「うん、出てる」

「分かったかい? たとえ会話の途中であってもほかの言葉で挟んでいようと、何も意図していなくっても、ステータスオープンって言えばそのステータス画面が出てくるようになってるんだよ」


 ちょっと捻くれ気味なHDKにここが異世界でありステータス設定まであることを理解させてから、私がすでに ≪リセット≫ を使ったことも伝えた。


「いま喋ってるメイド服の女の子はキキちゃん、ワンピースの小っちゃい子はパルムちゃんって言うんだ。見てて。キキちゃんがもうすぐ【ステータスをオープンしなさい!】って言うから」


「というわけだから、ステータスをオープンしなさい!」


「ホントだ」

「ね、で、このあとみんなステータスを確認することになるんだけど、そのときに ≪リセット≫ してみたのね」

「 ≪リセット≫ して、どうなった?」

「ここに来たときに戻った。ここに召喚された時点に」

「ふ~ん、どれどれ」




† † † † † †




「マジだ」

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