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僕は化け物の胃の中  作者: 漣職槍人
第二章
14/17

015.ホビットの滅亡

「さて。では今度は先ほどの一部についてお教えしましょう。ホビットの一部だけが移住した理由。それはホビット族のゆるやかな滅亡にあります」


「滅亡ですか?」


 気になる言葉だ。まさか大昔の移住にホビット族の滅亡が絡んでくるとは思わなかっただけに正直驚いた。驚きが顔に出ていたようだ。こちらを見つめるホビッチョさんが口元をほころばせる。どこか満足そうだ。


「ホビット族はもともと緩やかに減衰していく運命でした」

「というと?」

「先ほどの説明で疑問に思いませんでしたか?ホビット族は人族と元が同じ。そして最初の試行錯誤のときだけに生み出された存在」


 所謂人であって人でない。人とはどこか一つ以上違う種族。神々の作る人族の形が決まってしまったら。ホビットはそれ以降生まれてこないことになる。


「つまりもともと望んだ形の人族(アタン)が創造されるようになってしまえばホビット族はもう増えることはない。でも神々が望んだ人族(アタン)は次々と生まれて増えていく」

「例外はいたりしますが、ホビットも不老不死というわけでもありません。老衰で死にます。年月と共に数は減ります。子供は生まれてきますが人種一つにとっても大本の数が少ない。数を増やすには他の種族と交わる必要があります。例えば子を()すことができるような近しい種族と交わるような・・・ね」


 今までの話の流れでそれが指すものは一つしかない。


「それはつまり人族(アタン)?」

「正解です。大本が同じなためホビット族は人と交わり子を生すことができました。結果ホビット族は増える人族(アタン)と交わるようになりました。数の多い人族との交わりで血は薄くなっていき、徐々にホビット族の特徴を持つものたちは消えていきました。やがてその子孫は人族(アタン)そのものに」


 ホビッチョさんが意地の悪い笑みを浮かべる。


「もしかしたらユーゴ殿にもホビットの血が流れているのかもしれませんね」


 冗談に聞こえない言葉に心臓がどきりとした。しかしそれが本当であればいくつか納得できることも出てくる。例えばあちらの世界における奇形児や小人症の人間が生まれるのは病気などによるものではない。純粋にホビット族の遺伝子による先祖返りが原因ということになるのではないか?


「ここまで話せばもうお分かりでしょう。我々の祖先はそれをよしとはしなかったホビットたちになります」

 祖先というのは移住した一部のホビットのことだろう。ホビット族がそのまま世界から人族に埋もれて消えてしまうのを恐れた人たちということになる。

「ホビット族と巨人族のこの世界への移住の経緯は以上になります。できるだけ噛み砕いた説明をさせていただいたつもりですがご理解いただけたでしょうか?」

「はい。ありがとうございました」

 礼を言いつつもいまの内容について考えてしまう。考え方によってはホビット族は異世界へ移住する必要さえなかった。いやそれだとダメなのか。ホビット族が滅んでしまう?いや子孫は残るわけだから・・・だめだ。その話になっては当事者の受取り方の違いでしかない。僕に出せる答えなんてない。そもそもそんな理由で異世界へ移住したホビット族を連れ帰ってもいいものなのだろうか?とさえ思えてくる。ホビッチョさんの少し考えさえて欲しいという回答もそこからきたのかもしれない。


「ユーゴは何を悩んでいるのですか?」

 気難しい顔でもしていたのかもしれない。いままで話に割り込んでこなかったパリアンが心配そうに見つめていた。

「あ、いや。僕らの世界にホビット族を連れ帰っても本当にいいのだろうかと思ってね。ホビット族を残すために彼らは移住したわけだし」

 うまくまとまりきらない考えをパリアンに伝えてみる。

 パリアンは僕の言葉にただ首をかしげた。


「少なくともあちらの世界にホビットはもういないのです」


「それはどうして?」

「長い年月で残って交わったホビットたちは人族の幹に埋もれてしまったからなのです。人族からホビット族が生まれることはないのです」

 パリアンの言葉を聞いてホビッチョさんが、そうか、と呟く。移住組の子孫だけに何か思うところがあるのだろう。

「少なくともホビット族を連れ帰るのは世界の枝の幹を太くすることにはつながるのです。私たち夫婦の任務は世界滅亡の阻止なのです。幸せな新婚生活のためにも仕事はこなさねばならないのです」

 ビシッ、と親指を立てて言う。よくわからないがすごい自信満々だ。


「あなた方が移住先でのホビット族の減衰について気にする必要はありません。もともと我々ホビット族は滅亡する運命にあったのです。むしろこのタイミングで移住という形で生き残る道を示していただけて行幸だったと考えています」

 こちらに気を使っての後に続いた言葉に驚き聞き返す。

「ちょっとまってください。それだと僕らが来なければホビット族は滅んでいたように聞こえるのですが?」

 思わず身を乗り出して問いかけてしまった。

「その見解で間違いはありません」

 ホビッチョさんはあくまでも冷静だった。なんともないように淡々と答える姿を凝視していたら堰を切ったように、ふははは、と突然笑い出した。


「そんな困惑した顔しないでください。まるでこちらが悪者のようじゃないですか。まったくお人よし過ぎる。いや、だからイネスが信用して連れてきたのでしょうね」

 ホビッチョさんが視線を向けるとイネスさんがバツの悪そうな顔をしてそっぽを向いた。

「彼女は元来注意深い人間です。そして強い。この街の治安を守っている警備隊長でもあります」

 そんな立場の人だったの?思わずイネスさんを見てしまう。いままでの暴力シーンをみてもかなりパワーがあるほうだとは思っていたイネスさん。どうやら彼女は実際に強く、それなりの地位にいるようだ。

「あなた方と出会ったのは街の巡回をしていたときということになりますね」

 なるほど。イネスさんたちとの出会いの裏にそんな経緯があったなんて思いも寄らなかった。

「そんな彼女が連れてきたからこそ。私もあなた方の訪問を受け入れた。とはいえ。巨人の胃の中に作られた街。そんな閉鎖空間の中に突然現れた異物を警戒しないはずがないでしょう。あなた方がどんな人間であるか推し量らせていただいていたわけです」

「だからホビット族が滅亡の危機にあることを隠していた?」

「そんなところです。まあいまのホビットに関して調査する仕事もあったようですから、私が一時隠したとしてもこの街に滞在していればいずれわかることです。それが遅いか早いかの違いでしかありません」


 考えてみれば納得のいく話だった。初見の身元不明な怪しい人間を警戒しないはずがない。僕が浅はかだったんだ。うまくやれていたと思っていただけに急に明かされた真実に意気消沈する。いや逆だ。うまくいっていたんだ。僕だって異世界の初任務に気を張っていた。もし最初の出会いに失敗してイネスさんが警戒していたらどうなっていただろうか?もっと事態は難航していたかもしれない。

むしろここまでスムーズに来れたのは・・・・・パリアンのおふざけが大きい。出会ったばかりのイネスさんと和気藹々と話すパリアン。イネスさんの警戒を解けたのはパリアンのおかげだろう。

 視線を向けると視線に気が着いたパリアンが顔を赤らめる。そして手にはイエスとハートマークが書かれた枕が―――

「イエス・ノーまくらだなんてどこから出した!」

「パリアンの気持ちを言葉で伝えないとと思って裏胃さんから急いで出しました!ちなみにイメリで皆さんから貰った婚約祝いの一つです」

 婚約祝いの一つってまだ他にもあるのかよ。本当に昔から組織の職員は余計なことをしてくれる。

「捨ててきなさい」

 枕をひっくり返してノーの表示を向けてくる。どうやって捨てさせようかと思ったら、閃いたとばかりに頭上に光るLED電球が登場して消えた。あっちの世界でも思ったけどあれもどういう仕組みなんだ?

「そういうことですか。パリアンはユーゴの言いたいことが分かったのです。パリアンは旦那様を立てる女なのです。答えは常にイエス。ノーがないならこんな枕なんていらないだろということなのですね」

「ごめん。ほんとパリアンが何言ってるのか分からな「説明するとパリアンはユーゴがしたいときなら」もういい!「いつでもウェルカム」それ以上言うなっ!」

 はーはーと息を荒げるほどに叫んだ僕を見てパリアンがやっと口を閉じる。

「わかりました。これはイネスさんにプレゼントなのです」

「なにもわかってないじゃないかああああああああああ」

 枕をイネスさんに手渡すパリアン。パリアンの使い方を説明に二人そろって黄色い声を上げる。僕はもうあきらめた。

「いやあ。私もイネスの幼馴染なんてやっているから気持ち分かるよ。あの手の女性は話聞かないからね。暴力振るわれるし。ましてや町長だから気苦労が耐えない身でね。心中お察しするよ」

 頭を抱える僕にホビッチョさんから暖かい眼差しが送られてくる。こんなことで共感されたくない。でもおかげで彼らとの距離がさらに縮まった気がした。もうこれをパリアン効果と名づけよう。


「ともかく。冗談のようにも聞こえますがホビット族が滅亡の危機にあるのは本当のことです」

「冗談!ホビットジョークなのです。きっとホビットがうさぎ跳びをするのです」

「冗談は比喩だから。というかうさぎ跳びのどこがジョークなの?」

「ラビットジョークなのです」

『はっ?』

「ホビットとラビットは語呂が似ているのです」

 得意満面の笑みを浮かべて仰け反る。大きな胸の丘陵が強調されてつい目がいってしまった。

「一字違いの駄洒落なだけでジョークでもなんでもないよね」

「ホビットジョークですか?最近体調が良いと思ったら足裏の毛の中に石が絡まってたんだ、とかでしょうか?」

「なるほどなのです。足つぼマッサージは健康にいいのです」

「いやそこ感心するところじゃなくて笑ってあげるところだから!ホビッチョさんもパリアンが調子に乗るのでやめてください」

 はあ。ため息が出て肩が落ちる。


「失礼しました。では話の続きをしましょうか。滅亡の危機については一から順を追った説明をする必要があります。なぜ巨人様の胃の中に住んでいるのか?などもそれで分かっていただけるかと思います。まあ軽い歴史の授業だと思ってください」

 敬称付けからも巨人への敬意が窺える。やはり胃の中に住まわせてもらっているからだろうか?

「歴史の授業ですか?パリアン寝ないように頑張るのです」

「パリアン。一応歴史調査も仕事の一環だから寝ないでくれよ」

 顔を手で覆いながらため息をつく。

「OK!寝ないようにティーパーティ準備完了なのです」

 パリアンいつのまに。紅茶とケーキスタンドの乗せられたテーブルが用意されていた。下からサンドイッチ、スコーン、ケーキの順に乗っている。

「先ほど話をしている間にイネスさんと準備しておいたのです。パリアンはできる妻なのです。これでユーゴの胃袋もわしづかみ」

 食べ物の匂いに、くう、と腹の虫が鳴る。ここに着てから大分時間が経っていた。

「ははは。歴史の授業といっても話すことは私が生まれる前のことばかり。伝え聞いたことだけしかお話できませんので簡易的なものですよ。そこまで気構えないでください」

 ここは素直に受け入れることにした。パリアンが配る紅茶を受取る。


 聞く準備ができたのを確認してホビッチョさんが話し始めた。

「話はこの世界にホビットと巨人族が移住したときからこの世界。この街の。つまりは胃の外の世界になります――」


 種族を守るために異世界への移住を決めたホビット族。自分たちよりも遥かに強い巨人族という頼りになる守護者を伴った移住。誰もがその先に異世界での平穏な暮らしを思い描いていた。心配などすることもなかった。

 しかし着いた移住先は想像を絶するほどの弱肉強食の世界だった。共に来た頑強な巨人族でさえ、あっさりと死んでいく。

 危機を感じた巨人族の長はホビット族の長に申し出た。この世界で安全な地を巨人族が探し出す。それまで自分たちの胃の中で暮らすといい。

 移住時のエネルギー消費を巨人族分だけに抑えるため、五体の巨人族の中にホビットたちを一時的に収容する目的でドワーフたちが作った街。図らずも目的は違えどもホビット族はそれのおかげで巨人族の胃の中で生き残ることになった。

 しかし待てども一向に楽園は見つからず。過酷な生存競争に巨人はどんどん数を減らしていく。ついには胃の中に街のあった一体が死んで。一つの町とホビット族が滅びた。

 巨人族の減衰に危機感を覚えたホビット族の長と巨人族の長は巨人族の長一人の胃の町にすべてのホビット族を集めることにした。同じく減衰していたホビット族は一つの街に収まることができ、集まることでまた緩やかにだが持ち直す。

 しかし巨人族の減衰は止まらない。選ばれた最も頑強だった残りの三体でさえも命を落とす。もはや楽園は見つからず。巨人族の胃世界が。巨人がホビット族の世界になっていた。巨人の死が世界の終わりとなっていた。


「――そしてついに巨人族は長だけとなりました」

「じゃあ、この世界に移住した巨人族はもう長一人だけ・・・・・」

「そうです。そして二千年近く経ち、巨人様はいま寿命を迎えようとしています」

「それがホビット族が滅亡の危機に瀕している理由」

 パリアンが首をかしげる。

「おかしいのです。巨人族はそれほど長寿というわけでもないのです。長くとも寿命は三百から五百歳なのです」

「巨人族の長である巨人様は巨神族(ティターン)のクオーターで神族の血を引いるのだそうです。移住の際巨人族の長にもそれで選ばれました。他に胃に街のあった四体の巨人様も薄まってはいましたが、血を引いていたそうです。街が巨人様の生命力をエネルギーにしているらしく、巨人様の死と共に街は機能を停止。胃液で崩壊するのだと伝えられています」

「なるほどなのです。それでも二千年が限界なのです。話からするに巨人族の長は二千歳を大きく超えているのです。生きているのが不思議なくらいなのです」

「いつ終わりを迎えてもおかしくないってことか・・・」


 ホビットたちは辛い状況にたたされていた。

 巨人族なんて最後の一人でもう助からない。もっと酷い状況だ。

「巨人族は――」

「巨人様は先ほどもお伝えした通りもう助かりません。むしろ自ら死を望んでおられます。我々のためだけに孤独に耐え虚ろな意識の中で生を食いつないでいる状況です」

 僕のいいたいことを汲み取ったホビッチョさんが言葉を返す。

「でもそれだと巨人族が」

「ホビットと違い他の巨人族は別の異世界にまだいるのです。絶滅することはないのです」

 パリアンの非常な指摘が心をえぐる。心優しい巨人か。イヌイットのツニートの伝承を思い出す。

 そもそもパリアンの話が本当なら巨人は今すぐ死んでしまって、この胃世界が崩壊してホビット族が滅亡してもおかしくない。

 まさか初異世界の任務でまた滅亡直前に出くわすなんて思っても見なかった。

 しかも片方の種族の巨人族は手遅れ。ホビット族の移住も移住方法が見つかっていない中で明日滅亡するかもしれないほど緊迫した状況。横目でちらりとパリアンをみる。鼓動が早くなるのを感じた。いつ崩壊するか分からない。だったら。パリアンだけでもあちらの世界に返せないだろうか?一人分だけでもいい。移動方法を確保できたら。残り時間も不明確だと思うと焦りに僕の中が蝕まれる。


 突如頭を捕まれて頭を引き上げられた。目の前には僕の頭を掴んだ犯人――パリアンが立っていた。頭をがっちりと固定されて首が回らない動かない。パリアンのきれいな瞳と視線が混じりあう。

「ユーゴ。焦る必要はないのです」

 まるで僕の心を見透かしたかのような発言だった。彼女は次ににっこりと笑って。

「例えこの世界が終わってもユーゴ一人ならパリアンはあちらの世界へと連れて返れるのです」

「は?何言って・・・」

「パリアンが確保できているのはパリアンとユーゴ一人分だけなのです」

「・・・・・それはつまり僕とパリアンだけなら僕らの世界に今すぐにでも帰還できるってこと?」

「だからそう言っているのです。玄ちゃんから聞いてないのですか?そのための二人部隊なのですよ」

 そんな大事なこと。

「・・・初耳なんだけど」

「帰ったら玄ちゃんは溶かさないといけませんね」

 笑顔で怒る。どうやら本当らしい。玄武も老人の見た目に追従するように耄碌したところがある。パンドラの箱に閉じ込められていた影響でぼけたのかな?

「パリアンが側にいる限りユーゴを守ってみせるのです」

 ふんす。大きく鼻穴を広げて仰け反る。できれば男の僕が言いたい台詞。けれども世界最強の一角であるエンシェントスライムのパリアンにただの人間でしかない僕が(かな)うはずもない。

「だから。後悔なく進んでください。あちらの世界を救ったときのように」

 後ろを振り替える必要なく、ただ進むだけでいいらしい。いや前にしか道がないのか?

後顧の憂いなく全力で、か。

 吐息をつくと自然と力が抜けて肩が下がる。お膳立てに気持ちがだいぶ楽になったのが自分でもわかる。思わずパリアンに感謝言葉が出てしまう。

「僕はできた婚約者を持てて幸せだな・・・・・パリアン?」

 目をまん丸にして口をあんぐりと開けたパリアン。

「ユーゴが・・・ユーゴがデレたのです!」

 つ~。興奮し過ぎたパリアンの鼻から鼻血が垂れてきた。イネスさんがハンカチを取り出してパリアンの顔を拭う。眺めていると同じく視線を向けていたホビッチョさんがふと曲線を描いていた口元を動かす。

「ユーゴ殿は兵士というよりは学者なのでしょうね」

 突如出たその言葉に驚いて動いた視線が互いに噛み合う。

「交渉主でありながら政ごとも苦手そうだ。その分いい見識眼をもっていらっしゃる。もしかしたら探求者といったほうがしっくり来るかもしれない」

 それは短い期間でホビッチョさんから見た僕。

「私ではできませんでした」

 何をとは無粋なことは聞かない。目の下に消えない(くま)を作り。高揚作用のある煙草を吸って煙にまぎれたホビット。

「だからこそ。真理を求めるあなたなら指し示すことができるのかもしれません。ホビット族に生き残る道を」


 ユーゴさん、とホビッチョさんが僕の名前を呼んだ。

「先ほどは考える時間をくださいといいましたが私も覚悟を決めました。改めていわせてください」

 椅子から降りて膝を突く。

「移住の件よろしくお願いいたします」

 土下座された。土下座の文化があるこが気になったけど置いておくとして。僕は慌てて近寄る。

「面を上げてください」

「じゃあよろしくお願いします」

 すぐさま起き上がり椅子の上に戻った。この人思った以上に(したた)かだった!さすがイネスさんの幼馴染。


 こうして今度は異世界の胃世界で。

 再び僕と世界滅亡の戦いが始まった。


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