表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※僕らは特殊な肉体を享けています。危険ですので絶対に敵にしないでください。  作者: 諏訪静雄
第1章 1年2組はRPG(ロールプレイング学級)
12/14

委員長はあまりステータスに特徴がない

「じゃあ、まずはステータスから。みんな自分のステータス画面を確認してみて」


 手のひらの上でオレンジ色に発光する光で作られたような十字キーを操作してみると、上下で選択、右で進み、左で戻るという簡単な操作方法だったことが分かった。

 一番上にカーソルを戻し、初めて見るステータス画面にドキドキしながら右キーを押した。



 〔ステータス情報がありません〕



 ……まさかのバグ発生。


「……シロサキさん、なんかステータスが出てこないんですけど……」

「あれ? シロサキさん、なんか情報がありませんってなってますけど……」


「ああ、うん。大丈夫。その状態でもう一回、右を押してみて。更新されるはずだから」


「了解です」

「そうですか。んじゃ、ぽちっとな」



 〔ステータス情報を更新中〕

 そんな表示が5秒ほどで〔更新完了〕になり、スッと画面が切り替わる。



《ヤスラギ・スズキ / 総合Lv2 》

 肉体Lv1 EXP 278/300

 精神Lv1 EXP 180/300

《種族:VUホムンクルス / 職業:冒険者》

 進化先 → 該当無し / 上級職 → 該当無し

《身体的ステータス》

・HP 300/300

・LP 300/300

・MP 1000/1000

・ST 1/1 

・筋力    D 600

・耐久力   D 550 

・耐性力   D 600

・魔力    D 500

・魔法耐久力 D 500

・魔法耐性力 D 500

・敏捷性   D 500

・精密性   C 950  

・知性    B 1250

・運勢    吉



 おおー!! よくわかんないけど凄い!!

 なるほどね~、こんな感じなのか~。


「へぇー、結構詳しく分かるんですね~。このCとかDっていうアルファベットは何の為にあるんですか?」(ユウキ)


 あ、ホントだ。成績みたいなものかな?

 僕はDが多いから、あんまり良くないのかな……。


「そのほうが、いちいち数字で比べるよりも分かりやすいからね。ちなみに、DとCの間くらいが一般人の平均値で、私やクロサキさんのような”モンスターハンター”はすべての能力値が最低でもB以上よ。あと、この学校に通う生徒も魔法に関係する能力だけはB以上の子が多いわね」


 ……なるほど、とりあえず僕の能力値が一般人とほとんど変わらないってことか。

 僕のステータスで唯一のBは知力で1250……。

 精密性が950でCだから、だいたい1000以上でBなのか?


「って、BはDのほぼ2倍じゃん……! えっ……ここの生徒は、僕の2倍強いってこと!?」


 しかも、シロサキさんたちに至っては平均B以上って凄すぎる。

 歴然とした差を前にして早くも自信を喪失しそうだ。

 だけど、それは僕の早とちりだった。


「ヤスラギ、それは違うぞ? ステータスの値が2倍でも測定方法によって2倍にならないことだってあるからな」


「えっ? そうなの!?」


 でも、筋力が2倍になれば攻撃力も2倍になるんじゃないのか?

 

「それに、もし仮に本当に2倍以上の差があるとしても、俺たちはこれからレベルを上げるんだ。俺の勘が正しければ、この学校の生徒くらいすぐに追いつける!!」


「っ!!」


 どんな差があろうと関係ないという自信満々なツトムの言葉が電流となって全身を駆け巡ったような気がした。

 RPGの基本である『成長』が再現されたこの体を貰っていながら、そんな当たり前のことさえ分からなくなるくらい僕は気負っていたようだ。


「ですよね? シロサキさん!」


「そのとーり! 流石、ゲームに詳しいだけのことはあるわね。最初の内は、武器の訓練や筋力トレーニングだけで肉体レベルは十分上がるはずよ。精神レベルも、読書や勉強で知識を得ることで同時に上がっていくわ。早ければ、今週中にも総合レベル30に到達できるはずよ」


「じゃあそれが、私たちの最初の目標ですか?」


「That’s right(正解よ)! 目標はズバリ、総合レベル30になること! そのレベルに達したら実践的な戦闘訓練に入るわ。訓練や勉強だけじゃなくて、スキルを覚えることでも経験値は入ってくるからうまく活用してね」


 スキル……か。流石に、資格とかの意味じゃないよな。

 どんな感じなんだろう。


「というわけで、今度はスキルの説明をするわ。みんな、自分のスキル画面を開いてみて」


《パッシブスキル》

 ・疲労変換(MP)

 ・VUHの加護


《アクティブスキル》

 ・スキルメイク(武器)

 ・スキルメイク(魔法)


《ユニークスキル》

 ・委員長の号令(P)



 ふむふむ……。

 ……『委員長の号令』って何!?


「気になるスキルにカーソルを合わせれば詳細が見れるわよ」


 なるほど、それは便利ですね。早速、全部見よう。



 【 疲労変換(MP):ON】

 STスタミナの消費をMPマナポイントの消費に変換する常時発動型スキル。


 【 VUHの加護 :NOT OFF】

 登録された復活ポイントにて肉体レベル1の状態で復活できる常時発動型スキル。精神レベルに関係するステータスやスキルは維持される。このスキルはOFFにすることが出来ない。


 【スキルメイク(武器)】

 武器を用いた一連の動作をスキルとして登録できる。


 【スキルメイク(魔法)】

 魔法を用いた一連の動作をスキルとして登録できる。


 【委員長の号令(P)】

 どんな状態でも指示が通りやすくなる常時発動型スキル。


「……この最後のスキル、もしかして僕専用か?」


「おお、凄い! ヤスラギ君はユニークスキルが発現したんだね? それは、まさしく君専用のスキルだよ! 最初から発言してるなんて珍しいよ!!」


 シロサキさんの興奮っぷりからしても、このユニークスキルというのはかなり珍しいことが分かった。

 ……でも、そんなに凄いスキルじゃないような気がするけどな……。


「へー! らぎ君専用のスキルか~!! いいなー、私もそういうの欲しい!」


「あとから発現することも結構あるから、マリンちゃんはそれに期待ね」


「……これ、もしかして、魔法もスキルの一部なんですか?」(ツトム)


「そうよ。そもそもスキルっていうのは、一連の動作を体内のマナの流れや筋肉の動きで記録して再生するものなの。だから、大きく分ければ魔法もスキルの1つよ」


「それはつまり、魔法は呪文の詠唱ではなく、体で覚えて使うもの……ということでしょうか?」


「……!? ミヤビさんて本当に高校一年生? まさにその通りよ。イメージとか感覚によるものが大きくて、それを補助するために詠唱をする人がいるだけで、理論上は無言でも魔法は使えるのよ。かなり難しいけどね」


「じゃ、じゃあ、今すぐ俺らは魔法を使えてもおかしくないってことですか!?」


「フフフ、そうね。カイト君ならできるかもしれないわね。どことなく、クロサキさんに似てるし」


 ……それってつまり……。


「クロサキさんはすぐに魔法が使えたんですか!?」


「そうらしいわ。だから、みんなも訓練を頑張ってね? 筋肉ゴリラに魔法で負けないで!」


 いや、それハイッ!って言いづらいです!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ