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〜ランダム〜  作者: 志貴
8/10

無様な姿が・・・

やっぱり、あいつは変わっていなかった。

人を殺した?不良を束ねてる?あははは、そんなことがあいつに出来るわけがないじゃない。

クラスのみんなはあいつの事を買いかぶりすぎているのだ。

あいつは人も簡単には殴れない、臆病者なのよ。

確かに眼は危ないけど、たったそれだけじゃない。

あいつは誰よりも素直で、優しくて、しっかり者なんだから。

何にも恐くない。

でも私を忘れていることは許せないわね。

まあいいわ、忘れてしまったことは思い出してもらえばいい。

例えどんな手段を使ってでも、ね。

それにしても、あの土下座は爆笑モノだったわ。

まるでプライドなんて言葉を知らないような、見事に無様な姿だったわ。

ああ、思い出しただけで笑えてくる。

私は笑いを何とか堪えながら、教室に入った。


「おおおおおおおおおおっっっっ!!!!」


と同時に耳に響く歓声と拍手が沸き起こった。

え、何?今度は何なの?

私はポカンと呆けたまま、その場に固まっていた。




はああっ。

溜息が止まらない。

溜息をすると幸せが逃げていくというが、本来溜息とは憂鬱だからするものなのだ。

俺の場合、憂鬱イコール不幸だという事だから幸せが逃げていく前ではなく、幸せが逃げてから溜息が出るのだ。

はああっ、

溜息が止まらない。


「そんなに溜息ばかりしていると幸せが逃げるぞ」


うるさい。

もう逃げちまったよ。

後の祭りなんだよ、


「ま、これから良い事があるさ」


いい事ってなんだよ。

そんな何の根拠もない事を言ったって、全然慰めにならねんだよ。

・・・・・・・・・?俺は一体誰と?


「いや、根拠ならあるさ。君は私が見込んだ負け組みなのだからな!!」

「なに!?」


俺の隣にはいつの間にか眼鏡男がいた。

ていうか、まだ諦めてなかったのかこいつ・・・・・・!?


「さあ、改めて君を負け組み愛好会に招待しよう。どうだい?これ以上のいい事はそうそうは無いだろう」


い、や、だ!!

負け組みなんて入った暁には、俺はきっと立ち直れなくなる。

男としての何かが脆く崩れ去ってしまうだろう。

今でも危険な状態だというのに、これ以上精神衛生面上よくないことをして堪るか!!


「拒否する」


俺は即行で断る。ついでに睨みを利かせる。

常人であるならこれで、俺に付き纏う事は無いだろう。

無いはずだった。

「ふっふっふ。そんな恐い顔しても、今回はちびらないな」

ちびったことあるんかい!!

我ながら恐ろしいな。

ていうか、何気にこいつ余裕だな。

しかもなんか、笑い方がキモイし。


「これを見たまえ!!これでもう君は、言い逃れは出来ないはずだ!!」


とか言いながら、眼鏡男は何かを俺に突き出してきた。

・・・・・・写真?

俺はそれをまじまじと見る。



仁王立ちをしている女性と、無様なほどに地面に額をこすりつけている男の姿が・・・・・・・・・なにーーーーーっっ!!

そこにはつい先ほどの、俺と倉元亜紀のワンシーンが映っていた。しかも人には絶対見せたくない場面だ。

ていうか現像早すぎだろっ!!





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