破片
投げたい方向に投げる
言葉を
勢い加減考えず
ぶつかったときの痛みを考えず
人の投げた言葉は弾いた
気に入らないものは
弾く前になかったことにした
あなたにわかってほしい
あなたに届いてほしい
そんなのは甘えだと切り捨てた
何度繰り返したことだろう
届いてほしい、と
理解は後で構わないから、と
遠くに聞こえる声に耳を傾けた
つもりだった
その声は耳を傾けても聞こえないほど
遠い彼方に行ってしまった
何度呼んでも詫びても帰らない場所まで
行ってしまった
あのとき甘えだと切り捨てた
届いてほしい、わかってほしい、の
破片を手に取り胸の奥まで突き刺した