登場人物設定
簡単な人物紹介。現時点で少しでも名前が出ている人間と、リーメス二十七将のみ。
一部悪乗りの産物なので本気にしないでください。
ピザン王国
・コンラート・シュティルフリート
Conrad Stillfried
白に近い金色の髪に琥珀色の瞳。並の男より頭一つ以上背が高く、手足も長い。三十路を越えて久しいそろそろ中年。
ピザン王国の騎士。元は山村に住む平民であったが、戦功を評価され騎士に取り立てられる。シュティルフリートという姓は、騎士叙任の際にアルムスター公に送られたものだが、滅多に名乗らないので知っている者は少ない。
国王直属の騎士ではあるが、騎士としての身分は下位である。
なおコンラートは、作者が小説ドラゴンクエストのライアンが好きすぎて生まれたキャラである。
・リア・フォン・グラナート
Leah Von Glanert
金色の髪を肩の辺りで切り揃えている。右目を負傷しており、瞼が半分までしか開かない。
元々それほど美人というわけではなかったが、グラナート伯に見初められてから外見に気を使うようになり、その化けっぷりで周囲を驚かせた。
コンラートと同じく、平民でありながら騎士に任じられた一人。前大戦の後にグラナート伯に求婚されグラナート夫人となる。
戦闘マニアの刀剣マニア。クロエの持っている神話クラスの剣を狙ってよく絡んでいる。
蒼槍騎士団の副官の一人であり、団長であるクラウディオ王子の信頼も厚い。
・ティア・レスト・ナノク
Tear Rest Nanoch
小麦色の肌に白い髪、赤い瞳を持つ。黒白赤という作中一二を争う派手カラー。
出自のハッキリとしない平民騎士。コンラートやリアと合わせて、白騎士と呼ばれた(本来家紋・紋章を入れるべき位置が空白だったため)。
王弟カイザーの専任騎士であり、教育係も勤めている。
常識離れした瞬発力を持ち、コンラート程の実力者でもその動きは追いきれない。
しかも人一人担いで数十キロ走っても息切れしないほどの体力を持つ。本人は人間だと主張しているが間違いなく人外です。
・ドルクフォード・フォン・ピザン
Dorcford Von Pisan
ピザン国王。かつて大陸中を旅した経験を持ち、探求王と呼ばれる。
赤い髪に紫の瞳。老いを感じさせない体格だが、皺はさすがに増えてきた。
戦場以外での働きは地味だが、ピザンという大国を維持してきた手腕は確かである。
大陸を旅した事実から分かるように、若い頃はかなりやんちゃだった。かつての仲間が今の爺臭いドルクフォードを見たら大爆笑必至である。
・クラウディオ・フォン・ピザン
Claudio Von Pisan
ピザン王国第一王子。蒼槍騎士団団長を務める。
赤い髪だが、目は王家の血が薄いのか碧眼。また作中のピザン一族の中で唯一の癖っ毛。
王族でありながら気安い性格であり、よく平民の服装で城下を散策している。問題のありすぎる性格だが、武勇に優れており民の人気も高い。
ティアに惚れており、コンラートと一緒によく求婚している。
妻も子も居るのに自重しないのはさすが王族。というよりクラウディオ個人の性格。
・ヴィルヘルム・フォン・ピザン
Wilhelm Von Pisan
ピザン王国第二王子。同国宰相を務める。
赤い髪に紫の瞳。兄とは逆に瞳の紫が濃い。
兄とは異なり武芸を苦手としており、その反動か頭がよく回り腹が黒い。
妹第一主義。ゾフィーが止めていなかったら、兄弟喧嘩の延長でクラウディオを殺していたと公言している。
・ゾフィー・フォン・ピザン
Sophie Von Pisan
ピザン王国第一王女。王女でありながら領地と騎士の位、伯爵位を持つ。
赤い髪に紫の瞳。髪の長さは腰まであるが、騎士姿のときは後頭部で結上げている。
文武に優れた才覚を見せ、次期国王として期待をされている。
兄二人ほど傍迷惑な性格では無いが、一般的な王侯貴族に比べればフットワークが軽すぎるのは確かである。
コンラートを騎士としてロックオン。マルティンはコンラートに胃薬を送る準備を始めた。
・カイザー・フォン・ピザン
Kaiser Von Pisan
ドルクフォードの弟。十四歳にして、年上の騎士たちを圧倒する武芸の才を見せる。
赤い髪に紫の瞳。ピザン王家の中でも特に髪が赤く、血の色に近い。従者のティアと合わせて派手カラー主従。
本名はヴィルヘルム・フリードリヒ・カイザー・フォン・ピザンだが、第二王子と名前が被って紛らわしいのでカイザーの名がよく使われる。
なお他の王族貴族にも一応長い名前はあるが、面倒臭すぎるのでゾフィー以外は決めてないし、どうせ出す機会も無い。
ちなみにピザン王国の人間の名前はドイツ式で統一しているが、ピザン姓はフランス系。つまりドイツとフランスが混じって変な事になっているのだが、気にしてはいけない
・マルティン・フォン・ローデンバルト
Martin Von Rodenwald
ゾフィー王女付きの騎士。背は普通だが横に広い。太っているわけではなくて単にでかい。
白い髭を生やした見事なお爺ちゃんで、そろそろ引退を考えている。
というか引退するつもりだったのに、お転婆王女のお世話役を言いつけられて十五年。
そろそろ夜逃げも考え始める。
・アンナ
Anna
ゾフィー王女付きの侍女。侍女ながら護衛も兼任する。
金色の髪に薄い紫色の瞳。
幼い頃からゾフィーと行動を共にしており、ジレントへの留学にも同行した。
しっかりしているように見えるが、根は小心者。今日も王女に振り回されて涙目になっている。
・アルムスター公
Herzog Von Armster
ピザン王国の公爵。諸侯の中でも大きな力を持つ三公の一人であり、国王を決める投票権を持つ七人の選定候の一人。
コンラートと付き合いが長く、自身の息子を従騎士として預けるほど信頼している。
・カール・フォン・アルムスター
Karl Von Armster
アルムスター家の次男坊。コンラートの従騎士として修行を積み、騎士に叙任される。
金髪の短い癖っ毛。体格はそれほど良くなく、背もそれなり。
同期の騎士の中では頭抜けた実力を持つが、本人は比較対象のコンラートが凄すぎたため、その事実にしばらく気付かなかった。
世の強すぎる女性に戦慄を覚えている。
・フランツ・フォン・アルムスター
Franz Von Armster
アルムスター家の長男。弟とは異なり、父に領主としての教育を受ける。
金髪の長髪癖っ毛。背は高いが痩せ型で、見てると折れそう。
本人は領主の重責に怯んでおり、それを隠すためかやけに芝居がかった言動で自身を鼓舞している。
世の強すぎる女性に羨望を抱いている。
・パウル
Paul
フランツの補佐的な役割を担う。
顔面が岩みたいな人。頭突きで敵の兜割ったとかいう逸話がある。
・アルベルト・フォン・クレヴィング
Alvert Von Clewing
三公の一人にして七選定候の一人。慎重すぎる上に臆病な性格であり、一部の貴族に侮られている。こういう人は追い詰められるとヤバイ。
背が高くて痩せ型なひょろ長い人。コンラートと違って本当にひょろい。
・ローエンシュタイン公
Herzog Von Lohenstein
三公の一人にして七選定候の一人。クレヴィング公とは逆に自らの地位を鼻にかけた言動が多く、一部の貴族に受けは良いが、逆に嫌っている者も多い。
・グスタフ・フォン・ローエンシュタイン
Gustav Von Lohenstein
ローエンシュタイン家の跡継ぎ。
焦げ茶色の髪に碧眼。眉間に皺が標準装備。
類稀な剣の腕を持っており、先の大戦に参加していれば確実に活躍していたであろうことから「遅れてきた英雄」と呼ばれる。
・マリオン・フォン・ヘルドルフ
Marion Von Helldorf
ヘルドルフ伯。武勇に優れた家系として知られるが、マリオン自身は大した腕は持っていない。
自らの兄の夫人を毒殺した疑いがある。
・ゲオルグ・フォン・ロンベルク
Georg Von Romberg
ロンベルク候。各国に人脈があるが、それが逆にあだとなり進退窮まっている。
太り気味。甲冑を着ている時にこけたら自力で起き上がれない。そのまま転がしたくなるのを家臣は必死に抑えているらしい。
・アルフレート・フォン・デンケン
Alfred Von Denken
デンケン候。国王を決める投票権を持つ七選定候の一人。
オールバックの茶髪に髭と地味系な外見だが頭はきれる。
剣の腕はそこそこだが、軍略に明るい軍師系。でもやる気はあんまり無い。
一人娘を溺愛しており、娘の話になると止まらない。篭城中に敵の軍勢に向けて娘自慢をかましたという武勇伝を持つ。
・ヨアヒム・フォン・アルダー
Joachim Von Alder
アルダー候。七選定候の一人。
長い金髪を後ろでまとめている。三公を除いた選定候の中で一番年下。
背は低いけど何でもできるオールラウンダーな人。器用貧乏とも言う。
本人もそれを自覚しており、四番手ぐらいで良いやと妥協している。
・テオバルト・フォン・アングリフ
Theobald Von Angriff
アングリフ候。七選定候の一人。
赤茶色の髪と瞳。岩のような体をしている。
不言実行を信念にする寡黙な人。実際は単なる口下手。
そのため妻に愛していると言ってと毎日のようにせがまれ困っている。リア充爆発しろ。
・ヴィルヘルミーネ・フォン・インハルト
Wilhelmine Von Inhalt
インハルト候。七選定候の一人。
波がかった銀色の髪を腿の辺りまで伸ばしている。かつて国中の男子を魅了した美女だが、そろそろ四十路。熟女イエーイ。
現時点で七選定候唯一の女性領主。領主ではあるが、騎士では無いので戦は夫に任せている。
婿養子の夫のこき使われっぷりに、家臣は涙を禁じずにはいられないとか何とか。
・デニス・モーガン
Dennis Morgan
ピザン王国近衛騎士。騎士としての身分を持つが、その本質はカオス寄りの魔術師。
魔法ギルドに所属していないはぐれ魔術師であり、魔術の使用に対する縛りが存在しない。個人の欲のために魔術を使い、その結果どのような災厄がもたらされようが気にしない。
コンラートとはそれなりに付き合いがあった。ひねくれたデニスの相手をまともにする人間が他に居なかったとも言う。
ジレント共和国
・ミーメ・クライン
Meeme Klein
魔女と呼ばれる魔術師。薬の製造の他、魔法学者としても名高い。あらゆる属性の魔術を操る事から「スペルマスター」とも呼ばれる。
青い髪に青い瞳。外見はどこにでも居そうな普通の女性。
一見人当たりの良い女性だが、身内以外には冷たい。
本作のチートというか賢者的なポジション。彼女が出張ったら大抵の問題が解決してしまう。
・ミリア・F・サンドライト
Myria Frey Sandrite
魔法ギルドの党首。ジレントでは魔法ギルドの党員が政治に強い影響を与えているため、実質的なジレントのトップ。
見た目は上品な初老の女性。
ミーメと個人的な親交があり、彼女に無理難題を押し付けられる数少ない人物でもある。
・フローラ・F・サンドライト
Flora Fin Sandrite
魔法ギルド党首ミリアの娘。一見若く見えるが、十五年前の戦いに参加していたので結構いい歳。
現在はジレント議会の議員の一人であり、家の権力を使って色々暗躍している。
・レイン
Rein
ミーメに師事する魔術師の少女。魔術の才能はあるが、戦いには向いてないとはミーメの評価。
金髪碧眼。魔法ギルドの党員の証である銀のサークレットをしている。母親は優しいたれ目なのに、自分はキツイつり目なのを気にしている。
クロエとは憎まれ口を叩きあっているが、唯一の友と言っていい存在であり、よく分からない結婚の約束もしている。
友達が少ない事が目下の悩み。
・クロエ・クライン
Chloe Klein
ミーメの義理の弟。ジレントの国籍でありながら神官という、かなり珍しく物好きな少年。巫女に仕えた神官の血をひいており、実はかなりの重要人物。
黒い肌に黒い髪に黒い瞳という黒尽くめ。中性的な顔立ちの上に髪も長いので、コンラートに女と間違われる。煙突みたいな黒い帽子がトレードマーク。
一見礼儀正しいが、心を許すほど口が悪くなるという難儀な性格をしている。
結界に関しては天才と言ってよく、奇襲でもしない限りクロエを殺せる人間は皆無と言っていい。
・ロッド・バンス
Rod Bans
かつてリーメス二十七将に数えられた英雄。現在はジレントに仕えているが、実質的にはフローラの下僕。
茶色い髪を全て後ろに流して縛っている。縦も横もでかい大男。筋肉で着ている服が弾け飛びそうになっている。
コンラートと並ぶ怪力であり、大抵の事を筋肉でねじ伏せる。ちゃっかり初歩的な魔術も使えるが、筋肉の前では大した意味は無い。
・ツェツィーリエ・ケルル
Cecilie Kerll
かつてコンラートを恐怖のずんどこに叩き落した侍女の娘。魔法ギルドの党員であり、その証である銀のサークレットを身に着けている。普段は大図書館の司書。
緑色の髪を束ねて肩から垂らしている。女性にしては背が高いが、コンラートの側にいると低く見える相対効果に密かに喜んだらしい。
妹のモニカを愛しているが、彼女の立場を考えどう接したものかと悩んでいる。
名前がタイプし辛いので作者が大後悔したキャラ。
土属性の魔術師だが「土属性って地味だよね」と言われるとキレる。地味系美人だが地味と言われるとやはりキレる。
・モニカ・ケルル
Monika Kerll
ツェツィーリエの妹。その正体はピザン王国の前ヘルドルフ伯マクシミリアンの遺児であり、巫女疑惑ありという設定つきすぎて面倒臭い娘っ子。
白髪に白銀色の瞳。肌も病的なほどに白い白尽くし。色的にクロエの逆バージョン。でも髪は染めて黒くなる。
ぽやぽやした癒し系少女だが、たまに鋭くなり、ロケットダッシュで人の心の中に突撃をかます。大切なものは目に見えないというが、元から目の見えない彼女にそんな事は関係無い。
コンラートが小説ドラゴンクエスト4のライアンの影響を強く受けているので、彼女は同作品の勇者ポジションと言える。
リカム帝国
・グリゴリー三世
Grigory
リカム帝国皇帝。イクサの言いなりなため人形帝。傀儡帝と呼ばれる。
紫色の髪に焦げ茶色の瞳。
十五年前に即位するまでは、祖国を変えることに意欲を燃やしており、臣下の人気も高かった。
・イクサ・レイブン
Ikusa Reven
リカム宮廷魔術師長。死者を操るネクロマンサー。
灰色の髪に黒い瞳。見た目は完全に老人。
アンデッドの軍団を操り、かつてキルシュを地獄へと変えた。
十七年前までは普通の魔術師だったが、キルシュ防衛戦の最中に何があったのかネクロマンサーとなり、悪の魔術師の代名詞となる。
・サーシャ・カディロフ
Sasha Kadyrov
リカム赤竜騎士団団長。赤竜将軍。
長い金色の髪を三つ編みにしている。体格はそれなりで、一般的な女性と比べて背も高くない。
リーメス二十七将イリアスの娘であり、その類稀な剣と魔術の腕で将軍の地位まで登りつめた。
かつてグリゴリー三世に心酔した臣下の一人であり、彼を変えてしまったイクサを敵視している。
・セルゲイ・バイエフ
Sergei Baiev
リカム青竜騎士団団長。青竜将軍。
うねる黒髪。眠たげな茶色い目が印象的。
リーメス二十七将ルスランの息子であり、サーシャとは幼馴染。その剣の腕と戦術眼、要領の良さで将軍の地位まで登りつめる。
サーシャにある秘密を隠しており、その償いのために彼女を助けようと決意している。
リカムに忠誠心があるわけでなく、イクサをどのようにして倒すか、サーシャとは違い現実的な視点で日々策を練っている。
でも最終的にはサーシャを無理矢理さらって逃げようかとも思っている。
・レオニート・アニチキン
Leonid Anichkin
リカム黒竜騎士団団長。黒竜将軍。
黒髪を逆立てた初老の男。
かつて鬼将と恐れられた、イヴァン・ウォルコフの親友。前大戦時には病のため参加しなかったが、戦後になり快復し将軍に戻る。
リカムの将来を憂いており、無駄だと知りながら皇帝に奏上を続けている。
・ユーリー・ウォルコフ
Yuri Volkov
リカム白竜騎士団団長。白竜将軍。鬼将イヴァン・ウォルコフの息子。
銀髪に青い瞳。体格からして人外だった父とは異なり、普通の人間サイズ。
自分が最も輝くのは戦場であると自負しており、強者との戦いに何よりも喜びを覚える戦闘狂。
普段は落ち着いており、思慮深く部下の意見も聞く出来た人なのだが、戦場に立つともう手が着けられなくなる。
前大戦の因縁から、コンラートを宿敵と見なしている。
・ニコラス
Nicholas
イクサによって生み出されたアンデッドの騎士。全身を黒い甲冑で覆っており、その容姿は隠されている。
コンラートと比肩する力を持ち、アンデッド特有の捨て身の戦い方はニコラス自身の戦闘能力と合わせてかなりの脅威となっている。
自身がアンデッドであることを忌みながら、それ故に手に入れた力を誇示するなど、イクサの人形ではなく内心に葛藤を抱えている。
・アースト・レイブン
Arst Reven
イクサの下で暗躍する少年。暗黒魔術と召喚魔術を使いこなし、見た目は小柄ながら人外じみた身体能力を有する。
クロエの双子の兄であり、容姿は瓜二つ。だが神官の弟に対し、悪の魔術師を地で行っており、その性質は逆といっていい。
過去にクロエと命がけの死闘を繰り広げ、そして敗れた。クロエの歳に似合わない性格は、兄の裏切りによるところが大きい。
リーメス二十七将
1ベルベッド
Velvet
魔闘士。青の調停者。
謎の魔術師。度々戦場に現れてはキルシュに味方し、戦況をひっくり返した。
主にイクサがアンデッドを放った戦場に現れたため、彼と何らかの因縁があったと言われている。
その正体は調停者と呼ばれる神の使徒であり、世界の天秤を計り手たる預言者。終戦後に滅びの予言を遺し、己の弟子である魔女(Chaos)と神官(Law)に世界の調律を託すと姿を消した。
2ジョルジョ
Giorgio
野牛。
黒刻傭兵団団長。キルシュ防衛戦初期からキルシュ側に付いた義理人情に厚い将。彼を慕いイクサやロッドといった猛者が防衛に参加し、結果的に彼の存在が第一次キルシュ防衛戦を勝利に導いたといえる。
しかし第一次キルシュ防衛戦末期に、黒狼傭兵団の団長と戦い相打ち、果てる。
3ロッド・バンス
Rod Bans
鉄拳。
黒刻傭兵団の団員。素手で鎧を裂くほどの腕力を誇り、巨人コンラートと並んで二十七将でも上位の怪力と言われる。
第一次キルシュ防衛戦の途中から参加し、第二次防衛戦の終わりまでの間を生きぬいた。
第二次防衛戦末期のキルシュ王都での戦いにおいては、フローラと共にリカム軍へ奇襲をかけ、ロランが皇帝を討つ機会を生み出した。
4フローラ・フィン・サンドライト
Flora Fin Sandrite
ジレントの宝石。花姫。埋葬。
キルシュ側を守るために立った義勇兵。魔法ギルド党首を代々務める一族の娘であり、現党首の長女でもある。
土の魔術を得意とし、数百の兵を一瞬で生き埋めにしたという。またアンデッドが跋扈した第二次防衛戦においては、万を越える者たちをその偽りの生から開放したと言われる。
5イクサ・レイブン
Ikusa Reven
ネクロマンサー。裏切り。蝙蝠。
第一次キルシュ防衛戦にてキルシュ側につきながら、第二次防衛戦にはリカムの宮廷魔術師として参加した男。
その強大な魔力でアンデッドの軍を操り、キルシュを地獄へと変えた。彼が裏切らなければリカムはもっと早く負けていただろうと、当事を知る誰もが口にしたという。
6ヴォルフ
Wolf
野犬。
黒狼傭兵団団長。キルシュ防衛戦にリカム側に初期から参加し、多大な戦果を上げながら同時に民衆を虐殺する暴挙に出た悪名高い男。
第一次防衛戦末期に黒刻傭兵団の団長を打ち倒すが、自らも重傷を負い命を落とす。
7グリゴリー一世
Grigory
虐奪帝。
一代で周辺の小国家軍を統一し、リカム帝国を建国した皇帝。占領した国を徹底的に蹂躙したため、虐奪帝と呼ばれる。
第一次防衛戦末期に狙撃を受け撤退。その後自軍の騎士の裏切りによってその生涯を閉じた。
8アレクサンドロス
Alexandros
暴虐帝。禿頭帝。
グリゴリー一世の後を継ぎ皇帝となった彼の甥。その容姿は醜く、人格的にも褒められた人間ではなかったという。
有能であったが、自ら指揮をとった第二次キルシュ侵攻において討ち取られた。
彼の死によってリカムは撤退。キルシュ防衛戦は事実上の終戦を迎える。
9ジャンルイージ・デ・ルカ
Gianluigi De Luca
双槍。
キルシュの将軍。それほど武名の高い者が居なかったキルシュ内において、二十七将に数えられる数少ない将。
勝敗共にあれど大敗は無い無難な将。最終的に王都まで追い詰められるも、ピザン王国軍とローランド王国軍の一部が突撃するのを確認し、自らも手勢を率い特攻。結果彼の決断が連合軍に勝機をもたらした。
10コンラード・マラテスタ
Conrad Malatesta
隻眼。悲恋の騎士。
戦争末期に頭角を現したキルシュの騎士。初陣を勝利で飾り、王都防衛では僅か二百の兵で南門を守り抜き、ピザン王国の援軍の到着まで持ち堪えた。
類稀な美貌を持ち、模擬戦中の事故により片目を失った際には、その発端となった騎士がコンラードを慕う女性たちの報復を恐れて姿を眩ませたと言われる。
兄ジュゼッペの下へ嫁いで来た女性イザベルと恋に落ちるが、それに気づいたジュゼッペの嫉妬によってイザベルは殺害され、コンラードは失意に堕ちる。
その後終戦まで彼は戦い抜いたが、和平が成ると自らの刃で命を絶った。
11ドルクフォード・フォン・ピザン
Dorcford Von Pisan
探求王。
ピザン王国の王子。第二次キルシュ防衛戦に軍を率いて参加、その最中に父王が死亡したため後を継いでピザン王となる。
二刀を振るい多くの敵兵とアンデッドを屠ったが、臣下はその姿に敬意を持ちつつも、前線へ出たがる王子の扱いに苦慮したという。
戦術よりも戦略レベルでの戦場構築を得意としており、ピザンにキルシュほどの損害が出なかったのは、ドルクフォードの戦略眼のおかげだとも言われる。
12クラウディオ・フォン・ピザン
Claudio Von Pisan
蒼槍。炎の将。赤い騎士の再来。
ドルクフォードの長子。父が前線から退いた後は指揮を引き継ぎ、その気性と武功から炎の将と称される。
ロードヴァント逃亡戦においてリカムの将イヴァン・ウォルコフに追い詰められるが、見事これを撃退し国境への撤退に成功する。
13コンラート・シュティルフリート
Conrad Stillfried
巨人。
ピザンの騎士。並の男より頭一つ背が高く、片手で甲冑を着た兵を放り投げたという逸話がある。
キルシュ王都での戦いにおいてリカムの将ユーリーと一騎打ちを行い、見事勝利する。またリカムの魔術師イクサと直接対峙して生き残った数少ない人間でもある。
14リア・セレス
Leah Celes
死蝶。金獅子。
ピザンの騎士。流れの傭兵であったが、クラウディオに見出され騎士に任じられる。
キルシュ王都の戦いではコンラートと共にリカム軍へ突撃。皇帝を討ち取る隙を作る事に貢献した。
後にグラナード伯と結婚する。
15マルティン・フォン・ローデンバルト
Martin Von Rodenwald
ピザンの盾。
ピザンの騎士。全身を覆う程の巨大な盾を持ち、その盾を使った突進は十を越える兵を吹き飛ばした。
部下思いの将であり、第二次キルシュ防衛戦のロートヴァント逃亡戦において、負傷した三人の兵を担ぎながら山を越えたという。
16クラウス・フォン・ヴァレンシュタイン
Klaus Von Wallenstein
不動。梟。
祖父の代に爵位を失った没落貴族・リカムの将を単騎で討ち取り名を上げる。
その活躍から爵位の返還も検討されたが、ロートヴァント逃亡戦において戦死する。
17ブラッグ
Bragg
破壊槌。
黒刻傭兵団の団員。ジョルジョが死んだ後に傭兵団をまとめる立場になったが、第二次防衛戦の末期、キルシュ王都の戦いにおいて、かつての仲間であるイクサの手にかかって死亡する。
18イヴァン・ウォルコフ
Ivan Volkov
鬼将。白竜将軍。
リカムの将軍。実直にして頑固とも言える性格であるが、部下たちの信頼は厚く、彼の指揮する部隊は士気が高いことで知られた。
皇帝の起こした侵略戦争に疑問を持つが、それを押し殺し自らの役目に従事する。
巨人コンラートを越える巨漢であり、その暴力の嵐の如き戦いぶりから鬼将と呼ばれた。
ロードヴァントの戦いにおいて敗走するピザン軍を追討したが、クラウス、マクシミリアンとの戦いで傷を負い、その怪我が原因でクラウディオに遅れをとり命を落とす。
19ユーリー・ウォルコフ
Yuri Volkov
リカムの銀狼。リカムの犬。白竜将軍。
イヴァンの義理の息子。父であるイヴァンを尊敬しており、彼を手本とし騎士としての己を磨いた。
キルシュ防衛戦には終戦間際に参加し、初陣を大勝で飾るが、その直後にイヴァンが戦死する。仇であるクラウディオと戦場でまみえ、それを討とうとするが、コンラートに阻まれ重傷を負った。
その後すぐに戦線に復帰し、キルシュ軍を圧倒するが、ピザン軍との戦いではことごとく敗走を重ねた。
20マクシミリアン・フォン・ヘルドルフ
Maximilian Van Helldorf
ピザンの剣。
ピザン王国の伯爵。優れた剣の腕を持ち、キルシュ防衛戦では自ら前線で剣を振るった。
少ない手勢でリカムの軍を手玉に取ったが、イヴァン・ウォルコフとの戦いで敗北、戦死する。
コンラートの剣の師であり、一時期は彼の養育者であり保護者でもあった。
子宝に恵まれず、伯爵家は甥が継ぐことになる。
21ウェンディ・ドゥーゼ
Wendy Duse
狩人。千里眼。
キルシュ防衛戦に初期から参加していた義勇兵。弓を得意とし、障害物さえなければ目視できる範囲の標的を確実に射抜いたという。
第一次キルシュ防衛戦において、リカムの皇帝グリゴリー一世の右胸を射抜き、リカム軍を撤退させる事によりキルシュの危機を救った。
だがその後行方を眩ませ、第二次キルシュ防衛戦には姿を見せず、イクサの裏切りと合わせてキルシュは再び危機に陥る事になる。
その正体は不明であるが、キルシュの狩人、リカムに占領された国の騎士、リカムの虐奪帝の22(ヴェンティドゥーエ)番目の子等様々な噂が流れた。
22イリアス・カディロフ
Ilyas Kadyrov
相反の騎士。
リカムの将。リカムに占領された小国の将軍であり、故国の独立を条件に虐奪帝の下で剣を振るった。
しかし同胞からは裏切り者とされ、リカムの者たちからも信用されず、ついには戦場で孤立。五百名の部隊は文字通り全滅する事になる。
23ルスラン・バイエフ
Ruslan Baiev
裏切りの槍。
リカムの将。リカムに占領された小国の騎士であり、リカムに忠誠を誓いながら虎視眈々と復讐の機会を伺っていた。
ウェンディによってグリゴリーが狙撃された後、手勢を率いて皇帝の天幕を襲撃、復讐を果たすこととなる。
しかしその後キルシュ軍の襲撃を受け手勢は壊滅。ルスラン自身は陣営からの逃亡に成功するが、後日ラース川の川縁で胸に矢が突き立った死体で発見される。
24アレクサンドラ
Alexandra
焔姫。
リカムの皇女。魔術師として優秀な才を見せ、第二次キルシュ防衛戦において従兄弟である皇帝の命で戦場へ赴く事となる。
大魔術によりキルシュの千を越える将兵を焼き殺し、ピザンのクラウディオ王子を撤退させるきっかけを作った。
フローラとの魔術の撃ち合いに競り負け捕虜となりかけるが、ユーリーによって救い出され帝都へ帰還。その後は戦場に出る事は無かった。
歌劇などでクラウディオと不倶戴天の敵であるかのように扱われるが、彼らが実際に同じ戦場で見えた事は一度しかない。
25ロドリーゴ
Rodrigo
癒しの御手。安らぎの祈り。
キルシュに教区と領地を持つ大司教であり、同国の宰相も兼任していた。
第一次防衛戦では政治家として戦うが、第二次防衛戦が始まりアンデッドが跋扈すると、自ら前線へ赴き死者の浄化を行った。
ロドリーゴの派遣した神官たちにより、アンデッドへの対策が取られるが、それでも数の暴力には勝てず戦線の後退を余儀なくされる。
王都防衛の際にもアンデッドの浄化のために戦線に立つが、イクサによって心臓を握りつぶされ絶命する。
26ジェローム・ド・ローラン
Jerome De Roland
策謀王子。ハイエナ。
ローランド王国の第一王子。父王の反対を押し切ってキルシュへと出陣し、その狡猾さと抜け目無さでリカムの軍勢を翻弄した。
アンデッドが現れてからは国境付近にまで撤退し沈黙を保っていたが、キルシュ王都での決戦に突如駆けつけ、騎馬隊と共にリカム軍へ突撃し、皇帝を討ち取る決定的な隙を生み出した。
戦果を見れば間違いなく英雄だが、その漁夫の利を得るかのような戦法のために彼を蔑む者も居る。
27ロラン・ド・ローラン
Lorrain de Roland
騎士の中の騎士。勇者。
ローランド王国第二王子。兄ジェロームとは異なり、少ない手勢と共に前線で戦い続けた。
キルシュ王都の戦いにおいて、圧倒的不利な中コンラート、リア、ジャンルイージ、コンラード、ロッド、フローラらと共に皇帝の下へと突撃する。
この突撃はそれぞれが示し合わして行ったものではなかったが、兄ジェロームの援護によって奇跡的な連携を見せる。結果ロランは一人皇帝の下へ辿り着き、ついにこれを討ち取ることに成功した。
戦争を終わらせた英雄としてロランは讃えられたが、ローランド王国への帰路の最中、何者かの放った矢によって命を落とす。早すぎる英雄の死に、国中が涙した。




