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エピローグ



あれからどれくらい時が過ぎたのかは、……めんどくさいから数えない。

俺たちは窓から外の風景を見ていた。

弓弦と一緒に。


「やっぱり君には旅なんて似合わなかったんだよ〜」


いつもと変わらない笑みを浮かべる弓弦。


「るせー」


「なーんで居場所がなくなるなんて思ったのかな〜?」


「だってさ。お前、俺の唯一の理解者だったじゃん。……傷つけてしまったし」


「もういいって」


慰めるように俺の背中に手を置いた。

まったく、コイツってやつは……。


「……そういや、思ったんだけどさ」


「?」


「なんで櫻と柳生がここに?」


そうだ。

なんでここにいらっしゃるんでしょうか?


「ん? 知らなかったのかしら。私たち、弓弦くんと知り合いよ」


「あ、わたしもです」


二人がそう答えた。


「……そうなんだ」


なんという偶然。

……いやいや。


「弓弦」


「何?」


「グルでしょ。アイツらと」


「いやはや、なんのことやら」


「目が泳いでるぞ。怪しいくらいに」


「いやはや、いやはや」


いや、逆に怪しくないくらい目が……。


「…………まあ、そうだね」


「ハメたなぁ!! キッサマぁ!!」


チクショウ!! 弓弦にハメられた!!

ってことは前世がどうのこうのってのも嘘か!!

……まあ、それはそうか。

じゃあ、あの発明品とかも俺を騙すために……。

やっべ、何だか腹が立ってきた。


「何でそんなことしたんだよ!!」


「君が戻って来るようにね」


「…………」


思わず黙ってしまった。


「まあ、私たちからも謝るから……。許してあげてよ」


「そうですよ。旅人さん」


「う……」


「ねぇ、旅人」


弓弦は俺に向き合った。


「僕はね、君がいなくなった時、ショックだったんだ」


いつもの笑顔。


「僕がもっと気をつけていれば、こんな面倒なことにもならなかったんだろうけどね」


「いや、そんなことはない。だからそれは」


俺が原因で、と続けようとした。しかし、弓弦に発言を遮られた。


「ストップ!! もう、いいよ。これ以上は」


「でもさ……」


「も〜。そんなに気にするんだったらさ、僕の看病をしてよ」


「……いいのか。俺で」


「モチロン。僕にとってそれが一番幸せだからね」


柔らかな笑顔。

俺にとってそれは凄く眩しくて……、温かかった。


「……分かったよ。今日からしてやるよ」


「旅人。ありがと」


そこにいた全員が笑った。


なんだか、幸せだった。


これから、ずっと続いてほしい。


そう俺は願った。

これでも上手く終わらしたつもり……。


まあ、こんな物語でしたが、楽しんでいただいてもらえたならそれで私は幸せです。


さて、次はどんな物語を書こうかな……?

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