遅すぎたサンタクロース
誰かが名前を呼ぶ声が聞こえると老人が目覚める。
「ふぁー・・・・よく寝た」
「サンタさん、おはよう御座います」
「おはよう、トナカイさん、昨日準備に手こずっちゃって。どんぐらい寝てた?」
「1週間くらいじゃないすか」
「え、今日何日?」
「31日、大晦日です」
「え?」
「31日、大晦日です」
「なんで起こしてくんないの!!!???」
「いや、ぐっすり眠ってらしたんで」
「いやいやいや、今年クリスマス過ぎちゃってんじゃん。ほら、テレビ付けたらガキ使始まってんじゃん!!田中タイキック今年もあるじゃん。どうすんの用意したプレゼント」
「アマゾンで送っておきました」
「・・・・・・ブラジル?」
「いえ、通販の」
「プレゼント売ったの!?なんで!?」
「無駄になるかなーと・・・思って」
年変わりますね」
「あー・・・そう、過ぎちゃってるからね。もうね、メリクリーとかケンタッキー買っときましたとか、そういうのもうない訳ね」
「ないです」
「マライアキャリーの恋人たちのクリスマスとか、もう街で流れてないし、ツリーも撤去されちゃってんのね」
「はい、もう終わっちゃってるんで。今は代わりに門松飾って、もういくつねるとがガンガン流れてます」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「もう、ガキ使見て寝よう」