表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

5.VSガンベルク

「機体、変わってないんだね。その子の名前は?」


 話しながらも切り結ぶ。ストームが得意では無い、と言っても名前持ち(ネームド)の範囲であるが、近距離戦を迫られている。


[ウォーテラー。それがこいつの名前だ。

 中距離戦は被弾が少ないからな。機体が傷付く前に終わることの方が多い。こんなに追い詰められるのも…いつぶりだろうな]


 通信を開いて語り始めながらも、中距離戦を狙う為、距離を取れるタックルを繰り返しながら話す。


「そう。じゃあ、残念」


[…そう簡単に終わると思うな]


 後は斬るだけ。その状況でウォーテラーが腰から新たに装備を出した。構えと同時に何かを撃ち込み、重みのある破裂音が響く。咄嗟に回避し距離をとったものの、完璧には避けきることは出来なかった。

 一見大砲でも取り出したのかと思えるほどの巨体。しかしリコルの機体に付いた切裂くような傷跡。


「ショットガン…」


[新調しておいたんだ。見ればわかる通り、まともに喰らえば…]


「生きては帰れない」


[出したくは無かったが仕方ない。降参はしてくれないのだろう?…致命傷は喰らってくれるな]


「…頑張る」


 再び、戦いは始まった。

 奥の手の甲斐あってストームは距離を手に入れ、中距離戦が始まる。


[先程までと同じようにいくと思うな!]


 左手にショットガン、右手にアサルトライフルの磐石の構え。簡単な戦いでは無くなっていくのが分かる。


(…面倒。距離を詰めるにもあの精度の銃撃は無理。)


(こいつを出した時、既に模擬戦の域を超えてしまった。死ぬなよアカツキ!)


 得意のアサルトライフルが火を吹いている。連射にも関わらず機体を掠めるその正確性にリコルは顔を顰めた。

 先程と同様、避けきった後の近接戦闘を狙う彼女だが、恐ら弾数半分といったところでウォーテラーが前方にブーストを吹かした。


「ッッ!」


 迂闊に近寄られればショットガンの餌食。咄嗟に回避を試みるもそれをブラフにしてリロードを行うストーム。


[歌う余裕も無いようだが。さぁ、どうでる!]


 これぞ名前持ち(ネームド)。各々得意不得意はあれど、その圧倒的な力で戦況を変えてしまう、まさに一騎当千。

 先程までとは全く違う戦闘に苦戦しつつも、突破口を探す。


「…」


 機体内に表示されているダメージが段々と大きくなっていく。ジリ貧だ。


『機体損傷率三十パーセント』


 小さくない被弾が蓄積されていく。


『ブースト燃料残り十パーセント』


 意を決したのか、リコルは再び螺旋状に回転しながら距離を詰めた。


[恨むなよ!これも戦場の掟だ!]


 ―――当たる。そう確信しショットガンを放った。


 つもりだった


 リコルはその時、既にウォーテラーの背後にいた。


 両腕は既に斬られており、撃つことは出来ず、負けたということをストームは理解した。


[…降参だ。まさかブースターを手動で使いこなすとはな。あんな動きをされては当てられない。また、お前に負けてしまったな。]


「いい動きだった。本当にギリギリ。あの頃より遥かに、近距離戦の精度が上がっていて危なかった。」


 勝者はリコル。最初に斬った三人は即死、その他は重軽症。

 彼女とストームは無傷で勝負を終えることとなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ