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41 誕生日

 父の誕生日には、母は父にちょっと変わったプレゼントを用意する。

 それは子供である私たちが描いた絵だったり、母が書いた不敬罪に問われそうな似顔絵入り家系図だったり、嘘っぽいほどに美辞麗句を並べたラブレターだったり、びっくり箱だったり、決してすごいものではないのだけれど、父の誕生日を祝うプレゼントは、いつだって父を笑わせていた。


 どうしてそんなに誕生日にこだわるの? と聞くと、母は

「誕生日には笑っていてもらいたいもの」

と答えた。


 母はぱっと見た感じ、そんな面白いことをするような人には見えない。どちらかというと真面目で、正しいと信じることを見極め、慎重に行動する人だ。

 それなのに父の誕生日が近づくと、今年は何にしようかと案を練る母はまるでいたずらっ子のようで、とても楽しげだ。


 そして父は母の誕生日に欠かすことなく花を贈る。必ず父自身が選び、自身の手で直接渡すのだ。母の笑顔を見るために。

 時に大きな花束を、時には数輪の花にリボンを添えて、たった一輪でも、そこに込められた意味は母にはわかるらしい。

 


  お誕生日おめでとう


 それは二人にとって


  私はあなたを想っています


ということなのだ。






お読みいただき、ありがとうございました。

本編はこれにて終了。

(というより、前話で終わってるとも言える…)


最後、オプション(蛇足)の物語は、ブラックな「もしも」ワールドです。


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