第八話 出発と森と狼と
「さて、とんでもないメンバーとなったわけだが、これからドラの為にレベリングを行う。」
「そのためにはまず、このエリアを抜けて第二エリアのダンジョン”兵どもの夢の跡”に向かいましょう。」
「そうですねぇ、第一エリアのユニークダンジョン”怪鳥の巣”を突破し無くてはいけませんね。」
ユニークダンジョンとは、次のエリアに向かうために攻略が必要なダンジョンの事で、そこにはエリアボスがおり普通のダンジョンボスより強いボスがいるらしい。
「どの位かかるんだ?」
「そうですね…怪鳥の巣までだいたい三時間ぐらいでしょうか?」
「そのぐらいですねぇ、他の町に寄ったりするとプラス一時間位になりますね。」
「なるほどなー。」
「とりあえずはこの町で回復とか買おうか。ドラ、今どのぐらいお金持ってる?」
「一万だな。これでどのぐらい買える?」
「てか、あなたの魔石片と私の貯蔵してるポーション交換しますよ。その方がいいと思いますが。」
「ありがてぇ、魔石片は今25個あるけど。」
「じゃあ、私のポーション25本と交換ですね。」
「え?魔石片一個とポーションが同レートでいいの?」
「いいですよー、その魔石片で市場のより1.5倍の回復量のポーション作れますから。」
「まじ?」
「まじです。」
「へー、メアリーはうちの回復要員だからな、それはデカいぞ。」
「それでしたら、うちにも卸してほしいですねぇ。」
「はいはい、交換しましょ。まずメニューのフレンドから交換って所を押して、それから…」
と、交換の仕方を教えてもらいポーションの交換が済むと
「よし、じゃあ行くか!ドラ、ギルドカードもらったか?」
「いつの間にかアイテムボックスに入ってたよ。」
と、実体化させ、見せる。
「オッケーだ。では、怪鳥の巣に向けて出発だ!」
ギルドから出て、怪鳥の巣に向けて歩き出す。
「まずは”黒曜の森”に向かおう。そこから、第二の町で休憩。これを目標とする。」
「黒曜の森?」
「黒曜石のように森の中が暗いから黒曜の森らしいですよ。」
「へー!」
「安直ですねぇ。」
「町の人を助けたときにおしえてもらったんですよ。」
「そうなんですね。NPCを助けたりするとこうゆうこと教えてもらえるんですか?」
「そうですね、好感度を上げたりするといろいろ得しますよー。」
と世間話をしていると黒曜の森が見えてきた。
「これが黒曜の森かぁー。」
「やっぱり先が見えないですねぇ。」
「マジで暗いな。」
「では、行きましょうか。」
「あ、基本的に戦いは全部ドラが中心な。」
「わかってるよ、流石にみんなが中心だとパワーレベリングだからね。」
パワーレベリングはルール違反とまでは行かないが、プレイヤースキルが上がらないから意味がない。
「わかってくれているようだね、今度こそ行こうか。」
俺たちは黒曜の森に足を踏み入れた。
「へー、とんでもなく暗い。」
「ちょっと待ってくださいねぇ、炎精よ、【灯】。」
「おお、明るくなった!」
「光魔法の【光】より魔力効率がよさそうですね。」
「炎精と協力して作った魔法ですよぉ、魔力効率を最大に、消費量は最低に、これで出来たのがこの魔法です。」
「魔法って作れるの⁉」
「ええ、魔法が作れるというよりも魔法を改造できるという【魔法改造】と言うスキルが有るのですよ。」
「へぇー!」
「使っている人は少ないですけどね。おっと、敵が来たようですよ。」
正面から狼が三匹来た。
「なるほど、シャドーウルフですねぇ、連携が上手く、めんどくさいですね。一匹こちらで受けましょう。」
「ありがとうございます!」
ソルトさんも剣を抜く、ソルトさんの剣は曲剣で、無駄な装飾は無くシンプルで実用性の高いものだった。
「よそ見はやめて下さい、行きますよ!」
ソルトさんがシャドーウルフの中の一匹に斬りかかる。
それと一緒に俺も残り二匹に斬りかかる。
「喰らえ、【魔断】!」
「舞いなさい、【炎精演武】」
俺は魔断で斬りにかかり、ソルトさんは妖精の力を借りて斬りにかかる。
「はぁ!」
大剣を大きく振りかぶるが、回避される。
ソルトさんの一閃は狼を綺麗に真っ二つに。
「っち!避けるなよ!」
と、狼が回避した方向に【空歩】を使い向かう。
「【メテオインパクトォォ】!」
音速で突きを放つ。
<ワォォォォン!>
一匹仕留めることに成功したが、仇と言わんばかりに後ろから残り一匹が爪で斬りかかってきた。
俺は回避ができずに諸に喰らう。
「ぐぁ!」
狼の死骸が大剣に刺さったままだったが、後ろに振り抜く。が、上手く回避される。
「っち!」
<ワォォォォォン!>
狼が遠吠えをする。森中からさらに遠吠えが聞こえてくる。
遠吠えをした隙に斬り倒す。
「やべぇかこれ?」
「仲間呼ばれたな。旦那、新しい敵の相手を少ししてやってくれません?」
「仕方ありませんねぇ、バフお願いしますよ。」
「もちろん、我に宿る悪魔よ、願いを叶えろ!罪をもって償いを!【望ムガ儘二】」
「では、私も。神よ、この者たちに癒しを【神の癒し】」
「ありがとうございます、それでは第二ラウンドと行きましょうか!」
「すみません、よろしくお願いします!」
狼の群れの足音が聞こえてくる。
「さあ、駄犬達よ覚悟して下さいねぇ!【三原色】!」
「半分はぶっ倒す!【空歩】!【魔断】!」
第二ラウンドのコングが鳴る。
ドウモ=ドクシャサン
今回はクランについて解説します。
このクラン機能は大きなパーティみたいなもので、聖女護衛妖精騎士団が今の所出ています。
他にも、メアリーやT-Gが入っているクランもあります。
因みに、キャラクターたちの格好については
ドラ君が身長170cmぐらいの童顔、格好は革の装備のような格好です。
T-G君は身長が170cmぐらいの塩顔イケメンです、格好は黒のコートに赤のラインが入った軽鎧を付けているよ
メアリーちゃんは身長160cmぐらいの普通に可愛い清楚ちゃんです。格好は黒の修道服に、ロザリオを首にかけているよ。足に少し不自然なふくらみが有るとか無いとか。
ソルトさんは身長180cmぐらいのおしろいを付けていてもわかる美顔です。
格好は赤の道化服に腰には曲剣が付いてるよ。