第七話 決着と、罰と、道化と
「あークッソ!引き分けかー」
「おい!貴殿に聞きたいことがあるのだが。」
「なんだ?」
「最後、あの【積憤】をどうやって風精に使用した?妖精職でなければ妖精は見れないはず。」
「【魔断】のおかげだよ。」
「【魔断】?あれは魔物に対してダメージが上がるだけでは?」
「正確には魔力の塊に対してダメージが上がるって感じだ。」
「魔力の塊?魔石の事か?」
「魔石なんてアイテムあるの?」
と言うと闘技場から出てきたT-Gに
「お疲れー、お前魔石の存在知らんかったの?ゴブリンの魔石持ってない?」
「ちょい待ち。」
メニュー欄を開き、アイテムを見る。
「あー、魔石片しかないな。”ゴブリンの魔石片”ってやつ。」
と、そのまま出す。
「それ魔石を砕いたときの奴だな、薬とかエンチャントに使えるぜ。」
そこにメアリーさんが
「魔石片は作るのめんどくさいんですよねー、普通の魔石を砕いてもレアリティが下がるんです。これレアリティ結構いいですし、買い取らせてくれません?私、サブジョブで薬剤師やってるんです。」
「あ、全然いいですよ。」
「俺も【魔断】を使うが、手に入ったことはないな。どこを狙ったらできるんだ?」
とエリックが聞いてきたので
「使うと一瞬紫色の光見えないか?そこを狙えばできると思うぞ。」
と答えると
「は?そんなの見たことなんてないけど…」
「え?まじ?」
「ああ、そういえば仲間が【魔断】を使った時に変な光が見えたって言ってたな。」
「そうなのか?」
「それは1F疑惑がありますねぇ~」
「「「「!?」」」」
誰でもない、別の人の声が耳元で聞こえ、全員が散開する。
今さっきいた所にいたのは、ピエロのようなメイクと格好をしている、言ってしまえば不審者がいた。
「びっくりしました…あなたでしたか。」
「旦那かよ…」
「団長でしたか…」
と、俺以外の全員が胸をなでおろしているが、俺は誰かわからない。
「え?だれ?」
「これはこれは、お初にお目にかかります。聖女護衛妖精騎士団団長、【狂乱の道化】のソルトと申します。」
「あ、ご丁寧にどうも、無所属のドラと申します。」
「ご丁寧にどうも、ふむ。」
ジロジロと顔を見てくる。
「君良い目をしていますねぇ、覚悟を決めた漢の目。私の好きな目ですよぉ。」
「へ?」
「いやいや、こちらの事ですよ。それはそれとして、私たちのクランに入りませんか?」
「いや、遠慮しておきます。」
「そうですか…エリック君に引き分けたという事は相当な実力者だと思ったのですが…それは残念ですねぇ。」
「それはそれとしてだ。ソルトの旦那、何しに来たんだ?」
「ははは、冷たいですねぇT-Gさんは。そんなの聖女ちゃんに会いに来たに決まってるじゃぁ有りませんか。」
「帰ってくださいませんか?」
「聖女ちゃんも冷たいですねぇ。だが、それもいい!」
「えぇ…紳士っぽいのに…」
「紳士は紳士でも旦那は変態紳士だぞ…」
「冗談は置いておいて、団長なぜここに?」
「そりゃぁ君の不祥事を解決しに来たに決まっているでしょう?エリック君。」
「あ…」
「ほら、皆さんに謝りなさい。」
ソルトさんから威圧感が漏れ出ている。
俺もちびってしまいそうな威圧感だ。
「言われなくとも、わかっております!無礼な言動をここに深くお詫び申し上げます、大変申し訳ございませんでしたぁ!」
と、土下座した。
「ちょいちょいちょい!そこまでしなくても!」
「いや!これが俺のけじめだ!」
「私からも謝罪します。どうか彼を許してやってください。」
と、ソルトさんも頭を下げる。
「俺はもういいのだが、2人は?」
「旦那が頭下げたんじゃぁ許さないわけにはいかねぇ。」
「私は気にしておりませんから…それよりもクラン名と団員の行動をどうにかしてほしいですね。」
「聖女様…それは出来かねます!」
「なんでですか!?」
「我々は聖女様に迷惑をかけない限り、制限をしないという血の契りがあるんです。」
「なんですかそれ!そんなの破ってくださいよ!」
「その代わりと言っては何ですが、私にあなた達の旅を手伝わせてください!」
「どうしてどうなるんですか…」
ソルトさんの突然の提案に呆れるメアリーさん。
「どうする?旦那なら信用はできるが。」
「俺は良いよ、メアリーさんは?」
「賛成です。彼の腕前はトップレベルですから。あの【勇者】にも届きます。」
「私があの歪んだ眼をしている彼と同レベルですか…不服ですね。」
「歪んだ眼?」
「いえいえ、こちらの話ですよ。私も入れて頂けるのですよね?」
「そうですね。よろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそ。」
こうして、最強の妖精騎士ソルトさんが入ってくれることになった。
因みにエリックはクランハウスを掃除するという罰を与えられてた。
ドウモ=ドクシャサン
今回は決闘について解説します。
決闘はその名の通り決闘ができる機能です。
闘技場やそのほかの特定の場所にて申請ができる。
因みに、drawは早々起きない。