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罪と幻想の物語-クライムオンライン  作者: 蒼天癸亥
第一章 強者必衰の理を表す竜
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第六話 気づきと作戦と決死を

今回はお互いにじりじりと詰めずに間合いを測っている。


「おい、今回は仕掛けてこないのか?」


「貴殿こそ、今回はそちらから仕掛けてくるといい。」


「では、お言葉に甘えて!【空歩】!」


空歩で一気に詰める、仕留めるのではなく、チマチマとダメージを与える作戦にする。


「はぁっ!」


「くっ!」


空歩で一気に詰めることで、回避を難しくし、着実にダメージを与える。


「小癪な!」


「よっと。」


カウンターを避け、また間合いを開ける。


「ならば喰らえ!【水精流波】!」


水の渦が襲い来る、俺はそれをスキルで避ける。


「ちっ!【空歩】!」


「ばかめ!それは囮だ!【炎風轟撃】!」


「なにっ!?」


炎を纏った風刃が襲い来る。

今さっき空歩を使ったばっかだ。剣を振りぬくとしても間に合わない!


「チェックメイトだ!」


「こなくそ!」


俺は魔法が当たる前に転がり、回避した。


「痛ってえ、少しだけくらっちまった。」


「なに!?あれを回避するとは…やはり貴殿はおもしろい!」


「こっちは死にかけてんだ、面白いもくそもねぇぜ。」


「はっはっは、その通りだな、失礼した。」


「謝る必要はねぇ、行くぞ!」


リキャストがたまった【空歩】を使い、再び斬りにかかる。


「はぁっ!」


「何度も喰らうか!」


大剣と剣がぶつかり合う。


「ふん!」


「ぐあっ!」


レベル差からか、弾き飛ばされる。


「喰らえっ!【一閃】!」


体勢が崩れた所にスキルが襲い来る。


「おらぁ!」


それを大剣で守る。


「うわっ!」


だが、スキルを発動していて、なおかつレベル差もある。弾き飛ばされないわけがない。


「よく守ったな、まだまだ行くぞ!」


「くっ!【天翔】!


再び、空を飛ぶ。


「また空を飛ぶか!【土精流撃】!」


土の礫が螺旋を描きながら、さながらマシンガンのように飛んでくる。


だが、

「はっ!空の上だったら避けるのも容易だ!」


空歩の滞空時間が伸びたことにより、空中旋回が可能になっている。


「はっバカめ、この魔法は俺が操っているわけじゃない、発動を手伝っているだけだ。」


「なにっ!?」


土の礫が追いかけてくる!?


「妖精魔法の利点の一つだ。連射型の場合は、妖精が魔法の照準を管理してくれる。」


「はぁ!?強すぎるだろ!?」


「だが、所詮妖精だ。搭載AIの知能は低い。敵をただ狙うだけになるがな。」


「なるほどな!空に行ったのが不利ってことかちくしょうめ!」


ドンドン上に逃げる。土の礫が追いかけて来るが、一分ぐらい逃げた頃だろうか、土の礫は追いかけて来なくなった。


「なんだ?MP切れか?」


「ちっ、そうだ。だがな我は妖精騎士だ、妖精の力を借りたスキルは使えるし、MP自動回復のスキルも有る。長期戦は貴殿が不利になるだけだ。」


「長期戦が不利なのは言われなくてもわかってる。」


「そうか、それは失礼した。」


どうする!?今使えるスキルで一番火力があるのは【アラウンドインパクト】、だが縮地法的な何かで避けられる。

何か手はないのか⁉


「悩んでる暇があるのか?【炎水狂風】!」


魔力が貯まったのか、炎、水、風が一体となった魔法が襲い来る。


「ちっ!【魔断】!」


魔断はその名の通り、魔を断つスキル。

マジックポイント、つまり、魔力の塊である魔法は切れる。

魔断を使うとき、魔力の塊のようなものが一瞬見える。

そこを切れば、魔物に大ダメージを与えられるし、魔法も塊の所を狙って切れば行ける。

逆にそこ以外を切ると魔法は切れず、そのままくらってしまう。


その魔力の塊が見えたとき、エリックの周りに赤色、青色、緑色、茶色の色が付いた魔力が見えた。

これが勝利につながる!俺はそう確信した!


「くっ、やっぱり切られたか。」


「はっ!俺に一発高火力の魔法は効かねぇぜ!」


あの時見えた色が付いた魔力、あれは精霊だと考えられる。


もし、精霊が生き物扱いなら、行けるはず!


「今、てめぇの敗北は決まったぜ!」


「勝利宣言か?戯言も大概にしろ!」


「戯言かはてめぇで判断しな!」


「なら、こちらも本気で行かせてもらう!」


エリックは剣を自分に向け、そして罪法を唱え始める。


「我に憑きし悪魔よ、我が願いを叶えよ!罪を以って、償いをす、律令は保たれり!

罪法、暴食【グラトニーヒール】!」


「それで?そこからどうする気だ?」


「まあ待て!我と契りを結んでいる妖精たちよ!力を混ぜ、目前の敵を消し去れ!【妖精狂宴】!」


炎、水、土が風にまとわり、巨大な渦となりて襲い来る。

エリックの周りが四色に光る。俺はそこの緑色の光に対し、


「悪魔よ!力を貸せ!憤怒【積憤】!そして、【魔断】、【アラウンドインパクト】!」


俺は、魔法に対し、決死の想いで飛び込む。魔断は発動待機状態、そのまま魔力の塊を突きさし、魔法をダメージは負いながらも消し飛ばす。


【アラウンドインパクト】の中の一つ、【メテオインパクト】は固いものにに突き刺さることで発動する。


【混合体技】仕様の一つに、混合スキルの発動条件を両方クリアしないと発動しないという物がある。


つまり、魔法を突き刺しても【魔断】は発動するが、【アラウンドインパクト】は発動しない。

これが混合体技のメリットの一つでもある。

アラウンドインパクトをエリックは避けようとする。だが、


「なに!?風の妖精の意思に反するだってぇ⁉」


できないはずだ。


「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


「ちくしょぉぉぉぉぉ!かかってこいぃぃぃぃぃぃ!【一閃】!」

避けても爆風で仕留められると判断したのか、回避しきれないと判断したのか、スキルで弾きにかかる。

だが、大剣の自重に、高い所から飛び降りたことによる位置エネルギー、エリックの剣は耐えきれず折れ、そのまま互いに吹き飛ばされる。


「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」


俺も、エリックも倒れる。


結果は判定に託された。


結果は


<finish! draw!>


引き分けだった…

ドウモ=ドクシャサン

今回はスキルを解説します。


スキルは二種類あり、

常時発動型と、任意発動型の二つある。


どちらも名の通り、

常時発動型は【MP自動回復】や【大剣】などがある。


任意発動型は【地断】や【炎精斬り】などがある。


普通は一つでも常時発動型のスキルを覚えるはずだが、ドラ君は一個も覚えず、中々に尖ったスキル構成になっている。


因みに、【大剣】と言った武器名スキルはLvが10を超えてからが重要で、

Lv10から上はLvが上がりにくくなるが、その代わりに1レベル上がるたびに、【一閃】と言った剣技を覚える。

あともう一つ、罪法の詠唱は弱くなればなるほど詠唱が短くなる。

ドラ君の罪法はLv1、だからあんなに詠唱が短かったわけです。


次回の投稿は日曜日の12時です。

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