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罪と幻想の物語-クライムオンライン  作者: 蒼天癸亥
第一章 強者必衰の理を表す竜
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第五話 騎士と妖精と再闘を

エリックについていくと、そこにはまさにコロッセオのような闘技場があった。


円形のドーム型で、天井はない。


壁はレンガのようなもので出来ており、頑丈そうだ。


「まさか、ギルドの裏手にこんなものがあるとは…」


「ほんとに初心者なんだな。普通はギルド登録イベントで知るはずなんだが。」


「へ?」


なにそれ!あたし知らない!


「まさか、知らなかったのか?」


「登録しに来たら、お前が乱入しに来たんだろうが!」


「初めて何日だ?」


「一時間半ぐらい。」


「マジかよ…なんかすまない。」


「いいよ、謝るぐらいだったら早くやろう。」


「ああ、そうだな。」


エリックから決闘申請が来たので承諾する。


「では名乗りを上げさせてもらう。」


「名乗り?」


「我が名はエリック!クラン聖女護衛騎士団所属だ!」


「あーそういう感じね。」


「貴殿も名乗りを上げろ!」


「一個呼び名がランクアップしてるな。」


「我は決闘を受け入れたものには誠意を払うのでな。」


「そうか、では、無所属、大剣使いのドラと申す。」


「「いざ!」」


カウントダウンが始まる。


<3…2…1…>


<fight!1!>


最初に仕掛けてきたのはエリックだ。


「喰らえ!【炎精斬り】!」

炎をまとった剣が襲い来る。

それを

「【空歩】!」

で避ける。


「くっ!」


スライドするように空歩を使い、

そのまま跳ぶ。


「ジャンプして何になる!」


「【天翔】!」


【空歩】のリキャストは溜まっている。


空歩、足場の順番で使い、そのまま空を駆け始める。


空歩、足場のLvが上がったことにより、足場は足場が残る時間が増え、空歩は跳べる距離が伸びた。


これで空を駆けやすくなるぜー!


「は!?」


「はっはー!悔しかったら上ってこい!」


今高度10Mぐらいだ。


「お前が降りてこい!【炎精華流】!」


「は!?なにそれ!?それ杖なの⁉」


エリックの持つ剣?から炎の渦が出て来る。

それを待ち構え…


「ならば!【魔断】!」


紫色に光る大剣を炎の渦に向かって振りぬく。


炎の渦は切り裂かれる。


「なんだとぉ!?」


「はっ!魔法を使ってくるなんて予想通りだ!」


周りを見ると、観客席でエリックと同じように驚愕しているメアリーさんとT-Gの姿が見えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


決闘が始まった。


エリックは初っ端から妖精騎士の技の一つを放つ。


それを難なくかわすドラ。


「ドラさん、【空歩】使ってるんですか。大剣使いなのに珍しいですね。」


「そうなんだよ。」

大剣使いは基本的に敵の攻撃を受け止めたり、カウンターをくらわせたりする

タンクもできるし、ダメージも出せるバランス型の動きが今の主流だ。


回避系スキルを覚えているのは珍しいと言えるだろう。


「え?待ってください、ドラ君飛んでませんか?」


「え?また飛んでるじゃんアイツ!」


「え?また?ま、まあそれは置いておいて、対してエリックさんは魔法を放ちましたね。」


「妖精魔法は火力が高い代わりに、MPを多く使う。あまり連発はできないはずだ。」


「彼は魔法をそのまま待ち構えていますね。ってなにやってるの⁉」


「早く避けろ!」


ドラに炎の渦が近づいてゆく。

それをアイツは大剣で叩き切りやがった。


「「えぇ…」」


俺もメアリーも同じ反応をする。

エリックも放心状態だ。

アイツは笑顔で手を振ってくる。


「エリックが可哀想だなこりゃ。」

「そうですね…」


エリックの心情を察しつつ、観戦を続ける。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


観客席にいる二人に笑顔で手を振る。

そうしているとエリックが

「お、お前一体何もんだ…?」


「俺か?ただの一プレイヤーだ。」


「ただのプレイヤーが空を飛べるわけないだろ!今もホバリングしてるし!」


「こんなのスキルの組み合わせで出来るだろ。」


「まず、足場なんて言うネタスキルを持っていることに驚くわ!」


「そのネタスキルに翻弄されているのはお前だぞ?」


「ぐっ、とにかく降りてこい!」


「はいはい」

と俺はそのまま飛び降り、

「【アラウンドインパクト】!」

を放つ。


俺の大剣は橙色の光と、真っ赤な炎に包まれる。


速さは音速を超えていたと思う。


エリックも対応しきれず、

「え?ちょまてうわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


爆音と土煙が吹き荒れる。


俺は勝利を確信していた。


だが、勝利のアナウンスは流れない。


「何…?ってうわ!」

剣筋が見え、転がって避けた。すぐ剣を持ち、構えなおす。


息を整えているとエリックが


「ほう、まさか避けるとは思わなかった。」


「仕留めたと思ったんだがな。」


「風精のおかげで生き残ることができた。」


「縮地法的な何かか?」


「ノーコメントだ。」


「そうか。」


「こちらは言いたいことがある。」


「なんだ?降参か?」


「違う、我は貴殿を見誤っていた。貴殿は強い、我も本気で行かせてもらう。」


「はっそうかよ、名乗り上げなおさなくていいのか?」


「そうだな、ではお言葉に甘えさせてもらおう。」


エリックは深呼吸をし、名乗りを上げる。


「我が名はエリック!聖女護衛騎士団所属、階級は第三分隊副団長!」


「ではこちらも、無所属、”沙羅双樹の好敵手”のドラと言う!」


「「いざ!」」


再び戦いの火蓋が切られる。

ドウモ=ドクシャサン

今回は妖精を解説します。


妖精は妖精女王から生まれる魔力の塊のような存在です。


契約条件は妖精に気に入られること、これだけです。


契約すると、妖精とMPをリンクし、共有することができる。


妖精が契約者の力を借りて魔法を発動できるし、妖精の力を借りて契約者が魔法を発動することもできる。


互いにメリット、デメリットがあり、

妖精主軸で発動する場合は妖精に魔法の管理を任せ、契約者は前線で戦うことができる。

だが、妖精のAIの知能は低く、簡単な指令を一つしかこなせない。


例えば、妖精に敵をずっと狙えと指令すると、ずっと指定した敵を狙い続け、契約者と敵が重なって、契約者に当たっても気にせず撃ち続ける。


契約者主軸で発動する場合、INTの値が関わるが、難しい軌道も可能となる。

その代わりに、MPの消費が激しく、長くは発動できない。


基本的には、妖精騎士は妖精主軸、

もう一つの妖精ジョブの妖精師は契約者主軸と、使い分けられている。


ちなみに、エリック君の第三分隊副隊長って言う階級は妖精騎士団の中では中の上と中々に強いって言う立ち位置だよ。

Lvは30ぐらいだね。妖精の事をもう少し理解すれば彼は強くなれるよ。


次は日曜日の12時に投稿します。

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