変異と怒りと最強と 5
「さあ!神への祈りは済ませたかぁ!」
と、ショットガンをぶっ放す。
<くっ…>
狼は避ける、一気に近付いてぶっ放したからか魂雷は撃たない。
「あははっははぁ!逃げ回っても無駄だぁ!【覚醒】!【アキレスと亀】!」
「アキレスと亀は回避用スキルじゃ…?」
「あまいですよその考えはぁ。【アキレスと亀】は同名の理論を成り立たせるスキルです。」
「つまり?」
「成り立たせるだけで、それを攻めに使おうが守りに使おうが使用者の判断次第と、いう訳ですねぇ。」
「なるほど…、それは強いな。」
「実際攻めにも守りにも使えるスキルはあれだけでしょうねぇ…」
<むぅ…!【魂風】、【黄泉返り】!>
また狼の体が消えて行く…
これではメアリーさんのショットガンが当たらない!
「また【黄泉返り】だ!気を付けろ!」
<幽体化だ!聖属性をつけようものなら【魂雷】で弾けるぞ!>
「っち、めんどくせぇな…【Silverbullet】」
<【魂風防御陣】!馬鹿め!聖属性を付けたなぁ!>
「はっ!バカはそっちだ、【セイクリットバインド】、【shot&pull】!」
一気に近付き、ショットガンを連射する。
撃った瞬間に腕を引くことで衝撃を逃がし、高威力のショットガンを連射している。
スキル効果もあるかもしれないがとてつもなく早い、一回打ってからコッキングを含めて1秒もかかっていない。
だが、【Silverbullet】により、聖属性がつけられているはず、魂属性の【魂風防御陣】によって弾かれるはず。
<はっはっはぁ!効かぬわぁっぁぁぁぁ⁉>
だがダメージが入った、一体なぜ…?
「はっ!全員鳩が豆鉄砲くらった顔してんなぁ!教えてやるよぉ!」
<ぬぅ…>
狼は不可解な顔をしている。
それも当然だろう、聖属性が付いていると思って【魂風防御陣】を張ったのに効かなかったのだから。
「まず、【Silverbullet】ってのは聖属性を付けるスキルじゃぁ無いんだよな、正確にはゴースト、吸血鬼、人狼に対してのダメージを倍増させるっていう奴だ。聖属性はこれにアンデットに対しての特攻も入る。」
「お。おう。でもほぼ聖属性では?」
「違うんだよなぁこれが、正確には聖属性よりの無属性だ。
無属性は特異中の特異属性、属性、とついてはいるが無である。この無属性はいわゆる物理攻撃に当たる。ポ〇モンで言う所のこうげきで、属性攻撃はとくこうだ。」
「なるほど…?」
ソルトさんにMPポーションやHPポーションをかけながら聞く。
「魂属性はダメージのついたリフレクターだが、無属性はただのこうげき、無効にできるわけがないんだよなぁ…」
<「なるほどですねぇ…」>
と、ソルトさんが立ち上がる。
「お、おい?大丈夫なのか?」
<「ええ、大丈夫です。ありがとうございました。」>
「ならいいが、俺たちはどうしようもない。できることはポーションを投げることぐらいだ。」
「いや、ドラは戦える。スキルを使わずそのまま殴ればある程度はダメージが入るはずだ。」
<「そうですね、T-Gさんは回復をお願いします。」>
<卑怯な!まさか時間稼ぎだったとは…だから神の教徒は信用ならん!全員消し飛ばしてくれる!”我は主の名のもとに誓う!神の信徒を打ち倒すと!【宣誓:忠誠と信頼】、【終始輪廻】【心前御前】【限界突破】!>
「はっ、騙される方がわりぃんだよ。いくぞソルト、ドラ!」
<「ええ、最終決戦ですよぉ!」>
「やれるだけやってやるぜ!」
さぁ、最終決戦だ!
ドウモ=ドクシャサン
今回は属性について解説について解説します。
この属性、メアリーさんが開設した通り、無属性は物理攻撃、炎や雷は特殊攻撃といった感じです。
因みに、無属性の上位属性は存在します。普通は発現しませんが、世界に背き、理を壊すものに発現するとか…