変異と怒りと最強と 1
さあ、ボス戦の始まりだ!
光り輝く木のアーチを潜り抜けた先は草原だった。
とても広く、ボスも、先も見えない。
「ここはやっぱり広いですねぇ。」
「ええ、先にご飯にしましょうか。」
「お?メアリーの手作りか!おいしいし、バフ効果も高いしありがたい!」
「へー、ご飯を食べるとバフ効果が付くんだ。」
「ええ、食べ物の種類によってバフ効果が変わるんですよー。例えば、野菜はHPが上がりますし、お肉は攻撃力が上がるんですよー。」
「へー、そうなんですね。」
「では食べましょうか。」
「「「「いただきます」」」」
メアリーさんが準備してくれたサンドイッチにかぶりつく。
「美味い!めちゃくちゃ美味いですよこれ!」
「これはこれは…いつもこれが食べられる勇者パーティが羨ましいですよ。」
「やっぱり、メアリーのサンドイッチは最高だな!」
メアリーさんのサンドイッチは三角に切った白パンにレタス、かりっかりのベーコン、ベーコンの熱で少し溶けたチーズ!
特に凄いのはソース!いわゆるオーロラソースの様な味わい!
これが素材をまとめ上げている!
「おおぉ、これはほんとに店で出せますよ。」
「ドラさんに同意しますよぉ。お店出してくれませんか?」
「はっはっはっ、食べたければ勇者パーティに入ることだな。」
「ふふふ、まだまだありますから、慌てないで食べて下さいねー。」
メアリーさんのサンドイッチを食べてバフプラス活力を得た所で、
「早速行きましょうか!」
「まあまあかかるからなぁ、大体15分ぐらいは歩くぜ。」
「グダグダ言わずに行きましょぉ。」
俺たちは春の陽気の様な暖かい草原をある程度歩くと大きい狼が見えてきた。
「いよいよだな。」
「準備は良いですかぁ?行きますよ!」
ソルトさんの掛け声とともに狼へ突っ込む。
<エリアボス【堕ちし誇り】バイホーンゴーストシャドーウルフ戦を開始します>
「ん?」
「二つ名ですかぁ!?」
「嘘でしょう⁉」
「ボスなのに二つ名持ってることあるんですね。」
「ふつうは持ってないし、種類も違う。通常はバイホーンシャドーウルフだ。」
「ええ、変異体ですね。」
「なんでこんなに変異体が?なんか心当たりあるんじゃないんですか?」
「まあ、あるにはあるな。」
「ぜったいこれのせいでしょ。」
と、手の甲に有る沙羅双樹の花が施された罪印を指さす。
「まぁ、そうでしょうねぇ。説明された時はびっくりしましたよ。」
「相手さんは待ってくれているな。」
「さあ、行くぞ!【炎流撃轟】!」
「では私も!【一番星】!」
「行くぜ!【空歩】!」
「待ってください!【看破】!」
T-Gの魔法が直撃し、前衛職が突撃する!そこにメアリーさんが看破の情報を送ってくれた。
「相手Lv60!所持スキル、ステータス、不明!」
「格上ですかぁ!普通LV20ぐらいなんですけどねぇ!」
「魔法直撃でもあんまりひるまないな!【風炎極撃】!」
「魔法防御が高いんじゃないの!【足場】!【地断】【魔断】!」
いつもの一撃をくらわすが、全くダメージをくらってないないように見える。
「マジかよ…」
「キッツいなぁ!我に宿りし悪魔よ、願いを叶えろ、罪を以て、償いをす、律令は保たれり!罪法”強欲”【マジェスティエンハンス】!」
「サンキュー!【空歩】!【足場】!」
「ありがとうございますよぉ!【神風】!【快速】!」
「アシストします!神よ、我々に癒しを!【神の癒し】」
<グルルルルルルオォォォォォォ!>
「「「「!?」」」」
ボスが角を向け、突っ込んでくる。とてつもないスピード、まさに車の様な。
「皆!避けろ!」
「ちっ!【風速】!」
回避手段がないメアリーさんが狙われる!
「メアリーさん!」
「聖女ちゃん!」
「くそっ!メアリー!」
間に合わない!
「くっ…!」
ドウモ=ドクシャサン
今回は料理について解説します。
この”料理”、結構重要でして、バフ効果が付きます。後衛職は基本的に必須スキルです。
野菜は、HPに関するバフが付きます。肉は攻撃に関するバフが、魚は防御に関するバフが付きます。
料理スキルが高いほど素材のバフ効果を引き出すことができます。
因みに、聖女ちゃんの料理スキルのレベルはマックスです。