罪と幻想の物語
はじめまして、蒼天癸亥と申します。
はじめて執筆した作品ですが楽しんで頂けると幸いです
今日はプロローグを
明日は12時と13時に2話投稿します。
クライムオンライン
プロローグ 罪と幻想の世界
「ありがとう、勇者様。私たちを救ってくださり。」
幻想的な光に包まれた世界の中で、羽の生えた美しい女性が自分に話しかけてくる。
「あなたの事は忘れません。」
女性の姿がぼやける。
「さようなら。」
光の粒となり、消えてゆく。
自分の頬に涙が伝う。
エンドロールが流れてゆく。
ヘッドセットを外し、少し呆然として、そしてつぶやいた。
「神ゲーだった…」
ヘッドセットからゲームチップを外し、ケースに入れ、棚にしまう。
「ふう。」
少し落ち着き、一息入れたときにスマホが鳴る。画面を見ると親友の宗虎だった。
「もしもし?」
「もしもし龍?今大丈夫か?」
「大丈夫だ、今余韻に浸ってたところだから。」
「ちょうど、あのゲームをクリアした所か。」
あのゲームとは、今さっきクリアしたゲーム”フェアリーファンタジー”の事だ。
「そうだよー、お前に勧められたけど、泣いたわ。」
「だろ?難しいけど、ストーリーが面白いからその分どんどんのめりこんじまう。それにクリアした時の達成感と、妖精女王からの感謝の言葉で泣いちまうよな。」
「そうそう!アレを超える感動作は早々出てこないだろうな。」
「わかるぜ!」
「んで本題何?フェアファンの話しに来たわけじゃないだろ?」
「そうだそうだ、お前、MMOってやるか?」
「あー、やりたいけど種類が多くてな。どれやればいいかわからないんだよ。」
「それじゃあ、おススメの奴があるぜ?」
「お、なんだ?」
「最近出たばっかのゲームがあって、名前を”クライムオンライン”といってな。」
ここから、宗虎のプレゼンが始まった。
まとめると、超リアルで、魔法が使えて、戦闘職から生産職まで、幅広く遊べる。とのことだ。
「おもしろそうじゃん!」
「だろ?」
「早速ダウンロードしてくるわ!」
「了解、ゲーム内で会おう。」
電話を切り、ヘッドセットをPCにつないで早速ダウンロードした。
「わくわくするな。」
あの新しいゲームを始める時特有の高揚感を覚えながら、ヘッドセットをかぶり、目をつぶり気が付くと、真っ白な空間にいた。
「ここどこだ?」
「こんにちは、罪人よ。」
「うわっ!?」
そこには、初老過ぎの、執事服を着たご老人がいた。
「これはこれは、驚かせてしまい、すみません。私は案内人の”セバス”と申します。あなたのお名前は?」
「あ、ドラと申します。」
自分はオンラインではドラ、オフラインは龍でやっている。
「ドラ様、ですね。この世界の説明などはお必要ですか?」
「いえ、大丈夫です。」
「承知しました、ではあなたの姿をご覧ください。」
と、手鏡を渡される。
自分の顔が映ると、白い光に包まれた。
ここからキャラメイクか。めちゃくちゃいじれるじゃん!?
顔つきに、目の大きさに、瞳孔や唇の大きさまで自由に変えられるのかよ!
とりあえずいつもの銀髪に白黒のオッドアイ。あと少し顔つきを変えてと。
「ご覧になりましたか?」
「はい、ありがとうございました。」
「どういたしまして。つぎは職業と、スキル、そして罪法をお選びください。」
来た!このゲームの固有機能”罪法”!
「罪法について説明はお必要ですか?」
「お願いします。」
「承知しました。」
ここから解説が始まった。
罪法とは”傲慢””憤怒””嫉妬””怠惰””強欲””色欲””暴食”に分かれ、
左から”土””火””水””風””強化””幻””回復”を司るとのことだ。
「では、お選びください。」
「うっわ」
思わず声が出てしまった。初期職の戦闘職だけでも50種以上か・・・
「とりあえず、大剣使いにするか。罪法は…憤怒にしよう。さて、次はスキルを選ばないとな。」
「沢山あるなー」
最初のスキルは5個まで選ぶことができる。
自分の戦闘スタイルによってスキルを変えることが可能だ。
沢山のスキルを観ながら、目についたスキルを選んだ。
「足場と、空歩と、地断、魔断に覚醒!」
足場はその名の通り足場を作ることができる。しかし、少しの間だけ。RT5秒
空歩は二段ジャンプができるようになる。RT3秒
地断は攻撃スキル、高い所から使うとその分ダメージ量が上がる。RT30秒
魔断も攻撃スキル、魔物に対して使うとダメージ量が上がる。RT30秒
覚醒は一分間スキルがリキャスト無しで使えるようになる、
その代わり一分が過ぎると三分間スキルが使えなくなる。RT一時間半
スキルはこんな所かな。
「お選びになりましたか?」
「はい」
「ではボーナスポイントを振ってください。」
と、言われるとステータス画面が開かれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
名前 ドラ Lv1
職業 大剣使い Lv1
武器 初心ノ大剣
防具
頭 初心ノ兜
胴 初心ノ鎧
足 初心ノ足鎧
靴 初心ノ革靴
ステータス
HP 300
MP 100
STR 350
DEF 200
INT 100
RES 200
DEX 150
AGI 300
SP 0
スキル
足場Lv1
空歩Lv1
地断
魔断
覚醒Lv1
大剣Lv1
SP0
罪法
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ボーナスポイントが500ポイントあったので、STRに200、AGIに200、DEFに100振った。
「とりあえずこんなもんか。」
セバスが出てきた。
「ポイントが振り終わったようですね。これからあなたは、罪と幻想の世界クライムに送られます。この世界で、あなただけのストーリーを御作りください。ではいってらしゃいませ。」
そして、セバスは最後にこう言った。
「サタンのご加護があらんことを。」
白い部屋が崩れ、体が浮遊感を覚える。
「うわあああああああ!?」
そして、俺の物語が始まる
罪と幻想の物語が
Crime online クライムオンライン