表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

絵本っぽい短編

えんぴつくん

作者: 閑古鳥

「あれ?どこいっちゃったんだろう」

おんなはえんぴつてのなかをのぞきんで、そういました。

そのなかには本当ほんとうちいさなえんぴつがたくさんはいっているはずなのです。

けれどながいえんぴつはたくさんあるのにちいさなえんぴつがひとつもないのです。

「おかしいな」

いままでずっとえんぴつがちいさくなるたびにからんからんとえんぴつてにほうんでいたのです。

ついさっきまたちいさなえんぴつができたので、またからんとれようとおもったのです。

けれどからからとおとらしておくまでのぞいても、いままでれたちいさなえんぴつはつかりません。

「うーん、わかんないや」

なぜかはよくわからないけれど、ないのは仕方しかたがありません。

おんなは新しくできたちいさなえんぴつをからんとひとつえんぴつてに入れました。

えんぴつてにはたくさんのながいえんぴつとひとつだけのちいさなえんぴつがはいっています。

おんなちいさなえんぴつのわりにながいえんぴつをひとると筆箱ふでばこにしまいました。

そして明日あした学校がっこう用意よういをして、ベッドにはいってねむるのです。



夜中よなかちいさな物音ものおとおんなましました。

つくえうえからなに物音ものおとこえてきます。

かたかたことことからからとなにかがうごおとがします。

おんなはそうっとつくえうえを見てみました。

するとそこにはちいさなえんぴつたちがたくさんあつままっていました。

びっくりしたおんなはわあとおおきなこえをあげました。

「わあ!びっくりした!」

ちいさなえんぴつたちこえをあげてびっくりします。

からからことこと。

ちいさなえんぴつたちおとててどこかへかくれようとしています。

よくると何本なんぼんあつまったちいさなえんぴつたちは、おんなってるものでした。

「あれ?みんなわたしのえんぴつだ」

そうおんなが言うとえんぴつたちうごきがぴたりとまりました。

「うん、そうだよ。ぼくたちみんな、きみが使つかってたえんぴつさ」

えんぴつてからなくなったえんぴつたちはみんなここにあつまっていたのです。

「みんなこんなよるになにしてたの?」

おんなはえんぴつたちきました。

「ぼくたちあたらしいえんぴつになりにくんだ。みんなでえいってあつまって、あたらしくってながいえんぴつになるんだ!」

かたかたからからおとらしてえんぴつたちはそういます。

もうみじかくなって使つかわれなくなったえんぴつたちはみんなそこであたらしいえんぴつにまれわるのです。

「ぼくたち、またきみのとこにかえってくる。だからっててくれる?」

えんぴつたちおんなきました。

「うん。まってるよ」

おんなはそのこたえをいたちいさなえんぴつたちわらったようにおもいました。

そうしてことことからからとえんぴつたちはどこかへってしまいます。

おんなすこしさみしくなったけどえんぴつたちにばいばいしました。

そしてもう一回いっかいベッドにもどってねむります。



おんなあさきると、つくえうえにはたことのないまっさらなえんぴつが一本いっぽんいてありました。

昨日きのうゆめはきっとゆめではなかったのです。

おんなはまっさらなえんぴつをけずるとえんぴつてに入れました。

またちいさなえんぴつができたときにはこのながいえんぴつを使つかうのでしょう。

「また、よろしくね」

おんなわらって学校がっこうきました。

それにこたえるようにえんぴつてのほうからはからんとちいさなおとこえてきました。




おしまい

自分が小学生の時に妹に話してたお話のうちの一つです。ちょうど同じようなできごとがあったのでそれをお話にしたような覚えがあります。さすがにどんな言い方だったかは忘れたので内容だけ同じにして書き直してますが、当時の懐かしさを残したくて全部にふりがなをつけてみました。読みにくかったらごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ツイッターのハッシュタグの関係で読みました。 >自分が小学生の時に妹に話してたお話のうちの一つです。 と聞いて、ストン、と納得できました。 なるほど。確かにこれはそういった雰囲気があるおは…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ