師と、死と、しとしと
死んでしまうなんて思わなかった。
先生とは離ればなれになった。
「先生、いい人だったね」
「うん。みんなのことを大切にしてくれたしね」
仲間と共に、二度と逢うことの出来ない師を想う。
街には悲しみの雨がしとしとと降る。
先生は厳しく叱ってくれた。
先生は優しく褒めてくれた。
先生は私たちに幸せをくれた。
雨は緩やかに止めどなく落ちる。
透き通った雫は街を優しくえぐる。
先生に好きと伝えておけばよかった。
先生のことはずっと忘れない。
光無き空に悲しみが溶けてゆく。
天国にいる私たちの涙が街を濡らし続ける。