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アリス達も程なくして入浴を済ませた。ロザリーとベルの恋愛話はそれなりに盛り上がったものの、施設内の部屋で話すには夜が遅くなってしまうこともあり屋敷へと帰ることにした。ただ、別邸だったフローラについては騎士ではあったものの身の安全を考慮してアリスの屋敷で泊めることにし、屋敷の者にオルランドにあるランドック家の屋敷に連絡させた。


そして、翌朝。


フローラと一緒に食事を取り、それとなくロザリーとレオンの縁談をお願いして快諾を得ていると同じくランドック家のルイスとなぜかエリックが一緒にやってきた。


「おはようございます。アリスさん」

「あら、エリック。おはよう。二人は仲が良かったのね」


この後、エリックが説明してくれたが、バラ騎士団はそもそも王家直属部隊でその管理をエリックがになっているらしい。なお、バラ騎士団の仕事は主に要人警護を任務としているとのことだったがロザリーの巡礼を終えた後も騎士団は継続している。理由は単純に規模が小さいことが理由だろうがそれでも要人警護の任務であれば待機ではなくもっと他に任務が沢山あるのではと思った。ただ、それではクリスと会う機会が減ってしまうので言わないことにする。


「そうだったの、じゃあルイス様はエリックの指揮下ということなのね」

「まあ、そういうこと」


エリックは説明を終えてニッコリと微笑む。ただ、この日常的会話に驚いている人が2名ほどいた。フローラとルイスである。


「あ、アリス様……エリック様にその呼び方は」

「え?ああ、これは当人にそう呼ぶように言われているのよ」

「え?そ、そうなんですか」


フローラは戸惑いながらもアリスとエリックを交互に見る。そして何を思ったのか一度頷く。


「そうだったのですね!」

「それは間違っていると思うわ!」


フローラの考えに察したアリスがすかさずツッコミを入れる。否定されたフローラは不思議そうに再びアリスとエリックを見てももう一度頷く。


「そういうことにしておきますね」

「それも間違っている気しかしない!」


アリスは再び抗議する。わかりましたと笑顔でいうフローラにアリスは何度も否定するが、エリックが何も言わない以上アリスが弁明しても無意味だった。そのことに抗議の目をエリックに向けるとエリックは話に入ってきた。


「そういえば、クリスが告白されていたよ」

「えっ?」


アリスは思わず手を口に当てて驚きの声をあげる。


クリスが告白された。いったい誰に?カルヴァン?


先ほどまでの話などどうでもよかったが相手はエリック続きを聞こうか躊躇っていると、それを見透かしたかのようにエリックはニヤリと笑うと続きを話し出した。


「告白したのはユリック、カルヴァン、ルイスだよ」

「三人!?どういうこと……てかユリックて誰?私の知っている人?結果は!!」


予想を遥かに超えるエリックの回答に仰天したアリスは立ち上がってエリックの目の前に移動しながら食い入るように見てエリックに問い詰める。


「ま、まあ落ち着けよ。な?」

「いいから早く結果を言いなさい!」


そのアリスの行動にさすがのエリックも驚いたのか両手をあげて半歩下がる。

しかし、アリスの動きは止まらず今にも胸倉を掴みかねないくらい近い距離まで顔を近づけて目を見る。心なしかエリックの顔に冷や汗が見られた。


「わ、わかった。全員振られたよ!」

「本当に!?」

「ほ、ほんとだって。なあ、ルイス」


エリックはルイスに目をやるとアリスも続いてルイスの方を睨む。アリスの目に狼狽えながらもルイスは答える


「ほ、本当です」


その回答を聞き、ほっとしたアリスは我に返る。そして、周囲を見回してみると場は完全に沈黙していた。

なお、フローラはアリスの行動に特に驚くこともなく何だか残念そうではあったが。


「で、でもどうしてクリスは付き合わなかったのかしら」


ユリック、ルイスはよく知らなかったもののカルヴァンに関しては前回の話もあり、身分差もないので付き合っても問題ないだろう。

「ああ、それはたしか……ごめんなさい!私好きな人がいるの!……とか言っていたかな」 

「エリック……モノマネ下手ね」

「いや、アリスさんが理由を聞いてきたんでしょ」

「私はモノマネまではお願いしていないわよ」


とはいえエリックからは聞きたいことは聞いた。

ルイスはフローラを迎えに、エリックはアリスに挨拶しに来ただけらしい。それだけ伝えると二人はフローラを連れて帰っていった。そして、三人を見送ったアリスは会長室に行き、仕事をしながら考え事をしていた。


いったいクリスが好きな人って誰なの。聞いたら教えてくれるかしら。


何となくだった、アリスはベルにお願いをしてクリスを呼んでもらうことにする。

規模が大きくなるにつれて、アリスも仕事に追われる日々が増えていっている。そのため、クリスとこうして話すチャンスがあればアリスは極力時間を割くようにしていた。

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