表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/104

94

4-2 みんなで入浴


(クリスの帰路報告)

3-8 黒の道

3-9 うまくいかない現実

3-10 帰れる場所

こうして、クリスは渋々ながらも帰路について話しはじめた。



巡礼としてロザリーを護衛しながらバラ騎士団団長として大聖堂のあるアストゥリアス国に巡礼に向かったクリス。行き先のランドック領での成り行きでレオン、ルイス、フローラが仲間が加わり、何事もなく大聖堂に到着した。そして、その大聖堂でアイリスが仲間に加わった。さらに、おまけであったアストゥリアス国でローズ商会の商談も無事に終え、順調に帰路についていたときだった。

ローラン王国まであと少しというところで、クリス達は何者かに襲撃された後の現場に出くわした。そして、安全のために一旦現場に近い町まで一度戻りつつ、カルヴァンにはガイア帝国に報告させに行ったらしい。程なくして、ガイア帝国の調査隊がやって来て案内のためにクリスとカルヴァンはそのガイア帝国の兵と共に一緒に現場へと向かったそうだ。

そして、現場の調査中に突然現れたのが魔物の集団。一行はやむを得ず、撤退を試みるも調査兵の隊長、副隊長意外は徒歩だったこともあり、足の速い魔物に次々と襲われていく。ただ、必死に逃げたこともありようやく集団から逃れたときに生き残っていたのはクリス、カルヴァンと隊長、副隊長のみだったらしい。だが、話しはそこで終わらず、部下を襲った魔物に隊長が怒り、単身で集団へと突っ込みだした。その行動にクリス達が慌てて隊長を助けるために追いかけるが、奮戦していた隊長も馬の足をやられてしまった。隊長は落馬をして魔物の集団の襲われてしまいクリス達が辿り着いたころにはもう手遅れだった。怒りを覚えたクリスは魔法を放ち、辺り一面を焼き尽くす勢いで魔物を次々と殺していったが最後に魔物のボスらしき相手は魔法を掻い潜りクリスに襲ってきたそうだ。そこへカルヴァンが身を挺してクリスを助けてくれ、カルヴァンは負傷。魔法を使いすぎたクリスも力尽きてその場に倒れてしまったらしい。そこへ、心配をして見に来たフローラ達によって助けてもらったものの、カルヴァンは負傷してしまったためクリスとアイリスが残ってカルヴァンを看病をすることになった。

クリスは悔しがるカルヴァンに殺すことに慣れて欲しくないことや命を大切にして欲しいと伝えたうえで、あまり身体を動かせないカルヴァンに対して身体を拭いたり食事を持ってきたり、退屈しのぎに会話したりした。そして順調にカルヴァンは回復して何事も無く無事に帰還したらしい。



……え?それだけ!?どきどきとかはなかったの?


当初、戦闘の話やクリスがカルヴァンとの命を大切にしようという話や身体を拭く話までは何やら盛り上がっていた。クリスも早く話しを終わらせたいためポイントだけを話していたのがたまたま彼女たちが興味を持つだろうポイントばかりだったのだ。だが、その後から何事もなく帰路を続けて無事にオルランドへと帰ってきた話になるについて徐々に盛り上がりは失せ、場の空気は沈黙へと変わって言った。途中、ロザリーが複雑そうな表情をしたりしていたため、クリスが若干の脚色をしているようだけどそれでも何もなかったことにはわかりなさそうであった。

こうしてクリスが話終えた後の反応はフローラを除いてかなり不評だった。


「せっかく場を作ってもらえたのに……」とアリス。

「やっぱり……」とメアリ。

「カルヴァンのへたれ!」とベル。

「これはもしかしたら?」とフローラ。

「落ちはつけなさいよ」とアイリス。

「アイリスさん!?これはどういうことですか」とロザリー。


反応はばらばらだったものの総じてカルヴァンの恋愛に対する奥手ぶりを批判するものだった。もっとも、エリックが身近にいるアリスからしてみればそれだけ奥手なカルヴァンがむしろ異常に見えるという感覚が麻痺している部分はあったかもしれないが、他のメンバーの批判から察するにカルヴァンが奥手であること事実のようだった。

ただ、今の話はそこで終わらなかった。二人をくっつけるつもりだったと思われるロザリーがアイリスに不満をぶつけた。


「アイリスさんにあれほど頼んだじゃないですか!」

「え?だって気配すらないんだよ」

「それだって方法が」

「いやだって、なら何でカルヴァンは」

「ま、まあまあ」


アイリスとロザリーとのやりとりに仲裁しようと入ったクリス。

しかし、それがいけなかった。アイリスとロザリーがクリスを見ると


「「全部クリスが悪い!」」

「え?ええー!!」


予想通り仲裁したクリスに集中砲火が向かっていった。

困ったのだろう。クリスはアリスに助けを求めてきたのでニコリと微笑んでアリスは話しに割り込むことにした。


「そういえば、ロザリーはどうなの?」

「え?わ、私ですか。でも私は貴族になりましたし自由には……」

「そうは言っても気になる人くらいはいるんでしょ?」


こういうときは話題の内容は変えずに方向を反らすのが一番なのだ。

大方予想通りアリスの問いに対してロザリーは黙り込む。

そして、その様子を見て話しに割り込んできたのは意外にもフローラだった。


「ああ、そういえば兄様と仲良かったですよね」


その言葉で全員の目がロザリーへと向いた。


「えーと、たしかクリス様と別れたの帰路からだったかしら」


悪い顔をしてニヤけながら言うフローラに慌てるロザリーはあからさまに何かある様子だった。


「わ、私はレオン様が……あ」

「そうだったのですか!」

「そうだったのね」

「どうぞどうぞ」


驚きの声をあげるアリスとメアリ。他のメンバーは呆然としていた。もっともフローラだけは薄々気付いていたらしく反応だけ違ったが。

こうして話はロザリーの方向へと向かいキャーキャー言い合って話し合う。フローラの様子を察するにもしかしたら政略結婚を関係なしに恋愛が成立するかもしれないのだ。いい話でしかなかった。

そして、いつ頃そうなったのかや気持ちは伝えたのかなどを聞こうとしていると、


「ば、ばっかじゃないの!気にしていないから」


アイリスが突然叫び出した。何事かとアイリスの方を見て見ると、悔しそうな目でこちらを見ており、目があったかと思うとクリスの後ろに身を隠すようにした。何かあったのだろうかと心配したアリスがアイリスに問いかける


「どうかしたの?」

「な、なんでもないわ」


この状況から察するにクリスが何か言ったらしい。クリスの方へ目をやるとすかさずクリスは目をそらし立ち上がった。


「「の、のぼせそうだから」」


呆然とするアリスを置いて、そう言うとクリスとアイリスは一足先に入浴場を後にしていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ