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それから数日後、ベルが突然会長室に入ってきた。


「クリス様が帰ってきました」


クリスの身をあんじていたアリスが慌ててベルト外に出てみると既にロザリーと巡礼メンバーのメアリ、レオン、ルイス、フローラ達がいた。

おそらくこちらのメンバーはカルヴァンとクリスの恋の行方を期待して集まっているのだろう。

そしてクリス馬から降りてこちらへと向かってきた。目には心なしか感動と思われる涙が見えた気がした。

そして、歩きながら一歩一歩アリスへと近づき、跪く。


「バラ騎士団団長クリスティーヌ・ローランただ今帰りました」

「お帰りなさい。クリス」


お互いに礼をすると笑顔で見つめあい抱きしめあった。


「ロザリー達だけが帰ってきたときは心配したのよ」

「すいません。でもアリスが必要としてくれる限り、私はそう簡単に死んだりしませんよ」


そういうとクリスはニコニコと笑顔をむけてくれた。

その笑顔はどこかこれまでと違いがありながらも既視感のある表情だった。

その様子を確認したアリスは違いを感じつつもどう表現していいかわからずながらクリスをまじまじと見る。


「どうかしましたか?」

「いえ、なんだかクリスの雰囲気がかわったような」


少し首を傾げながらアリスがそう言うとクリスはニコニコしながらこう言った。


「はい、記憶が戻ったんです。だからまた以前のようにアリスさんをお守りさせてください」

「そう、よかった。本当によかった」


記憶が戻った。かれこれ数年に渡り記憶喪失だったものが戻った。過去に焦る姿や涙ぐむ姿を思い出しアリスは思わず涙ぐむ。

そして改めて抱きしめあった。




あれからクリスに対して何もなかったのかと聞こうと思っていたものの、結局良いタイミングが見つからず、聞けずじまいとなった。というのもその件よりも重要なことがあったからだ。

そう、ロザリーから聞いていた巡礼の旅で加わった仲間、アイリスについてだった。クリスの紹介により軽く挨拶はしたものの、女神様相手に何を話していいのかわらかなかった。


「どうしたものかしら……」


アリスが会長室で悩んでいると突然ドアをノックする音が聞こえた。

ベルだと思い、アリスはいつもの調子で了承すると入ってきたのはアイリスだった。


「あ、アイリス様」


アリスは予期やめてほしいかなスは手でアリスを制止させるとずかずかと入ってきて近くにあった椅子に座った。


「アリスさん、様付けてなんかよそよそしくない」

「じゃあ、何とお呼びすれば」


なんと言ったってロザリーから聞いた話に嘘がなければアイリスは女神様。敬称なしに呼んでと言われてもどう呼んでいいのかわからなかった。


「うーん、見た目は私の方が年下に見えるようだし、アイリスでどうかな」

「あ、アイリス」

「なに?」


何と返されても特に聞きたいことはなかった。いや、聞きたいことは沢山あったもののどこまで聞いていいのかわからなかった。


「何でも聞いていいよ。私の知っている範囲だったら」


何でも聞いていいらしい……ね、年齢とかはどうだろうかとアリスは首を傾げながら考える。


「年齢は降臨したばかりだから0歳だけど、見た目で言えば12歳だよ、実年齢は……ご想像にお任せします」


アイリスはアリスにすんなりと年齢を教えてくれた。


あとは、気になるのはクリスとの出会いというか召還された経緯だけど。これは聞いていいのだろうか。


「クリスに召還された経緯は言えないけど目的は観光が目的かな。だからしばらくの間お世話になるかもしれないけどよろしくね」

「え、ええよろしく」


あ、あれ?会話していたっけ?


アリスは首を傾げたがアイリスとの会話は成立していた……気がする。

そして、アイリスの観光という言葉でふとアイスは思いついた。


「アイリス、よかったら来週とか一緒にオルランドを観光してみない」

「え、いいの」

「ええ、かまわないわ。なんだったらクリスも誘ってもいいわよ」

「ありがとう。じゃあ早速誘ってみるよ」


そう言うとアイリスは会長室を後にして行った。

これまで、アリスの周囲には畏まる人ばかりになってきていただけに、無邪気に振舞うアイリスが新鮮だった。


「女神様と……仲良くなれるかしら」


期待と不安を抱きながらアリスは仕事に戻ることにした。

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