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そんなことがあってから少しクリスがアリスを避けるているような感じを抱いていたとき会長室のドアをノックする音が聞こえた。


コンコン


「アリスさん、只今よろしいでしょうか」

「クリスね。大丈夫よ」

「失礼します」


クリスが会長室へ入室してきた。

少し気まずい状況を挽回するチャンスにアリスは笑顔でクリスで迎え、クリスも笑顔で返してくれた。


「アリスさんは、本日エリック様より聞いたのですがロザリー様がアストゥリアス大聖堂へ巡礼に行かれる件を聞きましたか」

「え?知らないわ」


入室早々クリスの発言にアリスは固まる。

その様子を察してかクリスは事情を説明し始めた。


ローラン王国では毎年、外交の一環として聖地のあるアストゥリアス国まで巡礼の派遣をしているらしい。ただ、表向きは任命されれば名誉なこととされているが、貴族たちは皆嫌がって押し付けあっているのが現状で、そこへ子爵になったばかりで貴族に後援の無いロザリー子爵に白羽の矢が当たったということだった。

そして、クリスはそのロザリーの護衛に白羽の矢が一緒に当たったということらしい。

ご丁寧に騎士団団長の職まで用意されていることから事前に決まっていたこと考えることが妥当だろう。


その話の途中、クリスは歯切れが悪く、他にも何か隠しているような気がしたけど、アリスはそれ以上聞かなかった。それよりもロザリーが何も相談してくれなかったことの方がショックだった。


「そうだったの……」

「はい、なので私にロザリー様の護衛の許可をいただきたくお願いに参りました」


クリスが来た理由はどうやらその許可を得ることが来訪の理由だったらしい。

仲直りの話を期待していたアリスは少しがっかりしたものの、ロザリーの件ということもありすぐに気を取り直した。

そして、その話を聞いたときからアリスの意見は決まっていた。


「わかったわ。許可します」


そう言って、アリスは笑顔を見せたものの、そこである疑問を覚えクリスに聞いてみる。


「ところで騎士団の団員は決まっているの?」

「いえ、まだ決めてはいませんがカルヴァンを誘おうかと思っています」


なんとなく聞いてみたものの、どうやら副団長にはカルヴァンを置くつもりらしい。

自分でないことが少し残念だったものの、従者の下に主人をクリスが置くとも思えず。妥当な判断だった。

そこでアリスは思い切った提案をしてみることにした。


「そう、ならその団員に私を加えて貰えないかしら」

「アリスさんを、ですか?」


クリスは驚いた表情をした。

そりゃそうだろう。特に理由もなく女性の商人を団員にする騎士団とか聞いたことがない。

ましてやアリスはクリスの主人。主人が従者の下につくとか前代未聞だろう。


「どうして」

「どうしてって楽しそうだからよ。護衛に参加できなくてもいいわ。でも後援として参加するには問題ないでしょ。それに団員になっておけばいざという時に助ける大義名分となるわ」


アリスの目的は最初から決まっていた。そのまま騎士団団長となってクリスが功績を上げてしまえばローラン王国の臣下になってしまうのではないかと思ったのだ。過去に覚えもある。カルロスのロジャース商会の件だった。

あのときのカルロスで働くことになったクリスの状況と似ていたのでアリスは保険をかけたのだ。

一方、クリスは少し悩んだ表情を見せ、ようやく覚悟を決めたらしい。


「わかりました」


そういうとニコリと笑顔を見せた。


「ありがとう。団長さん」


アリスもニッコリと笑顔を返した。


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