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69 私は責任を取るけど任せるしかない

2-8 守るべき理由

眩しい光と喪失感でアリスは目を覚ました。

眠る前に握っていたクリスの手は既になく。

なんとなく寂しさを感じながら目を擦って前を見るとクリスが何やら窓辺のテーブルで物思いにふけていた。


まだ、昨日のことを考えているのかしら。


クリスがため息をする姿を見て少し不安にになったが、表情は昨日よりは少しだけ元気になったように見えてアリスは安心する。

その様子に気付いたのかもしれない。クリスをじっと見ていたらクリスも不意にアリスを見てきて目が合う。


「おはよう。クリス」

「おはようございます。アリスさん」


クリスとアリスはお互いに挨拶をすると微笑んだ。

アリスは少し気恥ずかしくなり起き上がると自室へと戻った。そして準備を済ますと各自出発の準備をし、アリスはクリスと一緒に馬車のあるところへ向かった、

すると既に待機していたカルヴァンが二人を見るなり駆けつけて頭を下げた。


「申し訳ありませんでした!」


突然謝られて驚くアリスとクリス。


「どうして謝っているの?」


クリスが不思議に思い、首を傾げながら問いかけた。


「昨日私はお二方の護衛でありながらまったく守ることができませんでした。しかもすべてクリスさんに背負わせる形になってしまったのに声もかけられず、本当にすいませんでした。」


カルヴァンもずっと気にしていたらしい。昨日、二人を守れていなかったこと。クリスが何もしなければおそらく死んでいたこと。

自身の不甲斐なさを悔やんでいたようだった。


その様子を見て、アリスはクリスをちらりと見た。正直アリスはクリスに手一杯でカルヴァンにまで気づかいが回っていなかった。

そのためどう反応していいかわからず困っていたのだ。クリスはその様子を察したらしい。カルヴァンに微笑みながら行った。


「カルヴァン、気にしなくてもいいのよ」

「でも」


カルヴァンは納得していないようだった。

確かにアリスもカルヴァンと同じ立場なら同じことを思ったかもしれない。

そう思いながらアリスはクリスがどう返すのか様子をみた。


「カルヴァン。思い上がらないで頂戴。アリスさんは私も守っているの。あなたも昨日の出来事を覚えているのでしょ。だったら私の強さはもう知ることができたよね。私は強いの。それにいつまでも男がうじうじしていてはみっともないよ。だからあなたは私よりもっと強くなれるようにこれからも努力しなさい」

「……わかりました」


カルヴァンは納得していないようではあったものの未熟である自覚はあったのだろう。

クリスにそれ以上言い返したりせず。素直にさがった。


こうして一行はプロヴァンへの旅を再会した。

そしてアリスはクリスに語りかけるようにプロヴァンについて話続けた。

別にクリスから質問があったという事もなかったが、今朝のクリスのため息が気になり、話し続けていなければ昨日のクリスに戻ってしまうのではと不安だったのだ。


アリスはプロヴァン地域についていろいろと語り続け、クリスは大人しく聞いていてくれた。。

プロヴァン伯は辺境伯となっているため、侯爵と大差がないこと。

プロヴァンはアリスも小さいときにロジャース商会の商談の関係で一度行ったことがあること。

南に海があり、領主が住む土地もその海を経由してガイア帝国との交易を行っているマーセルという港町に住んでいるということ。

港町は人が多く、特に船乗りは気性が荒い人が多いこと。

東には陸続きでガイア帝国と面しており、国境警備では国王軍の駐屯地があること。

マーセルは塩害を防ぐため、レンガがメインで使われた家となっていること。

プロヴァンのマーセルでは石鹸が特産品のひとつになっていること。


もしかしたらクリスが知らなかったこともあったかもしれない。

時折りアリスの思い出話などを聞いて、クリスが質問をしてきたりと会話は弾んでいき、一行は順調にプロヴァン地域へ入るとほどなくしてマーセルへと到着した。

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