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1-6 反省会

あれからアリスは石鹸について調べ、一部では不快な匂いのしない石鹸があることがわかった。

ローラン王国南方にある原料はピーナッツ油とパーム油を使った石鹸だった。


この日、アリスはクリスと話していた。内容は石鹸の品種改良についてだった


「この石鹸をそのまま使うのは盗んだみたいだし。何かアレンジできないかしら」

「でしたらピーナッツ油をオリーブ油にしてみてはどうでしょうか」

「あら、どうして」

「うーん、女の勘でしょうか」


クリスが女の勘という言葉を使ったときは大体根拠があるときだ。

かれこれ一年近くの付き合いになってくるとクリスの話し方もだいぶ理解してきた。

クリスは絶対に自らの考えを強要したりしない。あくまで提案として出して、受け入れられれば良し、受け入れられなくても良しとしている。

それは主人の力量を測っているのかもしれないが、アリスにとっては自身も良いと思ったものだけを取り入れればよいのだからそれはそれでよかった。

アリスはクリスの目を見た。クリスは相変わらずニコニコしている。


「女の勘ね」

「ええ、女の勘です」

「わかったわ。対案もないしそれで試してみましょう。でも原材料の調達に問題があるわ。」

「それなら、ローラン王国南方のプロヴァン地域や同じく南方のガイア帝国から入荷できないでしょうか」

「わかったわ。試してみましょう」


こうして試行錯誤のうえ、ようやく石鹸が完成した。

そしてその頃にはアリスは誕生日を向かえ歳は14歳となっていた。




ロジャース邸のアリス自室


「第8案の7回目の会議を行うわよ」

「はい」


既に7回もクリスと話を重ね、事業内容の大筋は決まりつつあった。

アリスも事業の成功に自信を持ちつつあり、クリス同じ事を考えているようだった。


「交易のルートはローラン王国とカイロスを往復するルートでいいわね」

「はい。少し迂回ルートとなりますが、最短ルートではなく少し南から経由するルートを通ることで領主間の関税も抑えられそうです。また、王都までの距離もそれほど離れておりませんので良いかと思います」

「取り扱い商品としては。香りのある石鹸にしましょう。価格帯から考えると対象は主に貴族ね」

「はい。幸い水も軟水なおかげで各国とも体を水で洗う文化があるようですし」

「軟水?まあいいわ。それで香りはジャスミンとローズでいいかしら」


軟水についてアリスは気になったが、話の本筋から離れてしまいそうだったので無視して継続することにした。


「はい。どちらも貴族に縁があるものですし、薔薇は貴族が育てているものを買い取って販売すれば、多少値が張ったとしても高品質で作れますのでよい取引先になるかと思います。」

「なるほど、買い取った物に価値を乗せて買った相手に売っちゃうわけね」

「はい。また、花は季節がございますが、石鹸は保存が利きますので部屋に置いてすきなときに香りを楽しめることもふれておけば関心をもっていただけるかと」

「面白いわ。そうしましょ。それじゃあ、ただの四角い石鹸だけじゃなく花の形に加工したりすると面白いかもしれないわね」

「ご名案かと思います。」

「よし、ようやく商品は決定ね。それじゃ、見積りをとりましょ。往復分の運搬費、加工費、流通価格を調べるわよ」

「はい。かしこまりました。それらに関してですが、アリスさんのお父様から帳簿をお借りしたいのですがよろしいでしょうか」


アリスはクリスの意図していることがわからず首を傾げたが、少し考えてみると過去の話から思い当たることがあった。


「なるほどね。そこからコストの想定を行うのね。頼んでみるわ」

「よろしくお願いします」

「あとは事業展開時の商会名ね」

「ロジャース商会を使われないのですか」

「それも考えたんだけど、それじゃ一事業として終わるか成功しても取り込まれてしまうのが落ちだわ」


アリスの目的は大陸一の大商会を目指すこと。この事業成功で独立できなのであれば、次の案は何年後かわからない。

すべての物事はタイミングが大事だとアリスは考えている。

クリスも少し悩んでいたが、すぐに大丈夫だとおっ持ったのか表情を和らげ納得しているようだった。


「そうかもしれませんね。それでは何がよろしいでしょうか」

「既に決めているわ」


アリスはクリスを見て自信ありげに言葉を溜める。


そう、商会の名前は三日三晩悩みに悩んで考えた。

自分の名前を使った商会でもよかったけど、ロジャース商会は既に使われている。アリス商会でもよかったけど、1代で終焉してしまいそうでなんだか嫌だった。

それなら看板商品を使おうと思ったがソープ商会では石鹸しか売っていないので大きくなるイメージができない。

悩みに悩んで考えた結果付けた名前。


「ローズ商会よ」


アリスの言葉を聞いて、クリスが驚いた表情をしたが、すぐに納得したようだった。


「なるほど、商品の重ねたのですね」

「それもあるけど、薔薇は美と愛の象徴なの。石鹸の目的が清らかで美しい女性というコンセプトなのだからちょうどいいと思わない」


女性が憧れる美と男性が好むらしい清らかな女性。その両方をかけ備えた名前を付けることにした。


「なるほど、すばらしいと思います」

「よかったわ。じゃあそれでいきましょ。これから忙しくなるわよ」

「はい、頑張ります」


こうしてアリスとクリスは計画を実行する準備へとりかかることにした。


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