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1-5 お出かけ

アリス達はお店も一通り見たことで、初めて歩いて見回ってみた繁華街にだいぶ慣れてきていた。

そして、もう少しいろんな町並みを見てみようと探索をしていると、アリスは露店のない静かな道を見つけた。


「あら、何かしら」


アリスは首をかしげて静かな道を見てみる。

クリスもアリスが静かな道に興味を持ったことに気づいたみたいだった。


「あら、ここには何もないのね」

「本当ですね。なぜでしょうか」


どうやらクリスも不思議に思っているようだった。


「繁華街からそれほど離れていないようだし不思議ね。ちょっと行ってみましょうか」

「え?アリスさんやめましょうよ」

「何言っているのクリス。護衛もいるんだから大丈夫よ」

「フラグじゃないよね・・・あれ?フラグって何の意味だったっけ」

「フラグ?フラッグ、旗のこと?」


クリスはたまに知らない言葉を使うことがあった。

この先に旗もであるのだろうかとアリスは想像してみる。


いったいどんな旗が?とても気になるわ。

護衛を連れているんだし少しくらい大丈夫よね。


アリスは道を見ながら首をかしげ、その先にあるものを考えてみるがまったく想像つかない。

そうなるとアリスは余計にその先を知りたくなり静かな道を進むことにした。

その様子を見てクリスも浮かない表情をしながらもついて来た。

もしかしたらクリスはこの先のものよりもフラグと言う言葉の意味を思い出そうとして悩んでいるのかもしれない。どちらにせよこの先に進まなければフラグの意味は知ることができそうになかった。


アリス達が少し奥まで歩いてみると、そこは若干薄暗があり職人用の店がたくさん並んでいた。

しかし、今日は休日なためかどこも閉まっており、人の姿がまったくなかった。


「どうやらこの辺は工房が中心みたいね」

「そのようですね。これはこれで面白いですが営業しているところも無さそうですし、そろそろ引き返しませんか?」

「それもそうね」


クリスが言っていたと思われる旗工房はあったものの、旗も見当たらなければなければフラグと言うものも残念ながらわかりそうになかった。

少し期待していたためアリスはがっかりしたが周囲を見回しても特に楽しめそうなものもなかったため、諦めて来た道を引き返すことにした。


「残念ね」


アリスはそう呟き来た道を戻っていると、目の前に男性達がやってきた。


嫌な予感がする。


そう思ったがせっかくの外出で面倒なことには関わりたくない。

アリス達は関わらないように無視して進んでいこうとしたが、目の前に5人ほどのがたいが良くいかにも悪そうな男たちがニヤニヤし、道を塞いできた。

どうやら平穏には来た道を戻らさせてくれないらしい。


「や、やっぱりフラグたってたじゃないですか!」

「あら、フラグってそういう意味なのね」


その状況にクリスが思い出したかのように突然叫んだ。

その言葉を聞いてアリスはようやく意味を理解する。


どうやらフラグの意味は嫌な予感ということらしい。


クリスの言おうとしていたことの意味を知り、アリスの目的を達成できたことを喜んだ。


「はっ!なるほど・・・じゃなくてそんな悠長な会話している余裕ないですよ!」

「それもそうね。でも護衛もいるし」


クリスに言われてアリスも我に返る。

そしてアリスは護衛をちらりと見てから目の前の男達を見た。


「お嬢ちゃん達見かけない顔だね。どこへ行くのかな」


道を塞ぐ男のリーダーらしき人が話しかけてきた。

先ほどはクリスの言っていたフラグの言葉に気をとられていたが、改めて状況を理解するとアリスは男達が不快にしか感じなかった。


「繁華街に戻るところよ」

「よかったら俺達と遊ばない」

「けっこうよ!」


うわっ、今どきそんな誘い方はないわよ。


アリスはドン引きし、アリスは嫌悪感をあらわにして男達を睨みつける。

男達はアリスの様子を気にするどころか笑いながら近づいてくる。

すると危険を察したのかアリスの護衛2人が前に立った。

そして、護衛と道を塞ぐ男達の殴り合いが始まった。


バキッ!「ぐあっ!」


ドゴッ!「ぐへっ!」


・・・・かと思えばすぐに決着がついた。

アリスの目の前で護衛2人が気絶している。


よ、よわっ!


一歩間違えばいつでもアリス達は連れ去られる状況だと今さら知り、気分が悪くなるのを感じた。


ああ、こんな弱いのを護衛に連れていたなんて。


そう思うと自分の失態に怒りに身体が震えていた。

そしてクリスを危険に晒している状況に気づき、アリスは顔が青くなるのを感じた。


私がクリスを守らなくちゃ!


そう気づき、クリスを庇おうとしたそのとき、クリスがさっとナイフの鞘を抜いて構え、ナイフと反対の手でアリスを庇ってくれた。

そのとき、フードが外れ、クリスの美しい黒髪と顔が現れる。


ひらりと舞う黒髪と微かに見える横顔が凛々しく見え、不覚にもアリスは年下の女の子であるクリスが格好いいと思ってしまった。

目の前の変な男達から必死に守ろうとしてくれる。そしてクリスは容姿端麗。クリスが男であれば完璧なこのシチュエーションで何も感じない人がいるとすればそれは男くらいなんじゃないだろうかと思ってしまうくらい見とれてしまった。

その状況にアリスは急に胸がドキドキし、なぜか恥ずかしくなってしまいクリスの顔を見ることができなくなる。


「ははは。なんだ小娘かよ。今度はお嬢ちゃんが相手かな。」

「・・・」


男の声が聞こえたがクリスは何も応えずじわりじわりと下がりつつアリスを庇い続けてくれている。

守ろうとしくれている。その気持ちが嬉しくて、でもなんだか恥ずかしくて。

予想外の出来事にアリスはうろたえた。


そ、そうよ。クリスは女の子なのよ。なんで私はこんなにドキドキしているの。

それにクリスは私の従者だし、仕事ではライバルなのよ。仕事で勝てた記憶ないけど・・・

じゃなかった、今はそんなこと考えている状況じゃないのよ!


アリスは必死に気持ちを落ち着けようとする。

初めて感じる感情に混乱してしまい、気がつけば思わず顔を伏せながらクリスの服に必死にしがみついていた。

そして、そうこうしていると何やら声が聞こえてきた。


「んっ?」


声の元を確認するためにアリスは顔を上げてみるとクリスがなにやら呟いている。

何を言っているのだろう。アリスがチラッとクリスの様子を見てみたそのとき。


「「「うわっ!熱っ!」」」

「「何じゃこりゃ!」」


男達は突然現れた火柱に慌て、怯んで後ずさったり、体制を崩して転んでいた。


「え?」


アリスは驚きの声をあげる。


いったい何が?


おそらくやったのはクリスだろう。それはアリスにもわかった。

でもいきなり火柱を出すなんて魔法でも使えない限り無理なはずだ。

しかもこの世界に神話以外で魔法があるなんて聞いたことがない。

アリスは驚いて呆然としていた。


「逃げるよ!早く!」

「え?あ、うん!」


クリスの叫ぶ声にアリスは我に返り、クリスに手をひかれながら一緒に走り出す。


「あ、こら!まてやこのやろう!」

「舐めやがって、痛めつけてやる!」

「絶対後悔させてやる!」


男達が叫ぶ声が聞こえた。

アリスが振り返ってみると火柱は依然として勢いよく燃え盛っており、男達は立ち往生しているようだ。


あの火柱はクリスがやったのだろうか。だとしたらどうやって。


「いったい何があったの?」


小さな声で呟きながらアリスは走った。クリスに手を引かれながら。

ちらりと見たクリスの姿が何だかとても勇敢で格好よく見えた。


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