俺はなる!
まだ、リア充に復讐とかそんな風にはなりません。後2,3話ほど待っていただけたらと思います。
「あああああああああああああああああ!」
俺は大声と共に目が覚めた。まったくクマに襲われるという嫌な夢を見てしまった。
今日はついていないのかな、昼からバイトがあるってのに嫌だな~。
「そんな心配しなくてもいいですよ。」
いきなり後ろからイケメン声がした。瞬間にコイツをどうやって殺るか考えて。もう少し近づいたら、いきなり振り返って驚いてる間に顔面アソパソマソにする作戦を考え付き実行に移そうとする。
「いや、そんなこと考えられたら近づけないじゃないですか。それに私イケメンじゃありませんよ?」
ッチ、考えはばれていたか。さすがはイケメン人の考えを読むなんて朝飯前ってか。そういえば朝飯まだ食ってないな。ん~コンビニで済ませるか。
「あの、私のこと忘れていませんか。」
また人の考えを読みやがって、人権侵害で訴えるぞ!
「人権侵害じゃないですよ。それよりも早く起き上がってくれませんか、魔王様。」
うるさいイケメン!
ん?魔王様?どういうことだ?俺はやっとベッドから起き上がりイケメンの方を向いた。何がイケメンじゃないだよ、イケメンじゃねーか。
「やっとこっちを向いてくれましたか。自己紹介をさせていただきます。私の名前はセシル・ヨーハンでございます。私の役目は魔王様の補佐でございます。これからよろしくお願いいたします魔王様。」
考えを読めるのに俺の魔王って何?という質問には答えてくれないのか、このイケメンは。
まずは状況を整理しよう。クマに襲われる夢を見る、起きる、ベッドで考え事をしていたら、イケメンが来る、イケメンが俺に向かって魔王様と呼んでくる←今ココ
つーか、今ベッドにいるけど俺の部屋ベッドじゃなくて布団じゃねーか。ここどこだ?
「状況整理が済んだようですね魔王様。落ち着いたようですので説明させていただきます。ここは魔王様が元いた世界とは違う世界、つまり異世界ですね。魔王様が元いた世界で死んでしまったのを私たち魔族があがめる神、魔神シュルイトフによってこの世界アーザキザスに魔王として蘇ったということです。先に言っておきますが、魔王という存在はこの世界にあなた様以外にも存在します。そして魔王は弱肉強食の世界です。あがめる神は一緒でも魔王たちは互いの領土を守ったり、侵略したりします。まあ人間と大して変わりませんねそこは、その人間とも対立していますがそれは置いておきましょう。」
ふむ、俺はまあそれなりの数がいる魔王の一人だというわけか。ならこのイケメンはなんだ?俺が蘇ってすぐそばにいたこいつは何者だ?やはりイケメンは侮れないな。
「いつになったら口話してくれるんですかね、思考を読むのだってそれなりに魔力を使うのですが。あと、私は魔神シュルイトフにあなたの身の回りのお世話を使命として作られた存在です。私はイケメンじゃなくてセシルとお呼びください。」
おお!いいことを聞いたぞ!このまま俺の考えを読む会話をしていたら、こいつは魔力がなくなって困るのか!よし、このまま行こうか。
「いや、やめて下さいよ魔王様。魔王様にはとりあえず自分の力をしっかり扱えるようになってもらわないといけないんですから。その後に各魔王達の勢力争いに参加してもらわなきゃいけないんですから。」
ふむ、しょうがないな。イケメンを従えるって案外悪くないかもな。
「俺って何?魔王だからやっぱりスゲー魔力とかあったりするのか?チート?転生したから顔も変わってるからイケメンなのか?」
これは、俺は異世界で遂に、遂にリア充になれるんだああああああああああああ!
「いや顔変わってないらしいですよ、ほとんど。多少魔族の特徴とか入れてるから変わりますけど、大した違いではないらしいですよ。私は魔王様とは違い前世の記憶がないものでよくわかりませんが。」
「え?」
今、なんて言った?
「また、思考を読む方向に切り替えですか?ですから、大して顔は変わってないらしいですよ?つまり、イケメンではなくフツメンです。」
「な、なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
俺はその言葉に絶望して、大声で叫んでしまった。すると、俺を中心に竜巻が出来てきた。
「ちょ、ちょっと魔力が暴走しています!この辺り一面を更地にするつもりですか!」
俺は異世界に転生して魔王になってもモテないのならそれもいいかもしれない。
「いや、ダメに決まってるじゃないですか!とりあえず落ち着きましょう!魔王様なら富と名声を高めればモテるに決まってますって!」
ん?魔王の権力を利用すればモテる、、、だと!?
「なぜそれを先にいわねーんだよ!」
俺の周りの竜巻がピタッとおさまった。
「いや、先に気付くでしょう普通。」
「でかしたぞ、セシル!俺の異世界での目標は魔王で有名になってハーレムをつくることだ!」
今、俺の異世界での魔王としての目標が決まった。