リア充のせいだ!
週一で投稿できたらいいなと考えています。
誤字脱字があったら遠慮なく言ってください。
日本のどこかで男が泣いていた。
「なんで、なんで彼女ができないんだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
心の叫びが空に消えていく。
男はフツメンだった。
イケメンでもなく、ブサイクでもなく本当に中間に位置するような顔立ちだった。
それなら彼女ぐらいできるんじゃないか?と思わなくもないが男は彼女ができない星に生まれたのごく彼女ができなかった。
小学校2年生の時、男(いやこのときは男の子か)の通っていた学校は、低学年は上の階には極力上がってはいけないと先生から言われており、男の子はこの時初めて3階建ての学校の3階に上った。3階は上級生たちの教室があり3階は主に上級生が習う教科の教室がほとんどであった。たまたま2階のトイレが埋まっていて、漏れそうだったので階段を上がり近くにあるトイレに脇目も振らず駆け込んだ。それがいけなかった。トイレに入ってまず気づいたのが、男子用のトイレがなかったのだ。そして不思議になって周りを見てみると、上級生の女子がいた。そして気が付いた、そのトイレは男子トイレではなく、女子トイレであった。それからなぜ女子トイレに駆け込んだのかをその上級生の女子に問い詰められ、詳しく聞くためにトイレもできずに3階の広間につれて行かれた。ちょうど昼休みだったことが災いし、広間にはすぐに人だかりできた。そして上級生に囲まれて緊張してたことと上級生に叱られていること、トイレをしてなかったことこの3つが合わさり男の子は上級生達の目の前でお漏らしを盛大にしてしまった。
それからは悪夢だった。この出来事はすぐに学校中に広まり、それから男の子は「女子トイレに入ったお漏らし野郎」と言われるようになった。
中学生の時、お漏らし事件も中学に上がった頃には噂されなくなり、楽しい中学校生活が待っているのだろうと思っていた。だがそれは違った。男は同じクラスの女子のことが好きになり何とかしてその女子と距離を縮めた。そして夏休みに入る直前の日に男は女子を放課後呼び出し意を決して告白した。
「ごめんなさい。」
まずこの言葉が男を固まらせた。そして女子は次にこんな言葉を放った。
「付き合っている男の子がいるの。同じクラスの○○君何だけど、、、。知らなかったみたいだけどごめんね。」
男は頭が真っ白になった。付き合っている男がいるなどとは知らなかったからだ。
男が固まっている間に女子は帰ったらしく10分ほど立ち尽くしていた。
それから5か月の時が過ぎ、男は新たな恋をした。それは転入してきた女子だった。男はその女子とは違うクラスだったため、話す機会がないまま告白しようと決意した。学校の放課後女子を呼び出し、告白した。
「付き合ってる人いるし、話したこともない君とは付き合えないよ。」
そう言われた。男はまた頭が真っ白になった。
それから、男はこういわれるようになった。「付き合っている彼女を狙うクソ野郎」
そしてお漏らし事件も同じ小学校の奴らが話したため男は中学校時代も終わった。
高校生の時、男は高校生活ではこんなことが起こらないように死ぬ気で勉強して男の中学校からは男以外は通わない高校を受験して合格した。そして、男は過去の失敗から告白を恐れるようになった。高校生活では小学校、中学校と失敗した記憶がよみがえり女子には話しかけることが出来なくなっていた。男は目立つと女子に嫌われると思うようになり、クラスでも目立たない存在になっていった。だが男はまだ希望を持っていた。俺よりも顔の出来が悪い奴でも彼女ができるのだから、俺だってできるはずだと。しかしこのまま高校3年間は過ぎて行った。
そもそもクラスで目立たない存在の男が顔の出来も良いとは言えない男がモテようとする方がおかしいのだ。顔の出来が悪くてもそういうやつらはクラスでも目立つ存在だ。だから彼女ができたのだ。彼女ができる希望にすがっていたせいなのか、男の成績は落ちていき志望校の大学にも落ちてしまった。
こんな感じで自分の年齢=彼女いない歴の男、松下清水はバスに乗って都内にある山奥にきていた。ここだったら人の目を気にせずに心の声を叫べると思ったのだ。
ここで冒頭の叫びに入るわけだ。
「何で彼女ができないんだよう」
消え入りそうな声で、冒頭の時間からかれこれ2時間の時が過ぎても清水はここにいた。もともと山に入った時間が遅かったのでもう夜の12時を過ぎようとしている。清水はこの2時間ずっとなぜ自分には彼女ができないのかを考えていた。そして気が付いたのだ。全ては彼女を持っているリア充が悪いのだと。その考えに行きついてもう気が済んだので、最後に思いっきり叫ぼうと足に力を入れ大きく息を吸い込み叫んだ。
「リア充どものクソ野郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!これからはお前らに意地悪しながら生きてやるぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
こんな時間に思いっきり叫んだせいだろうか叫び終えて帰る準備をしていると、
ガサ ガサ
目の前の茂みから音がしたので前を向くとそこには涎を垂らしたクマがいた。
「は?」
そんなことを言ったと同時にクマは清水を引っ掻いていた。
「あ゛あ゛あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
当然襲った激痛に清水は叫んだ。そして気が遠くなるのを我慢して駆け出した。とりあえずクマから逃げることを考えて。
しかし、クマという動物は速い。瞬間的な速さでいえばクマはシカを超えるとまで言われている。そんなクマから清水は逃げることなどできず、清水はクマに強力なタックルをされて清水は木にぶつかった。
気が遠くなっていく中で清水は、
(あ~マジかよ、リア充どもをいじめる前に死ぬとかふざけんなよな。ったく彼女が出来ずに人生を終えるのか)
そんなこと考えながら意識を失った。