表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧】護国少年  作者: 東雲飛鶴
第四章 護りたい人が出来たんだ
78/97

四章 33

 広い場所ならなんとかなる、そう思って基地の敷地内に誘い込んだのに、この劣勢は一体何なんだ!

 コソコソしたヤツだからと若干油断もしていた。だけど、人狼のポテンシャルは僕の想像以上で、いや、自分のスペックを過大評価してたからこそのピンチなわけで。


 さっきから、陸がくそ重たいウルフクローをブンブンと振り降ろしてくる。

 その度に僕はじりじりと後退させられる。

 僕の何が陸の嗜虐心を煽っているのかわからないが、ときどきフェイントまで入れてくる。かと思ったら、思いっきり腹にパンチを入れてもくる。これじゃあオモチャだ。

「どうした! よそ者ォッ! 遊んでくれるんじゃなかったのかよ!」

 防戦一方になりながら、僕はヤツの動きを観察した。――勝機を探して。

 それは、すぐに来た。

「クッソおおおッ!」

 僕は、陸が腕を振り上げた瞬間を狙って、ヤツの腹を思いっきり蹴り飛ばした。

「ギャッ!!」

 僕の蹴りがめり込むと、陸の体は軽々と数メートルほど吹っ飛んで割れたコンクリートの上をゴロゴロと転がっていった。

(チャンスだ!)

 僕は助走をつけ、一気にスピードを上げた。

 ヤツの手前でダイブ、体を思いっきり反らし、双剣を腹めがけて打ち下ろした。

「くらえッ!」

 渾身の一撃×二!!

 ――が、陸は膝を上げ、向こうずねで僕の攻撃を二本とも受けた。

「ッギャアッ」

 陸は叫び声を上げ、その場でのたうち回り始めた。

 腹への攻撃をかわすつもりが、余計にダメージがでかかったようだ。

 すねなんか、棒で叩かれたら本気で痛いに決まってる。

「バカめ。油断してるからだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ