四章 1
この一週間はこんなカンジだった。
朝、みなもより早く起きて学校に行く。
人気のない教室で掃除している伊緒里ちゃんを見て和む。
昼、学食のはじっこで明日華ちゃんのお重弁当を皆でつつく。
放課後、みなもにののしられつつクソ暑い中で武神器の訓練をする。
夕食後、みなものとばっちりを食わないようにカメクラに避難し、伊緒里ちゃんの弟くんたちとゲームをしつつ、こっそり伊緒里ちゃんを見て傷ついた僕のハートを癒やす。
伊緒里ちゃんが仕事をひけると、こっそり家まで護衛して、戻ってきたらPXの自販機前(夜でも明るい)でゲームをしてみなもが寝るまで時間をつぶし、そしてシャワーを浴びて居間のソファで泥のように寝る。
――つまり、みなもがおかしくなった。今までのみなもじゃ、なくなってしまった。
結局、ほとんどの時間はみなもを避けてどこかに逃げてる勘定だ。一体どうしてこうなってしまったんだろうか。おおかたの原因は分かってる。僕が悪いからだ。
僕がみなもの期待を裏切り、夢を壊してしまったから。
だから僕は、日々みなもにののしられ、物を投げつけられ、恥ずかしい巫女ステッキで殴られるんだ。でも朝になると、自分の蛮行をなかったことのように、横須賀にいたときみたいな愛らしい笑顔で『おはよう』って僕に声をかけてくるんだ。その度に僕の心はよじれ、朝っぱらから食欲も沸かなくなって、メシも食わずに学校に行くハメになる。
――だからあいつが起きる前に出かけるようになったんだ。
でもこれは、みなもの希望を叶えてやれなかった、みなもを幸せにしてやれなかった僕への罰。
そして、みなも以外の女の子を好きになってしまった、僕への……罰。