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セブンス  作者: 三嶋 与夢
最終章 ここまで来たぞ 十八代目
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セブンス

「――【セブンス】発動」


 俺の声に反応して、周囲に青い光の風が巻き起こった。

宝玉がこれまでにない輝きを見せる。それは、蝋燭の炎が最後に輝くような光。


「くそっ! 使いたくなかったのに」


 強制的に一回だけ即成長させる。俺にとっては思い出したくない記憶が、新たに量産される事を意味していた。まぁ、俺は何をやっても格好いいので周りも記憶するから仕方がない。


 ただ、許せない事もあった。それは、宝玉が力を失い、玉に戻ってしまうという事だ。


 それは、今まで俺と共にあった宝玉がリセットされることを意味していた。ただのスキルが記録された玉に戻ってしまう。


 スキルが残ると思えばそれで良いかも知れないが、もっと大事な――。


 ――段々と、思考がクリアになってくる。体の奥から力が溢れる感覚は、今までの疲れを吹き飛ばす。そして、魔力が俺の中で膨れあがり暴れ出すようなリビドーにも似た感覚。


「みなぎってきたぁぁぁ!!」


 叫ぶと、宝玉から銀色の武器が七つ――。


 俺の周囲に出現し、床に突き刺さった。


 初代の大剣。

 二代目の弓。

 三代目の剣。

 四代目の短剣。

 五代目の蛇腹剣。

 六代目のハルバード。

 七代目の銃。


 それぞれが俺を囲むように床に突き刺さり、そしてアグリッサが俺を空から見下ろしていた。目を細め、そして俺の姿を見ながら。


「――無理やり適応レベルを上げたか。いや、今は成長と言うんだったな。それに、そのスキル――七つの武器を使いこなす類いか。面白いスキルだな」


 自信満々のアグリッサに向けて、俺は軽く笑って見せた。アグリッサが止めているのか、俺の先祖である先代のライエルは、武器を構えて距離を取っていた。


 アグリッサに向けて、俺は言う。


「勘違いだな。七つの武器を使うからセブンス? 俺はそんなに単純な男じゃない。それと、降りてきてくれ。そんな裸で浮いていられると、俺が覗きをしているみたいじゃないか。もっと慎みを持った方が可愛いぞ、アグリッサ」


 そう言って前髪を払い、髪型を整えた。アグリッサは、少し驚いたように俺を見下ろしている。


 アリアが、俺の方を見て肩を落としながら。


「……ねぇ、あんたのスキルってまさか――」


 俺はアリアが言い切る前に。


「何を考えているか当ててやろう。この絶好調な俺を強制的に出現させるスキルだと思っているな? 言うな、分かる。何しろ、俺はお前たちを愛しているから!」


 しかし、シャノンはそんな俺の言葉を。


「いや、コネクションで繋がっているから、だいたい分かってもおかしく――」


 しかし、そんなシャノンの言葉を遮ったのはモニカだ。


「まさかのフィーバータイム。しかし、これで少しは勝率が上がりましたね。チキン野郎は、こうなった状態で負けたことがありません」


 嬉しそうなモニカに、俺は首を横に振った。


「それは違う。俺がいる時点でこの勝負は俺の勝ちだ! 俺は勝利の女神に愛されすぎた男だからな!」


 すると、アグリッサが大笑いをしだした。


「アハハハ、成長後に精神が不安定になるが、それがお前の成長後か。なる程、面白いな。成長後の力の上昇に精神が影響を受ける訳だ。ただ――勝てると思っているのは頂けないな」


 直後、俺に向かって先祖が斬りかかってきた。だが、俺は動かない。周囲の愛すべき嫁たちが俺の身を案じて動き出そうとするのだが、俺はその行為を止める。


「手を出さなくていい。まぁ、見ていろ――すぐに終わる」


 目の前まで先祖が迫り、大剣を振り上げると俺はその刃を見ながら笑っていた。俺の後ろから声が聞こえてきた。その声に、全員が振り返る。


「随分と楽しい時に呼び出したね。まぁ、呼び出したのは正解、かな」


 飄々とした声の主は、駆けると床に突き刺さった剣を抜いて先祖の大剣を弾き飛ばした。見えない刃に間合いを見誤ったのか、先祖が飛び退く。


 金色の髪は肩にかからない辺りでサラサラしていた。緑色の短いマントを羽織り、肩に無刃剣を担ぐと――三代目は周囲を見て。


「それにしても、随分と派手に吹き飛ばしたね」


 そう言って笑っていた。そして、次に声をかけてきたのは七代目だ。床に突き刺さった銃口の先についているナイフを引き抜き、再び動き出そうとした先祖に何発も銃弾を撃ち込んだ。


 切り払おうとした銃弾は、ワープをして先祖に風穴をいくつも開けた。死兵なので塞がるが、それまでに時間がかかりそうだった。


「ライエル、よくやった。これは切り札を使うに相応しいタイミングだ」


 そして、歩く足音が俺を通り過ぎる手前で止まり、肩に手を置いてきた。手には蛇腹剣を握りしめていた。


「ここまで追い詰めたなら上出来だ。後は俺たちにも協力させろ」


 そして歩き出した五代目は、剣を振るって先祖の足に蛇腹剣を絡めた。そして、反対側の足には、短剣が突き刺さる。


 長い水色の髪は風に揺らし、眼鏡を押し上げる動作をするのは四代目だ。


「随分と逞しくなったね、ライエル。まぁ、本来なら死者に頼るな、なんて言いたいところだが、同じ死者が相手なら仕方がない」


 俺の後ろを駆け抜け、ハルバードを手に取った六代目は先祖に斬りかかり大剣を弾き飛ばした。


「まったく、お前はとんでもないものに挑んだな。俺にも協力させろ」


 振り向いた六代目は笑っている。そして、俺の横では弓を手に取り構えた狩人姿の二代目がいた。少し笑いながら。


「実は少し使ってみたかったんだよな、この銀色の弓。さて、地味目な俺は曲芸でも披露しますか」


 そうして放った矢は、軌道を変え、まるでそれぞれが意思を持つように先祖に突き刺さり爆発した。死兵であるために再生するのだが、その速度がとても速い。失った大剣すら手から生えてきている。


 ただ、勝負がついたのを俺は実感した。


「ガハハハ、見ない間に大きくなりやがって。少しはやるようになったみたいだが、まだまだだな!」


 大剣を床から抜き取り、駆け出して跳び上がったのは初代だ。笑いながら大剣を先祖に向かって振り下ろすと、大剣が青い光を発して先祖やその後ろに衝撃波を引き起こした。


 相変わらずの破壊力だ。


 蛮族スタイルの初代が、大剣を肩に担ぐ。


「これいいな。なんでも斬れそうだ!」


 そんな初代に、二代目は呆れたように。


「斬る、っていうか叩きつぶすじゃないのか? 見ろ、何も残ってない」


 腕を組む俺の前に、七人の人物が出現した。頼りになりすぎる味方の登場に、俺は空に浮ぶアグリッサを見て笑う。すると、アグリッサは。


「宝玉に記録された七人を呼び出したか。そうか、だから――しかし、お前たちは容赦がない。今お前たちが倒した者は、お前たちの祖先だったというのに」


 すると、三代目がいつもの調子で。


「いやいや、きっとあんたに操られて苦しんでいたんだ。たぶん。だから、僕たちはそんな可哀想な先祖を解放するために涙ながらに―――って、感じかな?」


 四代目もそれにあわせて。


「ですね。目で、俺を止めてくれ! って言っている気がしました。たぶん」


 六代目も同じだ。


「自分が同じ状況なら、きっとそうしろと言いますな。……たぶん」


 すると、初代が驚いたように。


「え? 俺たちの祖先!? 今のいかつい野郎が! 嘘だろ!」


 二代目がそんな初代を見ながら。


「鏡見て来いよ。さっきのよりいかつくて蛮族な男が映るから」


 俺は頷きながら。


「確かに」


 すると、初代も一緒に八人でゲラゲラ笑い出す俺たち。


 浮んでいるアグリッサは、お気に入りである俺たちの祖先が倒れたのが気に入らない様子だった。


「……たかが七人増えただけで、よくもそこまで強気になれる。もう良い。六百万などと手を抜くつもりはない。何千万、何億という死兵を用意して踏みつぶしてやろう。貴様らがたったそれだけの数で、どれだけ戦えるか――」


 俺は、首を傾げた。他の七人も同様に、アグリッサの物言いに疑問を感じた。


 そして、俺はアグリッサがまだ勘違いをしている事に気がついたのだ。


 先祖七人を呼び出すからセブンス? そうではない。


「まだ勘違いをしているようだな、アグリッサ」


 すると、シャノンが俺の言葉に「え!?」という反応を示した。どうやら、味方もそんな勘違いをしている奴がいるらしい。アリアやグレイシア、そしてエリザも俺から視線を逸らした。こいつら、馬鹿可愛い。


 俺は手の平の上にある宝玉を見る。青い宝玉は輝き、そしてその中に――小さな星が見えた。青く輝く母なる大地“地球”の姿を。


 俺は宝玉を握りしめ、アグリッサに拳を突き出す。


「セブンス――七番目。それはセプテムの血を引く俺が、七番目の女神に連なる者だから使用できるスキルだ。成長? そんなものはオマケに過ぎない。セブンスの本当の意味は――」


 そこまで言うと、連合軍が陣を張っているその場所付近で大きな爆発が起きた。何発、何十発、そして何百何千と叩き込まれる特大の魔法。


 四代目がプルプルと震えながら、眼鏡の位置を正していた。


「ごめん、ライエル。言いたい事も聞きたい事も沢山あるが……嫁が呼んでいるから行くね。ちょっと怒っているぽっいから。あと、ルドミラちゃんはこっちね。カルタフスの軍勢を建て直そうか」


「……は? あの、なにを言って」


 そう言ってワープしていく四代目とルドミラを、俺は手を振って見送った。


 ミランダがそんな光景を見ながら。


「……ウォルト家のご先祖様たちよね? ライエル、いったい何が」


 そこまで言うと、ミランダとシャノンの肩に手を置く人物が現われた。その人物を見て、六代目が笑顔で。


「ミレイア! お前も来たのか!」


 すると、お淑やかな態度でミレイアさんが六代目に。


「はい、兄上。このミレイア、非力ながらもお手伝いに駆けつけました。それで、ミランダとシャノンをお借りしますね。もう、ライエルの本隊でも戦いが起きていますので」


 シャノンが目を見開き、ミレイアさんの顔を見ながら驚いた表情をする。きっと、六代目の前で猫をかぶっているのが信じられないのだろう。


「お姉様、これは偽も――痛っ!」


 肩を握りしめられ、物理的に黙らされたシャノン。ミレイアさんは笑顔だった。


 七代目が、アゴに手を当てながら俺の軍勢がいる場所を見ていた。


「マイゼルがあちらに行ったか。ならばわしはファンバイユ方面に行くとしよう。ライエルに逆らわないように釘も刺しておかないといかん。……猫かぶりが」


 最後の呟きは、ミレイアさんを見ながら七代目が言った。


 ギラリと光りそうな視線を、ミレイアさんが七代目に送ったがもうそこに七代目の姿はなかった。


 五代目が、空気を読んだのか。


「俺とファインズは手薄な軍勢のところに行くかな。行くぞ。あと、お前らはこっち」


「え、いや」


「ちょっと待って!」


 五代目がグレイシアとエリザを連れてワープをしていった。


「そうですな! ミレイア、ミランダとシャノンを頼んだぞ」


 真面目な顔をして、最後に笑顔を俺たちに向けた六代目も消えていく。そうすると、三代目が少し考えながら。


「なら、僕はみんながしない仕事をしようかな。じゃあ、そういう事で」


 そう言って三代目が消えていく。


 残った初代と二代目は、ミレイアさんを見ながら。


「なぁ、誰?」


「……いや、俺も知らない」


 そんな微妙な空気が流れると、ミレイアさんはお辞儀をした。それは綺麗なお辞儀で。


「はじめまして、初代様、二代目様。私はミレイア――フレドリクスの娘の一人でございます。少々急いでおりますので、二人を借りていきますね」


 そして、俺の方を見て、ミレイアさんは片目をつむる。


「ライエル、派手に行きなさい。ウォルト家が貴方の後ろについているから、安心して良いわ」


 ミランダとシャノンを連れて消えていくミレイアさん。俺は手を振って見送ると、初代と二代目はポカーンとしていた。


「なんか、色々と分からない事が多いな」


「まぁ、最初の方で消えたからな」


 そして、空の上でイライラしている存在がいた。アグリッサだ。


「……そうか。そういう事か」


 俺は咳払いをする。先程、言えなかった俺のスキルを説明するためだ。


「そうだよ。これが俺の最終スキルだ。セブンス――セプテムが作りだした宝玉を管理者権限で使用できるスキルだ。こいつは凄いぞ、なにせ……制限を全て解除した全力の宝玉を使用できるんだからな」


 アリアと、クラーラ、それにエヴァが分からない、と言った表情をしていた。ただ、モニカやヴァルキリーズは頷いていた。


「そういう事ですか。管理者権限……ならば、この流れ込んでくる魔力も、なにがしらの影響なのでしょうね。今は、感謝しておきましょう」


 ヴァルキリーズたちの鎧が光り出す。元はトラシー――トライデント・シーサーペント。海の神と言われていた魔物から作り出された、希少金属の塊である彼女たちにも影響が出始めた。


 翼が広がり、宙に浮き始める。モニカも同様だ。白いドレスに覆われ、そして宙に浮き出した。


「なんだ、メイドを止めて花嫁か」


 俺がそう言うと、モニカは微笑みながら。


「えぇ。ちゃんと貰ってくださいね」


 ――こいつ馬鹿だ。


「馬鹿かお前は? もう俺の物だ。貰う、貰わない、以前の問題だ」


 すると、エヴァが俺の方を見て。


「こいつ、どうしていつもこんなに強気なのよ。普段はあんなにヘタレなのに」


 初代が俺の方を見ながら。


「お前、大丈夫か? というか、ノウェムちゃんは? あ! アリアちゃん!」


 アリアは、初代に手を振られて小さく手を振った。初代はアリア推しだから、会えて嬉しいのだろう。当のアリアは。


「え、なんでこんなに喜ばれているの?」


 すると、いつまでも茶番を続けていたのを見ていたアグリッサが。


「……余裕を見せつけてくれる。だが、少し調子に乗ったようだ。ライエル、お前には心を折った方がよさそうだな」


 俺は、フッと小さく笑う。


「……このライエル・ウォルト、簡単に折れる心を持っていたら神など殺そうなどと思わない。自分のメンタルの強さが怖いくらいだ。……折れるものなら折ってみろ!」


 アグリッサが怒ったのか、両手を広げた。


 ポーターの中にいるクラーラは。


「……正気に戻れば勝手に折れますけどね」


 毒を吐いた。そんなところも可愛いと思う。


「ならば、お望み通りにしてやろう! これならどうだ!」


 アグリッサの真下からは、白く、赤い仮面をした巨大な猿が出て来た。大胸筋の部分には毛が生えていないが、それ以外は白く美しい毛皮に包まれている巨大な猿は、アグリッサ以上に大きかった。


「目算で十メートルか」


 初代がそう言うと、二代目が。


「十二メートルだな」


 すぐに訂正していた。更に、続々と二メートルを超える骸骨の騎士たちが床から這い出てきた。


 アグリッサが上空で。


「管理者権限程度で強気になった己を恥じるがいい。ライエル、お前には少しきつめのお仕置きを用意しよう。私に泣きながら服従を誓う程度には躾けてやる」


 俺は宝玉を首にかけた。そして、モニカに向けて右手を差し出す。モニカが俺に予備の刀を投げてくると、受け取りながら。


「楽しそうだな。一度は受けてみたいが、最初は普通が良い。これでも童貞でね。あまり刺激が強いと困るんだ。縄と鞭くらいなら許容しよう。……だが、俺は攻める方が好きだ!」


 アグリッサが大きな口を開けて。


「抜かせ! お前のその性格は好かぬ!」


 俺は笑顔で。


「俺はお前も好きだが? まぁ、可哀想な奴だとは思う。だから――苦しまないように、この俺が終わらせてやろう」


 すると、巨大な猿が俺たちに拳を振り下ろしてきた。魔物とは違う――麒麟や鯨に近い神獣の類いのようだ。炎を口から吐きながら、こちらを威嚇してくる。


 そんな炎に初代のトレードマークのようなかぶり物の毛皮が少し燃えた。


「何しやがるこのエテ公! 上等だ、表に出ろ!」


 すると、二代目が弓矢を構えながら。


「……親父、ここはもう表だ」


 屋根も壁も吹き飛び、下の階は潰れている。なるほど、確かに外だ。俺たちはまたゲラゲラと三人で笑った。


 そして、初代が真剣な表情で。


「まぁ、流石に本気を出さないとヤベェから、出しておくか。……お前ら、来いや」


 すると、初代の後ろにかつて初代の記憶の扉だったドアが出現した。そこから、続々とかつて初代に従った兵士や蛮族たちが出現する。もう、蛮族の長にしか見えないが、それでこそ初代だろう。


 二代目も低い声で。


「俺も呼んでおこうかな。下の骸骨と援護くらいはしてやるよ、親父」


 少しまともになった兵士たちが、二代目の記憶のドアの出現と共に現われた。その手には弓矢や鉈が握られている。


 初代は獰猛な笑みを浮かべながら。


「言うようになったじゃねーか! クラッセル! ライエル!」


「なにか?」


「この猿と雑魚は俺たちがやってやる。お前はアグリッサを殴り飛ばせ。それと、ノウェムちゃんはどこだ?」


「あぁ、それならアグリッサの胸元です。取り込まれました」


「……は? お、おま……何やってんだ、ごらぁぁぁ!!」


 初代が叫ぶと、白い猿がまたしても雄叫びを上げた。初代に威嚇されたと思ったのかも知れない。


 俺はカタナを担ぎ。


「まぁ、助け出して見せますよ。アリア、クラーラ、エヴァ――それにモニカとヴァルキリーズは、俺についてこい。楽しい神殺しの時間だぁぁぁ!!」


 アリアが槍を構えながら。


「あんた、絶対にちょっとおかしい。いえ、絶対におかしいから! なんで神殺しで楽しめるのよ!」


 俺は言う。


「馬鹿! 偽物の女神を倒して神殺しの称号が手に入るんだぞ! 今後の統治がやりやすくなるだろうが! クラーラ、エヴァ、俺の雄姿を見逃すなよ」


 クラーラとエヴァが少し引いていた。少しというか、こんな時になにを言っているんだ? そういう感じだった。二人なら喜んでくれると思ったのだが。


 ただし、モニカたちは大賛成のようだ。


「ヒャッハー! これで堂々とこいつらをボコボコに出来るんですね! このモニカ、ライエル様に一生ついていきます!」


 嬉しいことが言ってくれる。俺はアグリッサに向けて挑発的な笑みを浮かべた。それを忌々しそうに見下しているアグリッサ。


「さぁ……楽しんでいこうかぁぁぁ!!」


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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…
[良い点] 神回 読んできてよかったと思わせる作品
[良い点] 最終戦テンションあげあげ! [一言] さぁ……楽しんでいこうかぁぁぁ!!
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