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セブンス  作者: 三嶋 与夢
二代目様は苦労人
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休日

 冒険者にとって重要な事の一つに、休日というものがある。


 当然だが、毎日のように外に出て魔物と戦うという事はしない。


 同じように、雑用系の依頼も毎日受ける冒険者もいない。


 体を休めるのも重要なのだが、定期的に装備の手入れも必要だからだ。


 高価な装備を持てば、維持費もそれなりにかかる。だが、整備をする時間もかかるのだ。


 いざという時に役に立たないのでは困る。


 そのため、ゼルフィーさんには、適度に休日を取るように指示されていた。ゼルフィーさんの指導方針は、俺たちが無理をすれば止める。


 必要な事をしていないのであれば指摘する。そして、前もって必要な事は説明するというやり方だった。


 凄く当たり前の事をしているが、聞けば指導員の中には冒険者らしく実戦で技術を磨かせる人もいるという。


 そういう人が指導員でなくて良かったと思いつつ、俺は休日になると通うようになったギルドの資料室で本を読んでいた。


 ただ、今回は一人ではない。


「……何?」


 俺は狭い資料室にある一つしかない机を挟んで、アリアと向き合っていた。


 向こうも前の一件から、俺に対して距離を取っている。


 だが、今日はこうして資料室で向き合っているのだ。時間を遅らせるなりすれば良いのに、などと思ったが、同じサイクルで生活しているので、俺にとって都合の良い時間と、アリアにとって都合の良い時間はどうしても重なってしまうのだった。


「なんでもないわよ。というか、本当に読んでいるの?」


 アリアが、俺の横に積まれた本の山を見ながら指さす。自身もゼルフィーさんに読んでおくように言われた本を開いていた。


 主にパーティーの役割について書かれている本だった。


 対して俺は、特に調べる事もないので適当に本を持ってきては読む、というのを繰り返している。


「読んでるよ。本を読むのは好きなんだ」


 物語に没頭する時は好きだ。


 何しろ、余計な事を考えなくてすむ。十歳以降、俺にとって読書の時間は現実から離れられる時間だったからだ。


「というか、なんで農業に関する本なんか読んでるの? ギルドに置いてある本だと思えないんだけど」


 アリアの疑問に、俺ではなく二代目が答える。


 だが、ノウェムの時とは違い、扱いが雑だった。


『場合によっては近くの村に農作業を手伝いに行くんだよ。ダリオンは規模が大きくなってそういった依頼が来ないんだろうがな。というか、そんなのも知らないのか!』


 規模が大きくなりすぎて、そういった農作業の依頼などをギルドに頼む事もなくなったのだろう。だが、こうして本だけは資料室に置かれている。


 俺は二代目の言葉を柔らかくし、アリアに伝える。


「昔は必要だったんだろ。ダリオンのギルドだって、そういった依頼を受けていた時期があるんじゃないのかな」


 実際、俺の持っている農業関係の本は少し古いものだった。だが、二代目や本が好きな三代目などは興味深く俺の目を通して見ているようだ。


 陽気な三代目が、本を見ながら次のページをめくるように言ってきた。


『こうした技術の進歩を見ると、本当に羨ましくなるよね。こんな方法があったなら、僕たちの時代ももう少しは良くなっていたよ。技術というのは大事だね……ライエル、次のページをめくってくれる』


 俺が本を読むのは趣味なのだろう。


 だが、ご先祖様たちは違う。


 自分たちの時代と現代がどれ程違うのかを知れるのと、新しい技術に興味があるようだ。


 基本的に初代以外は技術などを貪欲に求めている。


 この辺は、やはり領主だったのだろうと思わされた。


「……次は農業にでも手を出すつもり」


 アリアが自分の本へと視線を向けながら、俺にたずねてきた。体が動くようになったアリアが、こうして話しかけてきたのははじめてだ。


「いや、ただ気になっただけだよ」


 本当は、農業に利用する魔法の使用方法を読んでいた。


 魔法を使用し、生活を豊かにする技術は日々磨かれていると言っても良い。だが、そこには暗黙のルールもある。


 絶対に魔法だけで一つの仕事を終わらせてはいけない、という決まりだ。


 これは無駄にも思えるルールだが、俺的には魔力の消費を考えての事かと思っていた。


 魔法使い……特に、魔法のみを武器とする人にとって、魔力の枯渇は死活問題だ。


 こうした専門的な魔法は、やはり魔法を得意としている人がよく使う。


 そのための決まりだと思っていたのだが、どうやら違う理由も存在していた。


(本だけじゃ学べない事もあるんだな)


 実際に外に出て生活をしてみて、俺はそれをよく実感する。だが、こうして本を読むのも無駄とは思えなかった。


 対して、アリアは本を読むのを苦手としているらしい。


 難しそうな表情をして本を見ている。


 読めないのではなく、性に合わないのかも知れない。


 服装もそうだが、お嬢様にしては活発な少女である。


「本を読むのは嫌いなの?」


「嫌いじゃないわ。苦手なだけよ。昔はよく読まされたけど、最近まではそんな暇がなかったし」


 父と娘、そして父は働かずに酒浸りの生活をしていたようだ。


 そんな家庭環境では、アリアも苦労したのだろう。


 未だに過去の話を直接はしないが、こうした会話で想像する事はできる。


 そんなアリアに、初代が同情していた。基本的に、アリアに同情しているのは初代だけだ。


『苦労したんだな、アリアちゃん』


 その意見に、二代目は冷たく言う。


『父親に苦労させられる部分には同情できるな。いや、共感かな』


 本当に初代と二代目の関係は冷たい感じしかしない。


 不用意に何かあったのかを聞けば、二代目の感情が爆発して魔力を大量に消費するので聞くに聞けなかった。


 それ以降、しばらく間があく。


 会話が途切れしばらくすると、俺は本を読み終わったので積んだ本の山に手に持っていた本を乗せる。


 持ってきた本は全て読んでしまった。


 日の高さを見ると、家に戻るには丁度良さそうだった。


「俺は帰るけど、アリアは?」


 本を元の位置に戻すため、立ち上がって手に取る。


 アリアはまだ読み終わっていないのか、こちらをチラリと見ると首を横に振った。


「まだ終わらないから先に帰っていて。ノウェムにはその……遅れる、って」


 伝言を受け取ると、俺はそのまま本を片付けて資料室を出る。






 ギルドは毎日のように忙しい。


 俺たちが休んでいても、仕事をしている冒険者は普通にいるからだ。資料室を出て、受付のある二階を通ると今日も冒険者が列を作っている。


 普段通り、ホーキンスさんの列だけが短い。


(仕事も丁寧で、優しい人なんだけどな)


 褐色の肌に赤い髪は坊主頭。加えてシャツの下は筋肉の鎧があるのがすぐに分かる。


 体も大きく、その辺の冒険者など目ではないくらいに強そうだった。


 実際、多くのベテラン冒険者が、ホーキンスさんの事を『旦那』と呼んで慕っている。もしくは、逆らわないでいる。


 そんな様子では、新人は怖くて近づけないだろう。


 普段から笑顔で丁寧に対応しているのに、新人は寄りつかない。


 対して、美人の職員がいる受付のカウンターは凄い列だ。


 その列に並んでいる冒険者の多くが、若い男である。


 美人の受付につられて並んでいるのだろうが、それも危険な仕事をしている冒険者の潤いになっているようだった。


 二代目がヤレヤレと言い出す。


『どうして無駄な事をするんだろうな。相手の性格を見ればすでに付き合っている男でもいそうだと分かるだろうに』


 俺も色恋沙汰に疎いので何とも言えないが、やはりアレだけの美人なら付き合っている男性でもいるのだろう。


 見た目からして十代後半だろうか?


 適齢期を思えば、結婚していてもおかしくない年齢に思える。


(いや、一般人の適齢期って違うんだったな)


 貴族の適齢期は早いと言われているので、一般女性の適齢期はもっと遅いのだと思い出した。


 治療魔法も向上し、人の寿命は延びていると聞いた事がある。そのため、結婚の適齢期も延びていると本で読んだ事がある。


 なので――。


『というか、あの年齢で結婚していないのは行き遅れなのかな? 相当問題がありそうな物件だな』


 二代目の厳しい評価に、七代目が答える。


『今だとあの年齢でも普通では? 昔とは違うわけですし』


 割と最近の七代目は、美人職員の年齢で結婚していなくても問題ないと言っている。


 実際、七代目と二代目の時代では百年以上の開きがある。


 価値観も相当違うだろう。


 ボンヤリと列を眺めているのも飽きたので、俺は受付のある二階から降りるために階段へと向かう。


 すると、三人組のパーティーが階段を上ってきていた。


 若い男女のパーティーは、男二人は剣と槍を持っている。前衛なのだろう。


 そして、ローブを着ている杖を持った魔法使いがいる、バランスが良いパーティーだ。


 三人にしては、という前置きはつくが。


 そんな三人が横並びで上がってきたので、俺は横に避ける。


「おっと悪い。話し込んでいて気付かなかったよ」


 剣を腰に下げた剣士風の男は、俺よりも少し年上のようだ。


 柄を見ると使い込まれているのがよく分かり、腕も良いのか立ち姿や歩いている姿にも雰囲気があった。


 同じように、槍を持った背の高い男も力がありそうだ。


「気をつけろよ。イチャイチャしてると、誰かにぶつかって迷惑になるんだからな。悪かったな……あれ?」


 槍を持っていた男が、俺の顔を見て困っていた。


 すると、杖を持った女性が叫ぶ。


「あなた、ライエルじゃない! 青い髪に瞳だから間違いないわ。『馬鹿息子のライエル』でしょ!」


 俺はそれを聞いて、微妙な表情になるのだった。


 宝玉から笑い声が聞こえる。


 初代だ。


『ガハハハ、どうやら上手くいったみたいじゃねーか! 喜んでいいんじゃねーか、ライエル』


 こちらの気も知らないで、などと思いながら頷いた。


 すると、剣士風の男が女性の口元を押さえて謝罪してくる。


「何を言ってんだ、こら! す、すまない。悪い奴じゃないんだが、口が軽いというかなんというか……悪かった」


 剣士風の男に、俺は気にしていないと言って謝罪を受け入れた。


「お前、もっと考えて口を開けよ」


 隣では槍を持った男が魔法使いの女に呆れている。


「だ、だって……ごめんね」


 俺よりも二つか三つ年上の冒険者パーティーのようだ。


 経験もそれなりに積んでいるのか、他の若い冒険者たちよりも雰囲気があった。


「俺は【ロンド】。それで、杖を持った彼女は【レイチェル】で、槍を持ったのが【ラーフ】だ。よろしくな」


 挨拶をされたので、俺も名前を名乗った。


「ライエルです。よろしく」


 そういうと、槍を持ったラーフさんがアゴに手を当てて俺を見る。つま先から頭の上まで見ると、笑っていた。


「噂で聞いていた印象とまったく違うな。腕が立ちそうに見えるぜ」


 そう言うと、ロンドさんも同じように腕を組んで頷いていた。


「確かに。そうなると、噂はガセなのかな? おっと、俺たちも仕事だったんだ。悪いけどこれで失礼するよ。またゆっくり話を出来たらいいね」


 三人が受付に向かうと、最後にレイチェルさんが小さく手を振ってきた。


「またね」


 悪い人たちではなさそうだ。冒険者と言えばならず者のイメージが強いが、彼らのように真面目な冒険者も確かに存在している。


 三代目が、彼らとの会話を聞いて評価していた。


『噂を鵜呑みにしないのはいいね。ま、ライエルを自分の目で評価してくれる人もいるというわけだ。良かったね、ライエル』


(いや、あんたらの言う通りに行動して『馬鹿息子のライエル』なんて呼ばれるようになったんだけど……まぁ、いいか)


 時折、俺を見て馬鹿にした視線を向けてくる冒険者もいるが、ホーキンスさんや先程のロンドさんたちの様な人もいる。


 そう思えば、少しは気持ちが楽になる思いだった。






「ただいま」


 家に戻ってきた俺を出迎えるために、台所からノウェムが出てきた。


「お帰りなさいませ、ライエル様。あら、アリアさんとは別だったんですか?」


 エプロンをしたノウェムは、お昼の用意をしていたのだろう。


 アリアからが遅れる事を伝えると、俺は台所からする匂いでお腹が減るのだった。


「まだ時間がかかるから、遅れると言っていたよ。それはそうと、良い匂いだね」


 俺が台所の方を見ると、ノウェムがクスクスと笑って「すぐにお昼にします」と言って戻っていった。


 今日は何かと思っていると、四代目から厳しい評価を貰う。


『……ライエル』


 ノウェムが近くにいないので、俺は小声で返事をした。


「なんですか?」


『全然駄目だよ。黙っていようと思ったけど、もう駄目過ぎるよ。どうしてアリアちゃんを置いてきたんだい? それに、お昼を作ってくれたノウェムちゃんにお礼は? もう少しだけ気を使おうよ! 見ていてハラハラするんだよ!』


 最近になって、この人は嫁に苦労させられてきたのだろうと実感してきた。


 きっと、そこまでしないと酷い目に遭ったのかも知れない。


「こう言っていますけど、五代目の意見は?」


 俺が五代目にたずねると、鼻で笑ったような返答が返ってくる。


『気にするな。四代目(親父)はちょっと病気なんだよ。ママを大事にしすぎて、お姫様扱いしすぎたんだ……そのせいで俺も苦労したんだけどな』


 各世代で色んな問題があるようだ。


 俺は手を洗いに行くと、途中でノウェムから声がかかる。


「ライエル様、アリアさんとは仲直りできましたか?」


 ノウェムの質問は、俺とアリアの関係を気にしたものだった。同時に、どうして今日はアリアが俺と一緒に資料室に行ったのか分かった気がする。


「いや。ただ、少しは話せたよ。気を使って貰って悪いな、ノウェム」


 そう言うと、ノウェムは苦笑いをしていた。


「分かってしまいましたか?」


「今日になって急に話しかけてくれば分かるよ。何かあったんだろうな、って」


 ノウェムはエプロンを脱いで、そのまま畳むと近くにあった家具に置く。


「アリアさんも色々と辛かったと思いますし、少しは気にかけてあげてください」


 俺はノウェムから視線を逸らすと、頷いてすぐに手を洗いに向かうのだった。






 ――ギルドの受付では、今日の仕事が終わった事もあってホーキンスが背伸びをする。


「今日も無事に終わりましたね」


 隣で仕事をする中年女性の職員は、肩を叩きながら返事をした。


「まったくだよ。こっちにばっかり回ってくるんだから。しかし、あんたの方も最近は並ぶようになったじゃないか」


「もう少し並んで貰ってもいいんですが、なかなか上手くいきませんね」


 ホーキンスを褒める中年女性の職員は、笑うとそのまま立ち上がって帰る支度を始める。


 一番奥にいた美人の職員は、早上がりなのでもういない。


 今日はどの冒険者に食事を奢って貰っているのか、などとホーキンスは呆れながら手元の書類や道具を片付ける。


 仕事が終われば、自分の机――カウンターを綺麗に掃除するのが、ホーキンスの決まり事だった。


 美人の職員と入れ替わりで入った職員は、引き継ぎ時に処理されていない書類を発見して困っているようだ。


 ホーキンスは声をかける。


「どうされました?」


「あ、ホーキンスさん……実は、引き継ぎ時に聞いていない書類が出てきて困っているんです」


「またですか」


 顔も良く、スタイルも良い受付の看板娘、とでも言えば良いのだろうが、実際はこうした仕事ぶりが問題になっている。


 彼女目当てで受付を頼む冒険者にとって、小さな問題はむしろ彼女と長く話せると喜ばれるほどだった。


 だが、他の職員からすると困りものだった。


 裏方に回って貰っても、ミスが多いのでそれも困る。


 なにより、美人の職員の父親がギルドの幹部だった。


 ホーキンスも、娘の事をよろしく頼むと上司に言われているので問題が出ればできる事は手を貸している。


 だが、そういった環境が彼女には良くなかったらしい。


「引き継ぎはしっかりするように伝えているんですが」


「ホーキンスさんは悪くありませんよ。他の職員が恰好を付けて『これくらい大丈夫』だとか言って慰めているんです。本人もそれでいいんだと思っているようで」


 最近ではホーキンスが仕事に関して細々と指示を出すのを嫌い、余り話しかけてこなくなっている。


 中年女性の職員は、元から美人の職員が嫌いなのか面倒を見る気がないようだ。


「困るのは冒険者の方々なんですが……それで、どんな書類なんですか?」


 そう言ってホーキンスが書類を受け取ると、視線が厳しいものになる。


「すみません、俺は臨時なのでこの書類の意味が分からなくて」


 本来なら裏方の職員が、受付で代理をしているのだ。


 大方の仕事はできていても、知らない事も多かった。そう言った時は、ホーキンスたちがフォローする事になっている。


 この書類なら自分で処理できる、そう思ったホーキンスだが少し気がかりな事があった。


「……この書類はどこに?」


「引き出しの書類の中にありました」


 引き出しを開けてみると、乱雑にバインダーに挟まった書類が沢山入っている。


(まるで無理矢理押し込んだような……書類の扱いは丁寧に、と教えたんですがね)


 呆れつつも、今は他に問題のある書類がないか確認する事にしたホーキンス。


「この中の書類を全部確認します。それと、幹部の方が残っておられるか確認して頂けますか」


「は、はい!」


 ホーキンスの様子が違うと気が付いた職員が走り出す。


 椅子に座ったホーキンスは、引き出しから書類関係を取り出すとそれらを確認して並べていく。


「……そう言えば、彼らが戻ってきた報告を受けていませんね」


 以前、ゼルフィーに声をかけていた指導員の男を思い出す。


 自分が書類を処理したわけではないので、期間を聞いていなかった。だが、感覚として戻っていてもおかしくないと思ったのだ。


 毎日のようにカウンターで受付をしているわけではない。


 そういった時は、引き継いだ職員が仕事を引き受けるのである。


 嫌な予感がしつつ、ホーキンスが書類を確認していると――。


「……嫌な予感というのは、当たるものですね」


 そこには、予定している期日が過ぎた書類が出てきた。


 戻ってこない、もしくは戻れない状況にあるという意味である。すぐに、ホーキンスは裏に回ってギルドで保管しているギルドカードのもう一方を探しに行く。


 指導員が連れていた五人の若手冒険者たちで、六名のギルドカードを探す。


 緊急時に確認する事になっているギルドカードは、普段は人目に触れない場所に保管しているのだ。


 だが、ホーキンスが思ったとおりだった。


 六人のギルドカードを手に取ると、名前を確認する。


「間違いないようですね」


 厳しい表情をしたホーキンスは、名前の上に横線が刻まれたギルドカードを握り示すのだった――。


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