創也の想いとカップケーキ
今回ちょっといつもより短いかもです……。
あと、創也が──
晴れの日が続いて、そろそろ夏本番を迎える、少し前。
高校初めてのテストが差し迫っていた。
どうしよう……。課題多過ぎ──
目の前の課題を見て、思わず溜め息が出る。
「はあ……」
「やんないと終わんないぞ──」
と創也はシャーペンをサラサラと動かしている。
今は放課後で、教室にはおれたちしかいない。
野上さんと唐崎さんは、料理研究部なので終わったら一緒にやる予定だ。
早く来ないかな〜……
「そういえばさ」
「うん?」
気になったことを訊いてみる。
「創也……もしかして、唐崎さんのこと──」
言い終える前に、創也はシャーペンを動かすのを止めて、口を開いた。
「好きだよ」
「うえぇっ?! いつから!?」
「いつから!? いつからって……//」
珍しく照れている。
こういう所を見ると、おれと同じだなぁと思う。なんか嬉しい──
「幸多が、野上のこと好きって言った日あるだろ?」
「うん」
「その日の朝。体育の時に、俺軽く転んで、擦り傷だけどケガしたんだ。その時に、手当てしてくれて……って何ニヤニヤしてんだよ」
「だって──」
創也が、顔を赤くして話してくれているのが、なんか……
「可笑しくて……」
「話すんじゃなかった……//!」
と創也は顔を隠すようにうつむいて、シャーペンを走らせる。
でも、うつむいても隠せない耳が赤かった──
*
課題が少しずつ進んできた頃。
野上さんと唐崎さんが戻ってきた。
「進んだ?」
「まあまあ」
「思ったより多いよ」
「だよね。そんな二人に、今日作ったカップケーキをプレゼント」
と唐崎さんがカバンから取り出す。
「松木くんには、わたしから」
「ほんとに!?」
「うん。矢倉くんには、祭ちゃんがあげるから」
と野上さんもカバンから取り出す。
チラッと創也の方を見ると、やっぱり嬉しそうだった。
おれもあんな顔してるのかな──
「はい。頑張ろうね」
「うん──//」
赤点は逃れたい……。
それで、夏休みいっぱい遊ぶんだ。
創也と野上さん、唐崎さんと──!
次回、テスト後のお話になると思います。
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