初めての約束
初めての約束をします。
席替えをして、さらに野上さんとの距離が縮まった最近。
おれが窓側で、創也が右。目の前の席が野上さんで、創也の前に唐崎さん。
毎日野上さんの笑顔が見れて、もう幸せ──////……じゃなくて。
今は昼休み。四人でお昼を食べている。
「どこか行きたくない?」
ふいに唐崎さんが提案した。
「どこかって?」
創也がパンをかじる。
野上さんは、玉子焼を美味しそうに食べている。
「そうだな〜。遊べるとこ!」
「遊べるとこ? ゲーセン?」
「あ、確か近くに新しいゲームセンター出来たよね!」
「へえ。面白そう」
「ちょっと、そんなとこ?!」
唐崎さんが納得出来ないというように抗議する。
「もっと遊園地とか、水族館とか……あるでしょ」
「まずは近場からだろ」
「え〜。じゃあ遊園地とか水族館は?」
「こ、今度にしようよ!」
「まあ、それならいいけど……」
ちゃっかり、次の約束を取り付けられた。
ラッキー!
「いつ行くの?」
いつの間に食べ終わったのか、野上さんが会話に入ってくる。
「俺らはいつでも。帰宅部だから」
「うん。いつでも!」
「じゃあどうする?うちら料理研究部だから……」
「今日は無理かも。昨日の仕上げがあるから……明日なら大丈夫かな?」
「そうだね、明日は簡単なお菓子作るって言ってたし」
「じゃあ、明日の放課後ってことで」
「わかった」
「うん」
「楽しみだ──」
とんとん拍子に話が進み、明日、ゲームセンターに行くことが決まった──
*
帰り、いつもより浮き足立っていたおれは、創也に注意された。
「転ぶぞ」
「え? 大丈夫大丈夫! あー楽しみだなぁ〜」
「あっそ──」
「クレーンゲームで、可愛いぬいぐるみゲットして、野上さんにプレゼントするんだ! それで、笑顔をもらう!」
「お前がそこまで出来るかだけどな──」
「うぅ……」
出来なくたって……
「頑張る──!」
なんたって、明日は初めて遊べるんだから──!
どうだったでしょうか、
次回、ゲームセンターのお話。
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