【おまけ】ホワイトデー
本編ではないので、書き方が違います。
これが本当の最終話になります。
ホワイトデー。
三月十四日。ホワイトデー。
幸多と創也、遺波はお返しをしていた。
*
遺波は彼女の教室に来ていた。
「はい、お返し──」
彼女の手に、ぽすっと小包を乗せる。
「いいの? ありがとう!」
「おお。まあ、アメの詰め合わせだけど」
「それでも嬉しいよ──じゃ、はい。遺波くん、おひとつどうぞ」
「いいよ」
「二人で食べる方が、もっとおいしいよ。はい!」
と遺波にアメを渡す。
「……ありがとう──」
ぱくっと口の中でアメを転がす。
「ね? おいしいでしょ」
と彼女は笑顔になる。
「……そうだな」
「でしょ──わっ?」
遺波はわしゃわしゃと彼女の頭を撫でる。
「なに? なになに//?」
「お礼──」
そして、チュッとキスをした。
「……帰るか」
「うん……//」
いつも騒がしい彼女は、静かに頷くのだった。
*
下駄箱付近で、ゆずるは幸多と会った。
「実川さん、はい──」
「え……?」
「下駄箱に入ってたから──お礼。あと、おいしかったよ」
と幸多は笑う。
ゆずるはお礼を受け取ると、嬉しくて抱きしめる。
「ううん。こっちこそありがとう、嬉しい……//」
「いやいや。じゃ、気を付けてね」
「うん──」
ゆずるは、幸多が見えなくなるまで見送った。
*
幸多はゆずるに渡してから、教室に戻った。
「ごめん、遅くなった──」
「大丈夫だよ」
「そう? はい、由里葉」
「ありがとう//食べてもいい?」
「うん。おいしいかわからないけど……」
由里葉は小さな箱を開けると、中から一つ出して食べる。
「……どう、かな?」
「うーん……おいしい、よ」
「無理しなくていいから!」
「えっと……ちょっと甘過ぎかな……」
と由里葉は苦笑いする。
「甘過ぎ……」
「でも食べられないことはないから」
「うん、ありがとう……」
でもその優しさは逆に辛いよ……と幸多は少しショックを受けるのだった。
*
創也はこの前のベンチに来ていた。
「さて、今日は何の」
「ホワイトデー!」
「早いな……まあ、はい」
と市販のお菓子を祭に渡す。
「わーい! ……ってなるわけないでしょ! 市販なら市販でラッピングとかしないの?」
「めんどくさかったから。でも味は保証する」
「お店のなんだから当たり前でしょうが!」
と祭は怒りながらお菓子を食べる。
「……おいしい」
「だろ?」
「当たり前でしょ──」
何でこうかな……由里葉は松木に手作りもらうって言ってたし──
「はぁ……」
「どうした?」
「べつに」
「そう──」
しばらく無言で食べる祭に、創也は言った。
「……じゃあ、これで──」
祭のほっぺに、口づけをする。
「チャラな」
「な、なに//!?」
「機嫌悪かったから」
「いや、何でそういうことするかな//!」
「付き合ってるから」
と創也は自然に言った。
「そ、うだけど……//いや、そういう問題じゃないっていうか……//」
「まあまあ、ホワイトデーだし大目に見てよ」
と創也はけらけら笑って、手を振るのだった──
やりたい話もこれで最後となりました。
今まで読んでくださった方、お付き合い頂き、ありがとうございました。
また会えたら、その時もお付き合い頂けたらと思います。
それでは、ありがとうございました(_ _)




