【おまけ】甘い?
おまけです。
本編ではないので、書き方が違います。
委員長と彼女のお話。
井藤遺波は、幸多のクラスの委員長である。
クラスメイトから信頼されていて、教師からも一目置かれている。
そんな遺波には、他クラスの彼女がいる──
「どこ行ったんだ……?」
そして今その彼女とデート中、遺波はジュースを買いに行っていた。だが、戻ってくると彼女はいなくなっていた。
「ったく……なんでいつも待っててって言うのにいなくなるんだ──」
と遺波はペットボトルのジュースを持ったまま探し始める。
途中携帯に連絡をいれるも、電波が悪いのか、それともマナーモードにしているのか、出なかった。
そして見つけたのは、探し始めてから約二十分後……。
「…………」
「……ごめん、遺波くん──」
「べつに、もう慣れたけど……何で待ってられないの?」
並んで歩きながら遺波は訊く。
「待ってられるよ」
「現に待ってないんだが?」
「待ってるんだよ。待ってるんだけど、待ってる間に色々目にはいっちゃって……それで、遺波くんにも買ってあげようと思ってそこに行くんだけど、他のもいいなってなっちゃって、それで……」
「どんどん離れてくのか──」
こくんと彼女は頷く。
遺波は、はぁ……と息を吐いてからジュースを渡す。
「さっきのな。これ」
「……うん」
ありがとう。と受け取って、両手で包み込む。
「……初詣のときもそうだったな。あの時は何があったんだ?」
「お守り……」
「お守り?」
「そう。遺波くん、最近忙しそうだったから、無病息災のお守り──」
と彼女は申し訳なさそうに言う。
「体調崩さないようにって思って……でも、そのせいで火傷させちゃったし……」
「あぁ──」
と遺波は思い出す。
両手に甘酒を持っていた遺波は、彼女を探す途中に人とぶつかり、手に甘酒をこぼしてしまったのだ。
「あれは仕方ない。両手に持ってたのが悪かったんだ」
「違うよ。あの時、ちゃんと待ってればよかったんだよ。そしたら……火傷なんてしなかったのに……」
しょんぼりと彼女は下を向く。
そんな彼女を見ると、遺波は何ともいえない思いになってくる。
「あー……今日は、何があったんだ?」
「え……?」
「今日だよ。今こうやって、全然違う所にいるんだから、良いのがあったんでしょ?」
と遺波は少し笑って訊く。
彼女はその笑顔で怒ってないのを確認したのか、パアッと笑った。
「あのね! 犬のぬいぐるみ! お揃いなの。可愛かったんだよ! あっち」
と彼女がまた先に行きそうになったので、遺波はそっと手を繋いで引き止める。
「すぐ行こうとする……。これで迷わないだろ?」
「あはは……//うん! そうだね!」
「じゃ、案内してもらおうか」
「もちろん!」
と彼女は嬉しそうに引っ張って先導していく。
そんな彼女を見ながら、これじゃ甘いのかなぁ……と遺波は思うのだった──
幸多「委員長、やっぱり大変そうだ……」
創也「そうだな……」
次回、実川さんのお話。
またいつか。




