準備の始まり
文化祭の始まる予感。
準備始まりました。
「体育祭も終わって、一段落ついたが、体育祭の次、いや……体育祭よりも楽しみかもしれない文化祭がある……。それで、今日は何をしようか決めようと思う──」
クラスの委員長が、黒板の前で言った。
確かに、体育祭も終わって、皆一息ついている。
もう風も、少し冷たくなってきた。
「じゃあ、何をやりたいか話し合ってくれ──」
委員長は手を叩いて、十分間話し合ったらまた聞く。と席に戻った。
「文化祭かぁ……」
呟いて、想像する。
お化け屋敷かな? 白い浴衣着た野上さん。メイド喫茶もいいなぁ……メイド服の野上さん……萌える……っ//!
恥ずかしくなって顔を両手で覆う。
「何してんの? 幸多」
「えっ!? 別に! 何も?!」
「明らかにおかしいだろ」
と創也が軽く睨んでくる。
睨まなくてもよくない?
「ちょっと想像を……」
やっぱりしちゃうよね!
「妄想だろ?」
「違うよ! 想像!」
「あっそ。どっちでもいいけど」
「何それ!」
創也は吠えるおれを無視して、唐崎さんたちに声をかける。
「文化祭、やりたいこととか決まったか?」
「やりたいこと? そうだな──」
と唐崎さんと野上さんがこっちに体を向けて、話し出す。
「あたしは、やっぱりお化け屋敷とかかな! 驚かせたいし」
「祭ちゃん……。わたしは、特にないかな。楽しくできればいいなって」
と野上さんは微笑む。
確かに、楽しくできればそれでいいな。
創也と野上さん、唐崎さん。それにクラス皆で楽しめれば──
「松木くんは?」
「え?」
野上さんに声をかけられ、おれは首を傾げた。
「松木くんは、やりたいことある?」
「え、ああ。おれは特に……楽しめればいいよね!」
そう言うと、野上さんもうん。と頷いた。
「そしたら皆でまわろう」
「そうだね──」
「じゃあ、何するか決めるぞー」
もう十分経ったのか、委員長が前に出た。
「誰でもいいぞ。意見あるやつは言え。黒板に書いてくから──」
とチョークを手にした。
皆口々に発言する。
唐崎さんもお化け屋敷と発言していた。
そして一通り出た後、一番多かったのが喫茶店だった。
喫茶店は、お菓子メインでやろうということになり、女子たちは何作ろうかとワクワクしていたが、男子たちはつまらなそうな顔をしていた。
おれは、野上さんがお菓子作るとこ見られるかもしれないから、ちょっと楽しみだったり──
「……で、料理担当と接客担当、レジ、お金担当を決めるぞ。基本的には、料理研究部は料理担当になってもらいたい──」
「はい」
「わかった」
「ありがとう。じゃあ、あとは適当でいいな。お金担当は俺が責任を持つ。他は自分たちで決めてくれ」
と委員長が言う。
さすが、委員長はしっかりしてる。
どうしようか……
「俺接客担当やります──」
と創也が手を挙げた。
どうしようかな……あ──
「委員長、おれ料理で雑用担当やります!」
そうすれば、野上さんの料理する姿が見られる!
「矢倉と松木は決定。他も決めろよ──」
やった! 決まった!
小さくガッツポーズ。
野上さんの料理する姿が見られる!
「……では、担当は決まったので、料理担当とレジ担当は集まってください──」
委員長はそう言って、席に戻った。
おれたちも、委員長の席に向かった──
長くなると思ったので、ちょっと次回に繰り越します。
次回、細やかな話を。
休日投稿です。お知らせまで(_ _)/




