表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/35

休みが終わり──

遅くなりました。ちょっと短いかもしれません。

「あぁあ……終わっちゃった──」


 机にダレながら、一人呟く。

 窓の外に目を向けると、木にセミがとまっていた。


「暑い夏も、終わりが近いかも……」

「そうだな──秋は、体育祭に文化祭。行事が詰まってるぞ。んで、冬は球技大会」

「ホントだよ……あっ!」


 ガバッと体を起こして、創也(そうや)を見る。

 創也は頬杖をついて、こっちを見た。


「今思ったんだけど、体育祭でカッコいいとこ見せられるよね!?」

「上手くいけばな」

「それで、野上(のがみ)さんが、松木(まつき)くん、カッコいい……! みたいになったら、おれ死んでも良い!」

「想像すんのは簡単だろ。実行できなきゃ意味ねえじゃん」

「確かに……」


 でもなぁ……


「良いとこ見せたいじゃん?」

「そうかあ?」

唐崎(からさき)さんに、カッコいいとこ見せたくないの?」

「そりゃ見せたくないわけじゃない」

「じゃあ何?」


 創也は、そりゃお前……と頬杖を止めて言った。


「カッコいいとこばっか見せて、失敗したときに幻滅させたくないだろ。だから、多少は自分のダメな部分も見てもらいたい」

「そっか──」


 そういう考えもあるのか……


「じゃあ、カッコいいとこ見せてから、失敗すればいいかな」

「それじゃただの失敗だろ」

「そっかぁ……」

「まあ、その時になってみないとわかんないぞ」

「だよね──」


 また机にダレる。

 すると、頭上から声が降ってきた。


「なに松木。今になって夏バテ?」


 体を起こして前を見ると、唐崎さんが首を傾けていた。


「ちげえよ。野上に良いとこ見せたいんだってよ」

「そんなこと?」

「そんなことってヒドくない?!」

「ヒドくないよ。いつも通りに頑張ればいいの。良く見せよう良く見せようってやったら、逆におかしいから」


 と唐崎さんは首を振る。


「だいたい、意識しないでやった方が、女子からの好感度は高いよ。カッコよく見せようってやってると、アイツカッコよく見せようとしてるなってわかるから」

「そうなの!?」

「そう。だからさり気なく、女子から見ても、頑張ってるなぁっていうほうが、好感度は高いね」

「へえ! 勉強になります──」


 頭の隅に入れておこう。

 これで野上さんのハートをキャッチだ。


「何の話?」


 そこに野上さんが来た。


「男子が、女子にどう見られてるかっていう話」

「へえ──」


 唐崎さんが上手くごまかしてくれた。

 でも大差はないか。

 

 近いのは体育祭。野上さんに、好印象持ってもらえるように、頑張るぞ──


 


 


次回、体育祭か、その前日です(_ _)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ